(2004.07.09/2006.03.14upd)

Warp 3.5のインストール

Warp 3はシン・クライアントとしては魅力的な選択肢だ。100MHz/64MB/500MBなんていう骨董品でも結構けなげに動いてくれる。Windows 98あたりも似たような存在だが、DOS互換環境の充実とフォントの美しさでWarp 3に軍配が挙がる。しかし、今からWarp 3を使おうと思うと、いろいろと問題も出てくる。特に、4GB以上のHDDを利用する場合は、初めからWarp 4.52を利用する方が賢明。Warp 3.5でもサポートは不可能ではないが、インストールが物凄く厄介だ。

バージョン別ディスク占有量(経験値)
version 最小 標準 備考
Warp 3 50MB 100MB 機能不足、GRADDなど非対応
Warp 3.5200MB 300MB Connect含む、実用性高い
Warp 4  ?  ? メリットを感じない
Warp 4.52 800MB 1GB機能的には優秀だがデカすぎる
Win 98SE 350MB 500MB参考

● Warp 3の種類

と言っても、WIN-OS/2やConnect、Serverの話じゃなくて、OSのベース部分のバージョンの話。簡単に言うと、Warp 3には3.0、3.01、3.5(3.51)の三種類がある。この内、

実用になるのはWarp 3.5のみ

で、3.0や3.01は流石に制限が大きすぎて実用にならない。たとえば; などなど。ドライバ類も3.5以降を前提としているものがかなりある。Warp 3.5はWarp 3の外観をしたWarp 4だと考えた方がよいだろう。しかし、このWarp 3.5、実は単独パッケージとしては存在していない。Warp 3にFixPak WX03807を当てる形でしか入手できない。しかも、

WX03807を直接適用できるのは3.01のみ

で、3.0には別のFixPakの適用が前提条件になる。

WX03807を適用できるバージョン
Ver.Levelパッケージ名前提条件
3.0XRJ3000初代 Warp 3 without WIN-OS/2 Refresh FixPak V3.01
XRJ3001 初代 Warp 3 with WIN-OS/2FixPak WX00001
XRJ3003 Warp Connect with WIN-OS/2
3.01XRJ3004Warp 3 without WIN-OS/2スペシャルキット2
Warp 32ビット-丸ごとCD
Warp Connect without WIN-OS/2
なし

上表を見ればわかるように、3.01のConnectは存在するが、

3.01のWIN-OS/2付きパッケージは存在しない

…と思う。「丸ごとCD」にWIN-OS/2付きのバージョンがあったどうか確証はないけど、どうもなさそうな気がする。少なくとも手許にはない。それに、たとえ「丸ごとCD with WIN-OS/2」があっても、Connectではないので使えない(Connect部分だけくっつけるという手もあるが)。

● HDDの制限

Warp 3.xは大容量HDDのサポートが非常に面倒だ。細工をすれば大容量HDD(8.4GB超)を扱うこともできないではないが、現実的には4.3GBが上限と思った方がよい。この4.3GBというのは、生のWarp 3.01が抱えてる制限だ。Warp 3.5にはこの制限はないが、3.5をインストールするには、まず3.01をインストールする必要があるので、3.5も必然的にこの制限を抱えてしまうことになる。

生のWarp 3.01が扱えるHDDは4.3GBまで!

ちなみに、4.3GBを超えたHDDを接続すると、領域が正常に認識できず、FDISKの段階でマッピングが壊れて表示される。8.4GBの壁のように、超えた分が単に見えなくなるというものではなく、領域が目茶苦茶に表示されインストールそのものが不可能。

では、いきなり4.3GBよりも大きなHDDにインストールする場合には、どうすれば良いのかというと、インストール用FDにかなり面倒な細工をする必要がある。これについてはWX03807のREADME.TXTの7.6に具体的な手順が載っているが、IDEドライバだけではなくローダ/カーネルの差し替えが必要になる。しかも、手作業でCD-ROMの中から圧縮ファイルをコピーして、手作業でUNPACKして、手作業でATTRIBして差し替えるという面倒なもの。コマンドライン操作には自信はあるが、それでもちょっと躊躇する。つ〜か、なんでディスクイメージを入れておいてくれないのかね?

