†逆襲のOS/2†

MPlayer/SMPlayerとKMP

作成開始日 2014.11.06
最終更新日 2022.02.26

MPlayerとKMP(K Movie Player:KDEのKMPlayerとは別物)はどちらも同じ方が移植/改造したもののようだ。MPlayerはLinuxのMPlayerのをOS/2に移植したもの、KMPはそれに独自改造を加えたものらしい。基本機能は良く似ているが、オプション指定の仕方や、キーアサインはけっこう異なっている。KMPの方が総じて便利のようだが、2012年のver.0.7.2が最終バージョンらしく(2021年1月現在)、webm(vp9/opus)などの新しいコーデックには対応できない。

注意webm(vp9/opus)について(2021.01.29)
mplayer-1.3.0-4.9.2(2016年)ならば問題なく再生できるが、 mplayer-1.4-9.1.0(2019年)では音声(opus)のみ再生不能。 単なるミスか?ライセンスの問題か?は不明。

プログラム名

MPlyaerは「MPLAYER.EXE」、KMPは「KMP.EXE」。ともにEXEファイルをパスの通ったディレクトリに置くだけで使用できるようだ(もちろん別途klibcは必要)。ただし、MPlayerはWIN-OS/2のメディアプレイヤーと同名なので注意。PATH設定によっては優先的にWIN-OS/2のメディアプレイヤーが起動してしまう。

オプション一覧

mplayer -h 基本的なオプション/キー操作
mplayer -list-options オプションの一覧
mplayer -input cmdlist 使用可能なコマンドの一覧
mplayer -input keylist 使用可能なキーの一覧

オーディオ出力ドライバ

共通の問題点はオーディオ出力ドライバの設定。私のPCにはUniaudioドライバが組み込んであるのに、なぜか明示的にDARTを指定しないと正常動作しない。
MPlayer 	: mplayer -ao kai:dart
KMP		: kmp -audio dart
なお、オーディオ出力ドライバの一覧は「mplayer -ao help」で表示できる。
mplayer -ao help
MPlayer 1.3.0-4.9.2 (C) 2000-2016 MPlayer Team
Available audio output drivers:
        kai     KAI audio output
        mpegpes MPEG-PES audio output
        null    Null audio output
        pcm     RAW PCM/WAVE file writer audio output

エラー[VD_FFMPEG] DRI failure (2021.04.30)

動画の先頭だけ表示して、再生が止まってしまう場合には、上記のようなエラーが発生している。原因はオーディオ出力のようなので、「-ao null」として、音声出力を無効にすれば再生できるようになる(当然、音は出ない訳だが…)。根本原因は、mplayer側ではなく、OS/2または仮想マシンのオーディオドライバ側にあるようで、この現象は突然発症するが、諦めていると勝手に直る。

【追記】この問題は、恐らくホストOS側(Linux)のオーディオが排他モードになっているためではないかと思われる【別項参照】。

音切れとキャッシュ

KMPで音楽を再生すると、音切れがかなり頻繁に発生する。 特に、他アプリを起動していて負荷が掛かるとブツブツに切れる。 このような場合は、オーディオキャッシュを指定すると良い。
kmp -audiobufsize 32000
一方、MPlayerは動画が引っ掛かりやすいので、-cache 512のように明示的にキャッシュを指定してみのだが、なんかワーニング出る。この辺りは要研究。

フレームドロップの許可

両方とも「-framedrop」でフレームドロップが許可される。遅いCPUで使用する際には必須の設定。また、mplayerではインターレース解除も可能で、「-vf yadif」のように指定すると残像が軽減できる。ただし、その分負荷は高くなる。yadif以外の解除方法も指定可能だが、負荷とのバランスを考えると、yadifあたりが妥当ではないかと…

操作性と表示

MPlayerとKMPではキーアサインが若干異なっている。 特にスキップの操作はかなり大きく違う。 一定時間単位のスキップ操作はMPlayerの方が圧倒的に便利だろう。

スキップ時間 10秒 1分 10分
MPlayer [←]/[→][↑]/[↓][PageUp]/[PageDown]
KMP [←]/[→][Ctrl]+[←]/[→] 

MPlayerの音量調節

再生中に音量を変更するときは、下記のキーを使用する(SMPlayerの設定と同じ)。

音量大 [9]または[*]
音量小 [0]または[/]
ミュート[m]

なお、mplayer起動時に「-volume nn」オプションを付けると、デフォルトの音量を変更できる。ここで「nn」は「1〜100」の数値で、「-1」を指定するとミュート…なのかな?

