†逆襲のOS/2†

レスキュー区画

作成開始日 2009.07.12
最終更新日 2021.01.18

ユーティリティディスク(OS/2用語では「ユーティリティー・ディスケット」と呼ぶのが正しいらしい)は、メンテナンス用のフロッピーディスク。具体的には、HDDの区画を切ったり、ブートマネージャを登録したり、HDDがブート不能になったときにデータを救出したり、システムのバックアップや復元をするときに使用する。そう、

システムのバックアップとリストアができる

のである。この点については【別項】で詳しく述べるが、ともかく、非常に便利なものなのである。ただし、このユーティリティディスクはフロッピーディスクが4枚も必要なので(Warp 3では3枚だった)、ブートにも時間が掛かり、使い勝手は決して良くない。そこで、このユーティリティディスクの機能を、システムとは別のHDD区画にインストールすると便利である。つまり、

OS/2のコマンドラインがブートする区画を作る

のである。

レスキュー区画作成手順

  1. 大前提として、ブートマネージャをインストールしておく。
  2. ターゲットのHDD区画は8MB以上必要(8MB以下のHDDなんてないと思うが…)。
  3. フロッピーディスクを4枚!用意する。
  4. 通常の手順でユーティリティディスクを作成する([システム設定]の中にある)。
  5. 必要に応じてドライバを入れ替えておく(例えばCF/IDEドライブを扱う場合)。
  6. ディスク0にATTRIB -S -H *を掛けて、すべて可視化する。
  7. ディスク2にSYSINSTXATTRIBをコピーしておく。
  8. 今回には直接関係ないが、ディスク2にRESTOREもコピーしておくこと強く推奨。

ユーティリティディスクの中身のコピー

  1. ユーティリティディスクでブートする。
  2. FORMAT x:でターゲットのHDDドライブ(x:)をフォーマットする 。
  3. SYSINSTX x:OS2BOOTをコピーする。
  4. COPY *.* x:でディスク0〜3の中身をすべてコピーする。
  5. HDDにコピーされたOS2KRNLIOS2KRNLとリネームする。
  6. LVMを起動して、ターゲットのHDD区画をブートマネージャに登録する。

注意

以上でターゲットのHDD区画はブート可能になる。また、ユーティリティディスクの各機能がすべて使用できるようになる。ただし、ルートにファイルをばっ散らかしておくのは決して好ましいものではない。そこで、OS/2の標準的なディレクトリ構成に従って、ファイルを整理しておくとよい(たとえば、コマンド類は\OS2、ドライバ類は\OS2\BOOT等)。MDでディレクトリを切って、MOVEでファイルを移動する(ちなみに、MOVEコマンドではドライブ指定子が使用できないので注意)。もちろんCONFIG.SYSの中のパス設定も変更しておく。格納場所が判りにくいファイルとCONFIG.SYSに関しては次の通り。

以上で、ルートに残っているファイルはCONFIG.SYSREADME.TXTだけになるはず。非常にすっきりした。使用ディスクスペースは7MB強、8MBあればOK。なお、レスキュー区画を作成するドライブは、通常はD:やE:となるだろうが、特に決まっているわけではない。そこで、上記の設定変更でも、敢えてドライブレターを指定していない。このように、ドライブレター非依存で作成すれば、この構成をひな型として、任意のドライブで使用できるようになる。

【追記】\OS2ディレクトリの中に、テキストエディタ「AEDIT」と、ファイラー「FileNova」を入れておくと便利。両方ともPM環境なしで使用可能。AEDITの操作性はTEDITよりもはるかにマシだし、FileNovaは純粋なコマンドラインでまともに動く数少ないファイラー。ともにシステムのメンテナンスには必須。

【追記】レスキュー区画のディレクトリの整理ができたら、全ファイルをzipなどでアーカイブしておくと便利。FDDのない環境でも、簡単にレスキュー区画を作成できる。


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