しかし、実はIDEドライバの差し替えだけでも、4.3GB超のHDDの認識自体は可能になる。IBM1S506.ADD、OS2DASD.DMD、IBMIDECD.FLT、IBMATAPI.FLTを最新版に差し替えて(DDPack OnlineのOS/2 Component Updatesにある)、CONFIG.SYS に、

SET COPYFROMFLOPPY=1

を追加すればよい。これは、FDからファイルをコピーしろと言う指定。これを指定しないと、CD-ROM上にある古いドライバがHDDにインストールされてしまい、ブートに失敗する。この方法ならば、4つのファイルの差し替えとCONFIG.SYSの1行追加だけで済む。最初に述べた方法に比べると非常に楽なのだが、残念ながらこれはカーネル差し替えと同等のものではない。そのため、

OS/2のブート領域の先頭は、HDDの先頭から2GB以内

というおかしな制限が出てしまう。たとえば、ブートマネージャを使って、DOS/V、Win、Warp を共存させようとしたのだが、次のようになった。

■ブート不可能な例   ■ブート可能な例
-:Boot Manager-:Boot Manager
C:2000MB (Win)C:1800MB (Win)  ※ここが2GBか1.8GBかが問題!
C:100MB (DOS/V)C:100MB (DOS/V)
D:1000MB (Warp)D:1000MB (Warp)  ※左は2.1GB、右は1.9GBの位置がOS/2の先頭
E:〜……E:〜……

これに関するオーソライズされた資料があるのかどうか知らない。「2GB以内」という数字は完全に私の経験値である。ブート領域の1024シリンダのシバリはREADME.RMSにも書いてあるが、これは明らかに別の現象だ。たとえば、6GBのHDDはLBAモードではそもそも800シリンダ以下しかないのだが、上記のようにブートできない現象が出た。おそらく、最初に示したカーネル/ローダを差し替える方法ならば、この制限は出ないだろう(未確認)。

● 8.4GB超のHDDについて

8.4GB超のHDDに関する対処法方も、基本的には前述の4.3GB超のHDDに対する対処方法と同じだ。というか、IDEドライバのみを最新版に入れ替える方法を使えば、4.3GB超に対応した時点で8.4GB超にも対応できるはずだ。ただし、その場合でもWX03807を当てるまでは8.4GB超の領域は見えないだろうし、ブート領域の先頭2GBのシバリは出るだろう。

むしろ問題は、カーネル/ローダとIDEドライバの両方を差し替える方法を取った場合。Warp 3.5リリース時点ではまだ8.4GB超には対応していないため、WX03807のREADME.TXTの手順に従ってインストールFDを作ると8.4GBまでしか認識できない(はず)。この手順でインストールFDを作ったあとに、さらにIDEドライバを最新版に差し替えれば、8.4GB超対応で、かつ先頭2GBのシバリの出ないインストールFDになると思うが、気が遠くなるくらい面倒臭い。

ちなみに、8.4GB超対応のIDEドライバはWarp 3.01では機能しない(通常のIDEドライバとなる)。8.4GB超のIDEドライバは、3.5以降にしか対応していない。少なくとも、手許にある1999年6月版のドライバにはそう明記してある。

● WIN-OS/2組み込みの問題点

WXV for OS/2 やPSP 3.11を使うにはWIN-OS/2が必須。原則的に、WIN-OS/2はOS/2のベースシステムをインストールした後でもインストール可能だが、実際にはいろいろと問題がある。一つは、

WIN-OS/2の組み込みはVGAモードで行わなければならない

ということ。どうもディスプレイドライバの問題のようだが、これはけっこう面倒臭い。特に、Alt-F1でVGAモードに戻せない一部のディスプレイドライバ(MGAやS3の一部)の場合はドツボにはまる可能性もある。また、さらに厄介なのは、

WX03807を当てた後にWIN-OS/2を組み込むことはできない

という点だ。WIN32Sからみで極めてタチの悪いトラブルが起きた経験がある(もっとも、電源が不安定なマシンだったので原因は別にあったかも知れないが)。だから、先にWarp 3.5のシステムを構築して、後からWIN-OS/2を組み込むと言う方法は取れない。現実的には、WIN-OS/2の組み込みはOS/2のインストールと同時、または直後でなくてはならない。