音量調節以前に、そもそも音が出ない場合は下記を参照:
OS/2の音が出ない ⇒ UniMixで音量設定を変更する
V-OS/2の音が出ない ⇒ PulseAudioの設定を変更する

プログレスバー(シークバー)の表示

mplayer:プログレスバー(現在の再生位置)は[Shift]+[p]または[P]で表示できる。 また、バーの表示位置(垂直位置)は「-progbar-align 5」のように指定すれば変更可能(数値は0〜100で、小さいほど高い位置になる)。 なお、「-vf scale=」オプションで画面サイズを指定すると、プログレスバーは表示されなくなるので注意。リサイズ時にもプログレスバーを表示したい場合は、「-vf dsize=…」および「-osdlevel 3」を使用する(scaleでサイズ指定をする場合よりも画質は劣化するが)。

kmp:タイトルバーに秒単位および%単位の再生位置が表示される。 さらに、画面をマウスでクリックすると、クリックの水平位置に応じて再生がジャンプする (たとえば、画面の左右中央をクリックすれば、50%の位置から再生が始まる)。 再生を中断(停止)するときにタイトルバーに表示された時間(%)を憶えておけば、 目分量のマウスクリックでほぼ同じ位置から再生を再開できる。 これはレジューム替わりになって、けっこう便利。


アスペクト比の変更

kmprは再生中にAlt+1/2/3(original/4:3/16:9)で変更可能。

MPlayerは起動時に「-aspect 16:9」のようにオプションを付ける。再生中の変更は不可能。ただし、smplayerを使えば可(と言うことは、カスタマイズすれば可能になる、と言うことか?)。

サイズの変更

mplayer:起動時に表示サイズを明示的に指定するときは、「-vf scale=」オプションを使用する。たとえば、「-vf scale=640:360」「-vf scale=-2:480」などのような指定方法がある。詳しくは別項参照。なお、サイズ指定には「-vf dsize=」オプションもあるが、こちらリサンプリングしないため、負荷は小さいが輪郭がガタガタの映像になる。また、サイズ設定とインターレース解除を併用する場合は、「-vf dsize=640:360,yadif」のようにカンマで区切って併記する。

kmp:kmpでも「-vf scale=」によるサイズ指定は可能(別項参照)。ただし、サイズの相対指定(-1、-2などの指定方法)はmplayerと異なる。また、「-vf dsize=」による指定は無効のようだ。なお、画面からのはみ出しを抑止するだけならば「-fixsnap」オプションが便利。尤も、この指定でどの程度に縮小されるかは未チェック。体験的には640×360になるような気がするのだが…

レジューム

現状ではどちらも単体ではできないようだが、mplayerはsmplayerを使えば可能。また、Linuxのmplayerにはresumeパッケージがあるらしい。

smplayer

mplayerのGUIフロントエンド。mplayerの各種設定を再生中に変更できて便利。レジュームも可能。ただし、動作はけっこう重い。2015年現在の最新版は0.8なんちゃらだが、別途QT4必須なので使う気にならない。0.5.21(2008/11/24版)がQT4なしで使用できる最終バージョンみたい(QT3がバンドルされているらしい)。netlabs(ftp://ftp.netlabs.org/)で入手可能。

zip版の0.5.21には11/4版と11/24版があるが、違いはsmplayer.exe本体ではなく、同梱のsqt.dll。11/4版はGUIの表示が若干乱れることがある。

主な特長は; 使用上の留意点は、Preferencesダイアログで、mplayer.exeの場所を設定し、オーディオ設定をkai:dartにすること。これだけでスムーズに動く。インターレースの残像が出るときは、[Video|Deinterlace|Lowpass5]あたりを指定しておくと良い。

▼smplayerの連続再生 (2018.04.15)

普通の意味での連続再生オプションはないようだが、プレイリストへの自動登録による連続再生は可能。その場合、連番ファイルか、全ビデオ(and/or)全オーディオ・ファイルの設定が可能。


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