(2015.09.26)

SANYO Xacti J-2

決して、悪い機種ではないと思うんだけどね〜〜(^_^; やっぱ、企画の失敗だったと思うんだけど、 じゃあ、あの時期に他にどんな選択肢があったのかと言うと… 基本スペックは他社と比較して別段遜色ないけれど、何か特長が欲しい、 ってカンジでこんなバカな方向に行っちゃったんだろうねぇ… でも、動画と屈曲光学系とマクロ性能で十分アピールできたんじゃないかねぇ… いくら何でも《おしゃべり》と《イルミネーション》はないよなぁ… この二つは足引っ張る要素になったとしか思えない。 以前、J-1をいじったときも、正直むかっ腹が立って、 ボロクソなレポートを書いた記憶があるが、 今改めて見直してみると、J-1/J-2とも、決してそんなに悪い機種ではない。 おバカ機能をオフにすれば、けっこうツボを抑えている。

  ただし、ダイヤルの再生モードとMODEボタンの役割は入れ替えるべきだ。 いくら動画がウリだって、この機能割り付けは頭が悪すぎる。 大分類=ダイヤル/中分類=ボタン/小分類=メニューは絶対原則。 使用頻度の高い項目をショートカットする機能は大歓迎だが、 分類概念自体を混乱させる設計は絶対にやってはいけない。

特に気に入ったのはマクロ機能。 こいつは、通常マクロ(Nマクロ)とスーパーマクロ(Sマクロ)が融合している珍しいタイプ。 マクロモード自体は一つしかないが、 広角端でSマクロになり、望遠側ではNマクロになる。 しかも、屈曲光学式なのに広角端はF2.8の大口径。

  望遠端のF3.9もけっこう明るい部類。 なにせFinepix Z5fdなんかは広角端でもF3.5なんだから。 屈曲光学系3倍ズームでF2.8-3.9なんて他にあるのかな? けっこう自慢できるスペックだと思うのだが…

でもって、感度はISO400固定までだけど、実効感度は半段くらいは高い感じ。 つまり、Sマクロでけっこう高速シャッターが切れる。 我が家の標準被写体が1/20"以上で切れた(Optio30のF2.9/ISO400だと1/15")。

尤も、CCDサイズが1/2.7"なので高感度時の画質はかなり不安だった。 なにせ、ほぼ同時期のXacti S4のISO 400は悲惨なレベルだったから…。 が、J-1/J-2は意外にもそんなに酷い画質ではなかった。 確かに、ISO 200と400を比較すると、かなりはっきりと差が判るのだが、 ISO 400単体で見れば、許容できないレベルではない。 あれ?これ、使えるんじゃね?というカンジ。

また、マクロではないが、同じメニュー項目に1mと2.5mの《固定焦点》モードがある。 これは個人的には非常にポイントが高い。高速スナップには実にありがたい。

  「固定焦点」と明記されているわけではないが、 フォーカスレンジの項目に「1m」と「2.5m」があるのだから 常識的に考えれば固定焦点だろう。 実際、合焦マークも表示されないし。

●訂正 これは固定焦点モードではなく、《AFレンジ制限モード》のようだ。AF動作はしているし、レンジを外れるとシャッターが切れなくなる。まあ、レンジが制限される分だけAFは速くなるのかも知れないが、少しでもレンジを外れるとシャッターがロックされてしまうのでは、速写性は全然望めない(u_u;)

以上はJ-1も同じだが、J-2ではマクロが十字キーに割り付けられた。ふ〜ん… J-1とJ-2ってほとんど違いがなくて、ほとんど唯一の、と言っていい違いが このマクロボタンなんだが、フォーカスレンジがこいつのツボだとすると、 実はかなり大きな違いなんじゃないかな? なんか、ちょっと試してみたくなってきた。

なお、J-1とJ-2には、目立たないけれど非常に重要な違いがもう一つある。 それは、OKボタン呼び出しでも「全再生」および「拡大表示」が可能になった点。 J-1では直近1枚のみ、しかも拡大表示不可という仕様だったが、 J-2では全ての画像が自由に表示できるし、拡大も可能になった。 ただし、MENUボタン長押しによる撮影情報の表示だけは、 ダイヤルで再生モードに入らないと不可能。

なんか、SANYOのデジカメって、絶対に企画設計スタッフの中にカメラ好きがいる、 てのが判るんだけど、な〜んか、気持ちが届いてないよね。 設計や企画をマニアに任せると、絶対に売れない路線に走ってしまうから、 実は商売の邪魔なんだろうけど。 もうちょっと勇気を持って、こっちに踏み出してきて欲しかったなぁ。 銀塩時代のNikon miniみたいのを出してくれていたら、 また違ったようにも思うんだけど… 少なくとも、おしゃべりやイルミよりは消費者にアピールしたと思う。 死んだ子の歳を数えても仕方ないが。

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