● Connect部分の組み込み

Connect部分は、ベースシステムのインストールとは別に、CD-ROMの

BUIP.EXEを使いCIDディレクトリからインストールする

こと。ベースシステムと一緒にインストールするのはトラブルの原因。理由は、
  1. NE2000やRTL8139などのような超メジャーNICをサポートしていない、
  2. FDからのドライバ・インストールがまともにできない、
  3. 古い時代のOSなので、TCP/IPとNetBIOSをデフォルトとしている、
の三点。NICのドライバの問題はお粗末で、互換性云々があるとは言えNE2000が標準サポート外とは笑止。RTL8139はWarp Connectよりも新しいチップなので仕方ないが、フロッピーディスクからのインストールに失敗するとはどういうことか? これはRTL8139以外でも起きる現象で、\IBMCOM\MACSにドライバをコピーしてからインストールしないといけない。ベースシステムのインストールと同時に行うのはけっこう面倒臭いのだ。

ちなみに、CIDをCD-Rに焼いて、CID\IMG\LAPS\IBMCOM\MACSにドライバをコピーしておくと便利。標準対応ドライバはZIPされているけど、そのままドライバを放り込んでもちゃんと認識して、NICの一覧表示に追加してくれる。

また、現在の標準的なプロトコルはTCP/IPとNetBIOS over TCP/IPなので、デフォルト設定では使えない。Connectのインストーラでもプロトコルは選べるのだが、NetBIOS over TCP/IPしか選んでないはずなのに、勝手に生NetBIOSがくっついてきたり、生NetBIOSがくっついてくるとPeerがTCPBuei上で動かなくて、Peerの削除と再インストールが必要になったりと、なかなか強烈な泥沼にはまる。CIDから手作業で一機能ずつ完全手動でインストールするのが正しい。

なお、手作業でインストールしていると、MPTSでTCP/IPの構成をしろと怒られることがあり、[構成]ボタンを押しただけでは文句を言われることがあるが、これは……良く覚えてないが適当に何かしてたらどうにかなった。何の参考にもならんな。

● Warp Connect 3.5 with WIN-OS/2の構築

さて、そうなると、ConnectとWIN-OS/2付きのWarp 3.5の構築には、次のいずれかのルートを辿ることになる。
 A) Warp Connect with WIN-OS/2 (3.0) → WX00001 → WX03807
 B) Windows3.1 → Warp Connect without WIN-OS/2 (3.01) → WX03807
ちょっと見た所、Aルートの方が簡単そうだが、必ずしもそうとは言えない。というのは、3.0と3.01ではインストーラのデキがけっこう違う。うろ覚えだが、3.0ではHDDインストールの際に、ディスク1に細工が必要だったような記憶がある。また、3.0ではインストール不可能なマシンもあった。そう考えると、Bルートの方が賢明のような気がする。Bルートの問題は、OS/2の再インストールが必要になった際、Windows 3.1も再インストールする必要が出ることだが、これは、

Windows 3.1をOS/2のブートドライブとは別のドライブに置く

ことで回避できる。Warp 3のインストールはけっこうシビアな作業なので、私としてはこちらを推奨する。

● WX03807適用時のトラブル

このFixPakの適用では、二つの重大なトラブルに見舞われた。

一つは、カーネルに対して適用が有効になされず、カーネルのバージョン違いで再ブートが不可能になってしまうというトラブルだ。これは未だに原因がはっきりしないが、常駐ソフトかドライバの影響のような気がする。というのは、インストール直後の生状態の3.01にWX03807を適用すれば、この症状は出ないからだ。この症状が出た場合の対処法方はちと厄介で、OS/2をFDブートして、手作業で新しいカーネルをUNPACKして、手作業でカーネルを入れ替えるというもの。少なくとも過去数度、この方法で回復に成功しているが、極めて不安な対処方法だ。

二番目のトラブルは、適用開始直後にREXXスクリプトエラーが出て、適用が中断してしまうもの。しかも、困ったことに、WX03807適用済みと判断されて再適用も不可能になる。これはどうも適用時にDOS窓が立ち上がっていたのが原因らしい。WX03807を適用するときは、生3.01でアプリケーションをすべて閉じた状態で行うこと。不幸にもこの症状が出た場合は、\OS2\INSTALL\IBMCSF.LOGを削除すると適用前の状態と見なされる(この他にも、IBMCSFLK.LSTやIBMCSFLK.CSFというファイルが作成されることもある。これらのファイルも削除のこと。詳しくはWX03807のREADME.TIPの1.2を参照)。

なお、WX03807はFDブートでも適用可能(インストールディスク&ディスク1でブートして途中でコマンドラインに抜ける)。HDDから該当するOS/2システムを探し出して適用してくれる。この方法が一番安全だと思う。

