†Linuxなんて大キライ†

Debian 11のインストール直後に行う作業

作成開始日 2022.05.09
最終更新日 2022.06.23

インストール前の留意点

インストールの前に、必要なストレージ容量を確認しておく。公式のシステム要件では10GBとなっているが、実際にインストールした直後のサイズは7GB程度だった。内容は、「/」が6GB、swap領域が1GBで、やはりざっくり10GBくらい。8GBのストレージ(実容量7.4GB)へのインストールは厳しいと思われる(無理ではないかも知れないが)。16GBあれば一応可能だろうが、現実的には30GB〜40GB程度がミニマムだろう。

なお、インストール時のデスクトップ環境の選択には留意した方が良い。今回はAthlon X2 BE-2400(2@2.3GHz)のマシンにインストールしたが、デフォルトのgnomeは重過ぎて実用にならなかった。Xfceも同時にインストールしたので、専らこちらを使用している。それでもけっこうな重さで、コンポジット設定(後述)を無効化しないと、まともに使えない。貧弱なマシンにインストールする場合は《LightDM+Xfce》のみとするのが賢明。

ディスプレイ・マネージャをLightDMに変更−−rootログインとデスクトップ環境選択

デフォルト設定でインストールすると、ディスプレイ・マネージャーはGDMになるが、これには2つの大きな問題がある。それぞれ対処法方はあるのだろうが、ディスプレイ・マネージャをLightDMに変更する方が手っ取り早い。

@rootログインを受け付けない (u_u;)
Aデフォルトのデスクトップ環境がGNOMEに限定される(変更には再起動毎に指定が必要)

GDMでもrootログインができないわけではない。/etc/pam.d/gdm-passwordを弄って、「auth required pam_succeed_if.so user != root quiet_success」行の先頭に「#」を付けてコメントアウトすればよい。ただし、この方法でもログイン画面で[アカウントが見つかりませんか?]をクリックしなければならず、一手間余分に掛かる。また、この設定変更自体、管理者権限が必要で、一般ユーザーでログインしたあとsuでrootになって、コマンドラインでgedit起動して…

LightDMならば特に設定を弄らなくても、普通にrootでログインできたし、デスクトップ環境の選択も保持された。ディスプレイ・マネージャーの具体的な変更方法は【このページ】を参考にさせて頂いた。なお、設定変更後は(再ログインではなく)システムの再起動が必要。

CapsLock/Ctrl交換とネットワークドライブへの接続

rootでログインできるようになったら、とりあえず、作業しやすい環境を構築する必要がある。まずは、なんと言ってもキーボードのCapsLock/Ctrl交換。毎度お馴染みである。ただし、なぜか、Xfceでは「/etc/default/keyboard」を書き換えても効果がない(?)ので、コマンドラインで以下のコマンドを実行する。

/usr/bin/setxkbmap -option "ctrl:nocaps"

【追記】実は「/etc/default/keyboard」の「XKBOPTIONS=」を変更する方法でも、CapsLock/Ctrlの交換は可能だった。が、Debian 8/Xfceでは何故か効果がなかったので(LXDEでは有効)、「setxkbmap」を使用する方法を標準としている。

また、常用ツールや常用アプリケーションをインストールするために、ホームサーバ(samba)に接続できるようにしておくことも重要。「/etc/samba/smb.conf」を編集し、workgroupを適切に設定して再起動を掛ければ、多分ファイラーの「ネットワーク」項目からサーバが見えるようになるはず(sambaのインストールが前提)。

駄目なら、下記のように、ネットワークドライブをマウントする。事前に「/mnt」にマウント先のディレクトリ(以下の例ではMYDIR)を作成した上で、以下のようなコマンドを実行する。この方法はsambaをインストールしていなくても有効(cifsはデフォルトで入っていると思う)。

mount -t cifs -o username=MYNAME,password=MYPW //192.168.1.nn/MYDIR /mnt/MYDIR

【参考】憶えておくと便利な命令・設定
●サーバのリソースが見えるかを確認する:「smbclient -L サーバ名
●サーバのIPアドレスを確認する:「net lookup サーバ名
●workgroupの変更:「/etc/samba/smb.conf」を編集して再起動
●hostnameの確認:「hostname
●hostnameの変更:「/etc/hostname」を編集して再起動

これらの命令は、起動時に自動実行されるように、適当なシェルスクリプトに書き込んで、[セッションと起動]の[自動開始アプリケーション]に登録しておくと良いだろう。ちなみに、私は「~/AUTOEXEC.sh」と言うファイルを作って登録した。

IMEを入れ替える−−scim+anthyは取り敢えず動く

Debian 11ではデフォルトで「ibus+mozc」がインストールされるようだが、ウチではibusもmozcもまともに動いたことがない(^_^; ゆえに、Linuxでは「scim+anthy」と決めている。そもそもOS/2ユーザーなので(しかも仮想DOSのVZ+WXIIユーザーなので)、LinuxやWindowsで長文を作成することは殆どない。なので、anthyの変換精度がどうのこうのはどうでも良い。検索時の単語入力と、簡単なメモ書きができれば十分。何より《動く》ことが最優先。なお、そもそもmozcはrootでは使えないらしい。いい加減にして頂きたい。

