(2003.11.05)

プリンタ・サポート

■インクジェット・プリンタ

基本的にEPSON製品を推奨。OS/2でも比較的新しい機種がサポートされている。IBMもEPSONには力を入れている感じがする。もっとも、Canonでもそんなに絶望的な状況ではない。BJ Fシリーズ以降もサポートしている。また、両社製品とも、正式サポート外でもけっこう使える。以下は、私の経験から。

EPSON PM-670C OMNI PM-700C用ドライバで動作確認、画像もOK。
Canon BJ F360 OMNI BJ F600用ドライバで動作確認、画像もOK。
ただし720×720dpiまで。

CanonのBJ用ドライバで問題なのは、むしろパラメータの初期設定。なぜか、256色モードでマジックスクエア拡散になっている。このため、写真などを印刷すると唖然とするほど酷い結果になる。必ず、24ビットカラーでスタインバーグ拡散(またはStuki拡散)にすること。また、全体に彩度が低い感じがするので、色調整は気をつけた方がよい。テキストモードでも、黒と言うより灰色に近かった。

(2002.11.08)

■レーザー・プリンタ

レーザープリンタのサポートは、個々の機種ではなく、使用しているページ記述言語で判断するとよい。ページ記述言語は各プリンタのカタログなどに記載されている。過去の機種で言語名が不明なときは、メーカーのホームページなどで調べるか、GNUのghostscriptのページで調べるとよい。なお、同一メーカーでも使用している言語はさまざまなので注意すること。

   主なサポート言語   主な非サポート言語
AdobePostScript CanonCAPT (LBP-250 etc.) 
BrotherBPS for Win&Mac ??? EPSONESC/PageS PrintingSystem
(LP-700W/900 etc.)
BR-Script2/3
CanonLIPSU+/V〜 OKIIPL (Micro Line xxxCL)
EPSONESC/Page HYPER-W (Micor Line w8U)
HPPCL NECHYPER-W (MultiWriter1100)
NECNPDL2
RICOHRPDL
 

  BrotherのBPS(Brother Printing Solution for Windows & Mac)は、サポートされているのかいないのか不明。ただし、BPSしか搭載していないはずのHL-1240とかHL-1270Nが正式サポートされており、ドライバはLaserJet用(つまりPCL用)を使うことになっている。したがって、BPSはPCL互換なのかもしれない。あるいは、明記はされていないものの、BPSとは別にPCL互換モードを持っているのかもしれない。

●弱点は小型廉価機種
OS/2はメジャーなレーザープリンタを概ねサポートしている。かなり健闘している方だろう。しかし、小型安価機種用のマイナー言語をサポートしていないのが、貧乏で部屋の狭いユーザーには痛いところ。OkiのMicroLine 8wUやNECのMultiWriter 1100(同じもの?)は超小型で廉価なので、個人ユーザーには非常に魅力的なのだが、OS/2では使用不可。CanonやEPSONも最下位機種ではなぜかLIPSやESC/Pageを搭載していない。う〜む。泣けちゃうなあ。小型・廉価機種の中で例外的に使用可能なのが、HPのLaser Jet 5Lなど。でも、HPの小型Laserって現行機種にはないみたいなんだよね。

ただし、ドットプリンタのエミュレーションモードがあれば、そちらで使うと言う選択肢はある。たとえば、OkiのML600CL(中古で6000円で購入)はIPLという制御言語を採用しているが、OS/2用ドライバはない。しかし、ML600CLに搭載されているESC/P 24-J84のエミュレーションモードを使えばOS/2でも使用可能。しかも、OMNIJ 30.728のGeneric ESC/P 24-J84ドライバを使えば、360×180dpiの階調印刷も可能で、ぎりぎり何とか画像も印刷できる(人様に胸を張って見せることのできる品質ではないが)。

●ドライバの有無とデキとは別問題
なお、OS/2の場合、正式サポートしているものでも、ドライバのデキに疑問符の付くものが多い。PostScriptはやけに遅く感じたし(プリンタやアプリケーションのせいかも?)、LIPS IIIは画像のハーフトーンがとても荒い(300dpi機種。600dpi機種なら改善されるか?)、PCLはHPの5Lで試したところ、文書の一部が印刷されないというバグが出た(設定の変更で対処できたが)。ESC/Pageは試していないので何とも言えない。

もし、新たにプリンタを選ぶなら、多少遅くともPostScriptプリンタを購入するのがベストの選択だろう。言語規格がきちんとしていて、IBMも真面目に作っているせいか、かなりきれいに印刷できる。LIPSは少なくとも300dpi機種は勧めない。600dpi以上の機種に関しては不明。PCLは廉価機種なら御買得感がある。高価な機種は試してないので何とも言えない。ESC/Pageは試してないが、意外にアナかも知れない。

あと、プリンタ・ドライバはけっこう頻繁にアップデートされていて、専用ドライバとOMNIのドライバの両方が存在する場合もある。概ねOMNIドライバの方がデキがよいので、そちらをお勧めする。

(2000.11.25)

■最近のレーザープリンタの動向 (2003.11.04)

●アナはBrother
まず、意外なアナになって来たのがBrother。最近、標準PDLがBPSからPostScript3互換のBR-Script3に変更された。また、従来のBPSも実はPCL互換だったかも知れない。いずれにしろ、BR-Script機はもちろん、BPS機も正式サポートされている。このため、12xx、14xx、16xx、18xxのすべてがOS/2で使えるし、最新の5040や5070DNもそれぞれPCL互換/PostScript互換で使用できるものと思われる。特に、HL-5070DNは、実売4万円台前半で、PostScript 3互換、自動両面印刷、ネットワーク機能と、非常に内容が充実している。これは買いかもしれないなあ…。旧モデルのHL-1670Nや1650も3万前後で自動両面印刷をサポートしているので、悪くない選択肢だ。ただ、マイナーメーカーだけに、スペックに現れない耐久性やサードパーティー製トナーの入手しやすさなど、リスクはある。
●OKIもPCL化
OKIは従来IPLという独自のPDLを採用していたが、現在主力のMICROLINE 18シリーズではPCLを採用しているらしい。また、最上位モデルの18NRはPostScript互換。いずれもOS/2で動くはずだが、コストパフォーマンスの点でBrotherには及ばない気がする。なお、ローエンド機のMICROLINE 8uWのHYPER-Wがサポートされないのは実に残念だ。こいつは安いだけでなく、とても小さいくて場所を食わないのだが。
●CanonとEPSONはダメ
というのは、両社とも廉価機用PDLであるCAPTやESC/Page Printing Systemが幅を利かせてきて、多機能で価格の手頃なLIPS搭載機やESC/Page搭載機が消えてしまっているからだ。特にEPSONはインクジェットに資源集中しているせいか、レーザー製品のラインナップにやる気が感じられない。強いて言うと、CanonはLBP-1310が定価10万円/実売7万円台でLIPS搭載、自動両面印刷対応。Brotherと比べるとかなり割高だが、メジャーメーカーの安心感を考えると、一応選択肢の中に入れても良いかもしれない。また、EPSONはLP-2500が定価6万円のESC/Page搭載機で、とりあえず安くて動くレーザープリンタではある。が、基本機能しか備えていないし、実売価格を考えるとやはりBrotherに対するアドバンテージはあまりないように思う。

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