● Netscape Communicator 4.6とフォントの制限

どうも、Netscape Communicator 4.6は単なるアプリケーションではなく、OS/2のシステムも変更してしまうような気がする。というのは、NC 4.6をインストールすると、MINCHO Proportionalなどの一部のフォントで、使用できるフォント・サイズが極めて限定されてしまうという現象が起きるからだ。XGAで使っているとあまり気にならないが、800 x 600だと10pt以下のMINCHO Proportionalが使えなくなる。これは厳しい! SVGAで12ptなんて地獄の使い心地よ。この現象はNC 4.6だけでなくシステム全体に起きる。しかし、NEC版OS/2のフォントを移植すると(別項参照)、なぜかこの問題も解決して、小さなサイズまで奇麗に表示できるようになる。

● Warp 3.5とWarp 4.52の比較

基本的に、新しいバージョンほど機能が高くなっているものだが、変更点が必ずしも改良と呼べない場合もある。Warp 3.5の場合、単にWarp 4.52よりもサイズがコンパクトだと言うだけでなく、ユーザーインターフェース周りも4.52よりも優れている点がある。 中でも、@欝陶しいFEPパネルがない、Aコマンドライン窓の再表示位置が保持される、BFDISKが扱いやすい、の3点はWarp 3.5の非常に大きなメリット。

反面、私に取っての3.5のデメリットは、T)まともなブラウザがない、U)98文字が表示できない、V)USBサポートが貧弱、の3点。しかし、T)はMozilla(Warpzilla) 1.4を使えば何とかなる(Hobbesより入手)。IBM製の「OS/2 Browser 2.02」とほぼ同機能で、タブも使える。しかもOS/2 Browserと異なり、Warp 3.5での動作が確認できた。ただし、Java 1.18に付いてくるunicodeフォントを入れないと、メニューの日本語が化ける。

U)の問題はちょっと厄介だが、個人的には解決済み。NEC版のOS/2からフォントを移植した。ただし、既にNEC版OS/2は殆ど入手不可能なので、今から新たにこの方法を取るのは不可能に近い。NEC版からの移植以外にも、TrueTypeフォントやA-Fontを使うなどの逃げ道はあるが、少々制限がキツいだろう。奇麗なラスターフォントで98文字を表示するにはNEC版OS/2からの移植しか方法はないと思う。

● システム構築例

と言うことで、私の典型的なシステム構築手順を記しておく。既にWarp 3.5のユーティリティ・ディスクを持っていることが前提。ない場合は、とりあえず4GB以下のHDDにWarp 3.01をインストールして3.5にアップデートし、ユーティリティ・ディスクを作っておく。
  1. 最初にHDDのパーティショニングをする。Warp 3.5のユーティリティ・ディスクを使ってブートして、FDISKでブートマネージャを導入し、DOS/V領域、Windows領域、OS/2領域を確保する。基本的に使用するOSはこの3本。DOSとWindowsはCドライブからしかブートできないので、両方とも基本区画とする。OS/2はDドライブからのブートも可能なので、論理拡張ドライブとして確保する。こうしておけば、DOS/VをOS/2のメンテナンス用にも使えて便利。もちろん、すべてFATとする。それぞれの区画の大きさは、DOS/V=10〜100MB、Windows=500MB〜1.8GB、OS/2=500MB〜1GB程度。この中で一番問題になるのはWindows。アプリケーションがバカでかいDLLをシステムにコピーするため、システム本体よりもかなり大きな容量が必要になる。しかし、FATは2GBが上限だし、ブート領域に前述の先頭2GBの壁がある場合、Windows領域を無闇に大きくは取れない。まあ、DOS/V=100MB、Windows=1.8GB、OS/2=1GBあたりが妥当なところ。

  2. システム領域とは別にデータ領域を確保する。私の場合、EドライブをFATのワークエリアに、FドライブをFATのアーカイブ置き場に、GドライブをHPFSのワークエリアにしている。それぞれのサイズはHDDの容量に左右されるが、少なくともFドライブまではDOS/Vから扱える範囲内に収めておくこと。これは、DOS/Vでインストールの下準備を行うため。
    C: DOS/V 100MB  FAT
    C: Win Me 1.8GB FAT
    D: Warp 3.5  1GB FAT
    E: WORK 1GB FAT  汎用ワークエリア
    F: BANK 1GB FAT インストール用ファイルの置き場
    G: HPFS 1GB〜 HPFS