と言うことで、まずはibusとmozc、それに何故かインストール済みのanthyを一度削除。その上で改めてscimとanthyをインストールして、システムを再起動する。

Xfceデスクトップの設定

デスクトップの設定は各自の好みに合わせればよいのだが、どうしてもやっておいた方が良いのが、@コンポジット(表示効果)の無効化、Aウィンドウの配色変更、も1つおまけにB日時の表示形式の変更。作業の快適さが全然異なる。

@前述のように、Athlon64 X2世代やCore2 Duo世代のPCに、Debian 11のデスクトップは重過ぎる。軽量のXfceでも決して軽くない。しかし、設定を変更して軽量化することことは可能。[設定|ウィンドウマネージャー(詳細)]の[コンポジット]設定の各項目を無効にすると、随分軽くなる。ただし、[コンポジット]自体を無効にすると、見にくくなるので推奨しない。

Aまた、デフォルトのウィンドウ配色は、アクティブ状態でもタイトルバーが灰色で、とても紛らわしい。[設定|ウィンドウマネージャー]でテーマを[Kokodi]に変更すれば、Windows XPライクな青色タイトルバーになる(ただし、アプリによる)。

Bさらに、デフォルトの時計(日時)の表示は、米国式を無理矢理日本語に直したような、非常に見苦しいものなので(「水曜日 11 5月 2022 …」とか)、これをまともな日本式(「05/11 20:31」形式)に変更する。これは時計のプロパティで、[表示形式]としてカスタムを選択して「%m/%d %H:%M」と指定すればよい。

あとは、デスクトップ上のアイコンのツールチップの表示を抑止したり、シングルクリックで起動できるようにしたり、アイコンサイズを小さくしたり、ツールバーに使用頻度の高いアプリを登録したり、画面下のツールバーの表示形式を変更したり(Windowsのタスクバーみたいに)と、好みに合わせて設定するとよい。作業効率が全然違う。

【TIPS】
●ツールバーのアイコンの右寄せは、セパレータの設定を[透明][拡張]とする
●ツールバーへのアイコンの登録は右ドラッグで可能、右クリックメニューからも可能

サスペンドの正常化−−Radeonのfirmwareをインストールする

ビデオチップとしてRadeonを使用していると、サスペンドからの復帰(レジューム)ができなくなる。Athlon 64用のAMD 690Vや、A8-7600APUでこの現象を確認している。これは既知の問題らしく、実はログを見るとエラーメッセージと参照URLが表示されている。エラーメッセージは以下のようなコマンドで検索できる。
dmesg | grep ERR
cat /var/log/syslog | grep ERR
この現象に関しては、ネットでもいくつかのページで言及があったが、私は【このページ】を参考にさせて頂いた。で、対処法だが、要するに不足しているRadeon用のfirmwareをインストールすれば済むのだが、これが普通のリポジトリにはなくて、Synapticパケマネのリポジトリ設定で[DFSGに適合しないソフトウエア(non-free)]を追加しなくてならない。あとは、「radeon」で検索して、firmwareをインストールすればよい。

しかし、既知の問題で対処法も確立しているのに放置か…この辺りがLinux文化?⇒この問題、実はDebian 8や9でも確認している。しかも、8は更に厄介で、9に至っては死に致る病orz firmwareを入れればまともに使える11は、逆に立派なもんだと言いたいくらい。

【注意】復帰時のロック解除
デフォルト設定では、サスペンドから復帰するときにログイン画面が表示され、再ログイン手続きが必要になる。これは画面ロック設定を変更すれば回避できるのだが、Xfceには画面ロックのGUIツールがない(gnomeにはある)。仕方ないので、[システムモニタ]で「light-locker」プロセス自体を終了させた。設定ファイル弄るよりも簡単。「light-locker」は自動起動アプリとしても登録されているので、[セッションと起動]からも外しておく。

RTL8188系無線LANアダプタのインストール

RTL8188系はUSB無線LANアダプタで使用されることが多い、安価でポピュラーな無線LANチップだが、Debian 11では標準サポートされていない。カーネル4.4.3までならばTP-Linkのドライバもあるようだが、残念ながらDebian 11のカーネル5.xでは動かないらしい。

しかし、non-freeサイトにはドライバ(firmware)が登録されているようなので、前述の方法でSynapticパケマネにnon-freeを登録し、「8188」を検索してfirmwareをインストールすればよい。ELECOM WDC-150SU2Mで動作確認済み。

ただし、当然のことながら、この方法は既に有線LANなどでネットワークが使用できる環境があることが大前提。また、無線LANで接続できても、安定性にはけっこう大きな問題がある。ウチでは「使用は可能だが、実用にはならない」と判断して有線に戻した。


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