†PCうそつき講座†
作成開始日 2021.07.07
最終更新日 2021.07.11
たとえば、AM2とAM3の決定的な違いは《DDR3メモリの可否》だが、この表を見る限り700系はDDR3不可、800系からDDR3サポートと考えるのが普通。が、実際は、初期のAM3/DDR3 マザーでは790GXが使用されたし、785GでもAM3/DDR3は動くし、中には690G搭載のAM3/DDR3マザーと言う珍品も存在する(FOXCONN A6GMV)。
C/S | CPU |
---|---|
690系 | AM2 |
700系 | AM2+ |
800系 | AM3 |
900系 | AM3+ |
2008年8月 | :790GXリリース(AM2+用として) |
2009年2月 | :AM3 CPU(Phenom II)発売 |
〃 | :AM3マザー発売(790GX+DDR3が主流) |
2009年8月 | :785Gリリース(当然AM3での使用を想定) |
2010年4月 | :880Gリリース(DDR3のみサポート:MB側の問題) |
なぜこんなことが可能かと言えば、Athlon 64以降はメモリ・コントローラーをCPU内に内蔵したため。どのメモリが使用可能かは、チップセットではなく、CPU自体が決める。なので、AM3 CPUが使用可能であれば、どんなチップセットでもDDR3に対応できる。AM2とAM3の本質的差異をDDR3対応とするなら、それはチップセットには関係のない話である。各世代のチップセットに差があるとすれば、内蔵グラフィックスのクロックとか、PCIeのレーン数のような程度の差でしかない。
こうなると、一般に言われていることも、もう一度再検討してみる必要がある。たとえば、Socket AM3とは何か?一般には、DDR3に対応したCPUソケットと考えられているが、上述のように、DDR3の可否はCPUが決めることで、Socketとは直接関係がない。そうではなく、Socket AM3とは「DDR3のマザーにAM2のCPUを装着不可能にする物理的な細工」と考える方がしっくりくる。
また、「Socket AM3ではAM2 CPUは使用できない」と言うのも、表現の仕方として本末転倒のような気がする。「AM2 CPUを装着不可能にしたSocketをAM3と呼ぶ」の方が正しいと思う。要は誤装着防止機能。この問題がややこしくなるのは、DDR2/DDR3両対応のコンボマザー。AM3 CPUがDDR3で動くのに、Socket形状はAM2になっている。でも、これはAM3マザー…
同じく「880GはAM3専用」という表現があるが、これも800系がAM3マザーにしか採用されていないと言う事実を述べたに過ぎないだろう。おそらく、880GはAM2(DDR2)マザーのチップセットとしても実装可能だと思うが、そんな事をするメリットがない。これを「AM3専用の特別な機能が付いているのだろう」と誤認識してしまうのが恐い。そもそも、今回こんなことを調べ出したのも、その誤認識が始まりだったわけだが…
ちなみに、785Gの開発コードネームは「RS880」、880Gは「RS880P」。
初めから兄弟であり、785Gは800系ファミリーの隠れメンバーだったようだ。
むしろ、留意したいのはA-Link Express(north/south間のリンク)で、880Gは785Gの2倍の速度が出るそうだ。このため、880GはSATA 6Gbpsをサポート可能だが、785Gは3Gbpsしか出ない。これは大きな差だ。と言っても、SATA 6Gbpsサポートにはサウス側がそれに対応した性能でないと不可能で、廉価C/Sである880Gでは、廉価サウスのSB710などが使用されることが多く、結果として3Gbpsしか出ないことが多いようだ。
ぐだぐだ考えているうちに、結局、買いそびれてしまったのであったorz