  3. DOS/V区画とWindows区画にDOS/Vをインストールして、CD-ROMドライバを組み込み、Vzをインストールする。DOS/Vに関してはこれで終了。Windowsは、DOS/VでブートしてCD-ROMからWindowsのインストール・ファイルのディレクトリ「WIN9X」をFドライブにコピーする。F:\WIN9Xの中からSetupを実行してWindowsをインストールする。インストールのプロセスでブートマネージャを無効にされてしまうが(とんでもない嫌がらせだが)、気にする必要はない。インストール終了後、WindowsのDOS窓からFDISKを起動して、先頭領域をActiveにする。これでブートマネージャが復活する。

  4. WIN-OS/2用にWindows 3.1をインストールする。DOS/V区画をブートして、FドライブにWindows 3.1のインストール・ファイルをコピーする。このFドライブからSETUPを起動して、EドライブにWindows 3.1をインストールする(拡張インストール)。このとき、インストール済みのイメージをEドライブにコピーするのではなく、必ず新たにE:ドライブへインストールすること。どのみち、WIN-OS/2の構築プロセスでソースファイルが要求されるので、イメージだけでは意味がない。また、インストール先はC:やD:ではダメ。CドライブはDOS/VとWinMeで切り替えて使うので、状況によってはWindows 3.1が見えなくなることがある。また、D:はOS/2のシステムドライブなので、問題が起きればフォーマットするハメになる。その度にWindows 3.1をインストールし直すのは面倒だ。

  5. DOS/Vをブートして、FドライブにOS/2のインストール・ファイルのディレクトリである「OS2IMAGE」をコピーする。さらに、OS2SE20.SRCをコピーする。また、ネットワーク部分のソースファイルである「CID」ディレクトリおよび、インストーラであるBPIU.EXE、BPIU.EXEに必要なVROBJ.DLLをコピーする。なお、RTL8139用のドライバをCID\IMG\LAPS\IBMCOM\MACSにコピーしておく(ZIPの必要はない)。

  6. Warp Connectのインストールディスクに前述の細工をして、大容量HDDにインストール可能にしておく。そのFDとFドライブ上のOS2IMAGEを使ってWarp Connect (3.01)をDドライブにインストールする。最初は、ネットワーク機能はインストールせずに、OSのベース部分のみをインストールする。このプロセスでWIN-OS/2が構築される。Windows 3.1のフロッピーディスクが要求されるが、その場合はFドライブにあるWindows 3.1ソースディレクトリを指定すれば良い。また、この段階ではVGAモードでのインストールを推奨。

  7. BPIUを実行してネットワーク機能インストールする。まず、MPTSをインストールして、プロトコルとしてTCP/IPとNETBIOS over TCP/IPを選ぶ。終了に時にTCP/IPの構成を要求されるので、192.168.1.x…、255.255.255.0、ROUTE&DNS=モデムのアドレスとして構成を終了する。次に、TCP/IP(ULTIMAIL以外)をインストールし、最後にPeer for OS/2をインストールする。このとき、STARTUP.CMDの中に、なぜか「NET START REQ」と書き込まれるが、これだと「接続」はできても「共有」ができないことがある。また、システム起動時にOS/2窓が表示されるのもみっともない。そこで、
    START /C /MIN NET START PEER
    
    と書き換える。これで、OS/2窓が最小化された状態でピアが起動するようになる。

  8. WX03807を適用してWarp 3.5にバージョンアップする。このとき、FD起動(インストールディスク)をして、途中でコマンドラインに抜け、CD-ROMからSERVICEコマンドを実行する。ここが一番のヤマ。これに成功すれば目出度くWarp 3.5になる。Warp 3.5が起動できたら、まず、SNAPドライバをインストールして高解像度表示を可能にする。また、DOS窓とVzがまともに使えるように設定する。これで最も基本的な環境が整った。

  9. 次にMozillaをインストールする。これがまたまた一仕事(^_^;
    1. Netscape Communicator 4.61をインストールする。
    2. FISetup(FINST125)をインストールする。
    3. Java 1.18のunicodeフォントをインストールする。
    4. HobbesからMozilla 1.4をダウンロードしてインストールする。
    5. USBのbaseドライバとUSB Mouseドライバをインストールする。
    以上にて、タブもホイールマウスも使える、OS/2 Browser 2.02並みの環境が整う。おっと、EMXとlibcが必要だったかも知れない。ちょっと記憶が定かでない。
あとは、細々とした環境設定と様々なツールのインストールに時間を費やすことになるだろう。ま、それだけで三日は覚悟する方がよさそうだ。

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