●逆襲のOS/2●(2009.07.12)

システムのバックアップ

ユーティリティディスクを使うと、OS/2のシステム全体のバックアップが取れる。単純なファイルのみではなく、ブート用のシステムファイルも含めたイメージファイルに近い形でバックアップできる。つまり、クラッシュしたシステムの修復だけでなく、構成が似た環境であれば、

インストーラの代わりに使える

実に便利な機能なのである。使用するのはユーティリティディスク(またはメンテナンス区画)の中に入っている、

BACKUP.EXE RESTORE.EXE

というプログラム…と言いたいところだが、そこは流石のOS/2、いろいろ問題がアリアリで(^_^; まずは、バグと言うか、間違いの指摘から;

BACKUP.EXEとRESTORE.EXEの使い方は簡単。d:がバックアップを取るドライブで、f:がバックアップを保存する先だとすると;
	バックアップの作成 BACKUP d:\*.* f: /S
	バックアップの復元 RESTORE f: d:\*.* /S
問題は、保存先としてフロッピーディスクを前提としているため、柔軟性が非常に乏しいこと。指定できるのはドライブだけで、パス指定もディレクトリ名指定もできないこと(少なくともヘルプにはそういう意味のことが書いてある)。つまり、保存先がHDDであっても、1ドライブに保存できるバックアップは1種類だけで、保存先ディレクトリも\BACKUPという名前に限定される。もちろん、別の名前を付けて保存しておいて、使用する際に\BACKUPという名前にリネームすれば良いのだが、何とも…

しかし、この機能の便利さは格別のもので、前述の通り、構成が似た環境であれば、インストーラ代わりに使用できる。特に、USB等のドライバの追加や、デスクトップ設定の変更、NPSWPSやWatchCatなどのツールのインストールなど、ミニマムな定石カスタマイズをした上でバックアップを取れば、システム構築が物凄く楽になる。以前、ZIPで似たようなことをやっていたが、拡張属性やシステムファイルの扱い、UNZIPツールの大きさ、自己解凍形式のZIP作成の手間などを考えると、こちらの方がずっと便利だと思う。

【2010.03.16 追記】

バックアップをCD-R上に焼いたら、リストアができなかったことがある。HDDにコピーしたらリストアできたが。たまたまなのか、何か理由があるのか不明。

BACKUP.EXEではいわゆる差分バックアップは取れない。アーカイブ属性を利用した差分バックアップオプションはあるのだが、それまでのバックアップファイルを削除してしまう。つまり、従来のバックアップを別ディレクトリに避難させておかないとダメ。運用的にも非常に面倒そうだ。

このバックアップは、所謂HDイメージのコピーではなく、ファイル単位のコピー。したがって、ユーティリティ区画(ディスク)で起動した後、XCOPYで対象ドライブの全ファイルをコピーしても同じ。オプションを付ければ、隠し属性やシステム属性のファイルもコピー可能。問題は、ファイル数が増えて煩瑣で非効率になることと、ロング名、EA、ISOのファイル名制限などによって、バックアップ先が限定されること。実質的にはHDD以外は現実的ではないだろう。反面、差分コピーや、特定ファイルの取り出し、バックアップ先のディレクトリの柔軟性なんかはこの方法の方が上。なお、ユーティリティ区画には、XCOPYとSYSINSTXを入れておくこと。

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