(2010.02.19〜2014.03.02)

OLYMPUS CAMEDIA X-100
海外および廉価ルート限定のローエンド機。X三桁シリーズの中では一番小さい型番だが、シリーズ最初のモデルではない。おそらくX-350と同時期(2004年)に発売されたされたものと思われる。それまでのXシリーズとは異なり、スライドバリア方式でないのが最大の特徴。また、随所でローエンドモデルらしいスペックダウンが見られる。たとえば、広角端が35mm→37.5mmに、ISO感度が最大400→320に、マクロが20cm→50cmに、OVF周りのLEDが2個→0個に、などけっこう地味に手を抜いている。もちろん外観も思いっきりオモチャである。

  正確に言うと、X-200/250/350ではズーム全域で最短20cmをキープしているが、X-100は広角端で最短20cm、望遠端で最短50cmとなっている。

ただし、X-350では望遠端だったスーパーマクロが、このX-100では広角端に変更されている点は評価したい。望遠端Sマクロは暗いし閾値高いしで手ぶれが頻発するが、広角端SマクロならばISO 100でも何とか使えないことはない。デスクライトなどの補助光を使えば、手持ちノンストロボでこの程度の画(ISO100 38mm/F2.9 1/10")は撮れる。ちなみに、アナちゃんの顔は小指の先程度の大きさ。

実写結果は総じて悪くない。クラス・価格を考えるとかなり良い部類。特に、オークション相場はほぼ捨て値(1000円以下)なので、画質に関するコストパフォーマンスは極めて優れていると言える。ただし、画質以外の部分で問題が非常に多い。実際に使っていると、不便を感じたり、トラブルに見舞われる可能性がかなり高い。電池寿命、プログラムライン、レリーズタイムラグ、耐久性、光学ファインダー性能など、スペック表に載らない項目は思いっきり手を抜いている。もっとも、要は割り切りと対策で、欠点をカバーする準備をしていればよいのだが、そうまでして使わなければならない機種でもない。

プログラムラインはX-350の極悪プログラムラインを踏襲(T_T) 1秒まではベース感度(ISO 100)のままで増感しない。しかも、使ってみて気がついたのは、シャッタータイムラグがかなり大きいこと。シャッターを切って構えを崩すと、足許が写っていた、なんてことを何度も経験した。0.5"くらいあるのでは? この低感度とタイムラグの相乗効果で、手ぶれが物凄く出やすい。

電池寿命は2004年のモデルとは思えないほど短い。満タンのニッスイ(1700mAH;ただし容量が落ちている可能性はある)でも30枚くらい撮影すると赤マークが出た。電圧を測ってみると1.2v(!)。もちろん、同じ電池をC-2Zに入れれば、何の問題もなくグリーンマーク。このヘタリ弱さは前世紀のモデルであるFinepix 1500以下。C-150のときも、あまりの電池寿命の短さに驚いたが、海外モデルとは、つまりこういうものか…。あるいは、電圧の高いアルカリ電池の方が持つのかもしれない。

X-350との外見上の違いは、スライドバリアが廃止されたこと。これは積極的に評価したい。Xシリーズのスライドバリアは質感が低く、動きが渋くて閉めるときに恐いので、むしろ単純なスイッチ式の方が好感が持てる。ただし、造りにはかなり問題があるようで、電源スイッチやレリーズボタンがぽろぽろ取れる。オークションを見ても、けっこうそういうジャンク品が多い。私が最初に掴まされた機体も、レリーズボタンが画鋲になっていた(分解しようとして始めて気が付いた(u_u;))。

  ただし、レンガの床に叩きつけても壊れなかったことがあるので、一応公平を期して−−飲み掛けのポカリスエットをベンチの上に置いたら倒れそうになって、慌てて手を出して受け止めようとしたら、その手首に掛けていたストラップが外れて、カメラがポーンと飛んで行って、ガシャン! うぁあ、えらい事をした!…と思ったけど、よく考えたら、このX-100、実はポカリスエット(\130)よりも安いんだよね(^_^; 飛んでったX-100は多少傷が付いただけだった。まあ、鏡胴は引っ込んだ状態だったけど。…やっぱり、カメラは両吊りストラップが正しい。

光学ファインダーが省略されていないのは高評価だが、ファインダー脇にもファインダー内にも一切表示機能がなく、合焦やチャージの状態が確認できない。まあ、オマケ程度のものなんだろう。この時期のローエンドモデルなので、光学ファインダーがあるだけマシと思わなくてはならない。てか、こいつで液晶モニタ撮影したら、電池がいくらあっても足りないぞ。


Longrun Reports

2009.12.19/オークションで510円で落札。元箱付きのフルセットだが、本体の程度が悪すぎる。ボディにヒビが入っているし、ファインダーは砂埃で曇っているし、レリーズボタンは接触不良だし。どうも、現場で酷使されて故障で廃棄されたもののようだ。酷いものを掴まされた(u_u;) これだからオークションは恐い…って、長年やってるけど、このレベルは2回目か3回目。神戸のリサイクル業者みたいだったけど、今後は要注意……って、オイオイ、レリーズボタン、接触不良どころか、これ画鋲だぞ!画鋲が両面テープで貼り付けてある!何なんだ、いったい!

2010.06.13/その後、わりとまともなレベルのものを1台、さらにジャンク扱いの動作品を4台入手してしまう。行きがかりとは言え……都合6台(^_^; で、気になった点;実はけっこうヘタリ弱い。ニッスイ1.2vで赤マークが出る。これは、1999年発売のFinepix 1500以下。2004年の製品としては恥ずかしいレベル。あと、メインのスライドスイッチのストッパーが邪魔に感じられる。これは…ない方がいいんでないか? 光学ファインダー脇にLEDがないのも、心理的に相当辛い。大したことないかと思っていたが、異和感が凄くて、撮影のリズムが完全に狂う。そのほかの点でも、使っていて気持ちが貧乏になることが多い。所詮は海外メイン機か。「実用性」という言葉をどう捉えるかだが、この幸福感の薄さはちょっと厳しい。

▲1600×1200で撮影したアルパカを800×600にトリミング。毛並みがよくわかる。
で、早速外に持ち出して試写。王子住宅公園でアルパカを撮ってきた。撮影結果には概ね満足だが、電池の消耗の激しいのに驚いた。光学ファインダーメインで、30枚も撮らないうちに赤マークが出た。家を出る直前に満充電にしたニッスイなのに。まあ、電源を入れて待機状態だった時間も短くはなかったが(アルパカやヤギが面白いカッコをするのを待ち構えていたんで)、にしても、びっくらこくくらい早くなくなった。あと、画素数が多すぎて不便だった。16MBで30枚そこそこなんて、失敗写真をこまめに消さなきゃならない(この辺りも電池の消費を早めた)。「でかいメモリを買え」じゃなくて、XGA/200KB程度のモードを作ればいいんだよ。なんで、SQ1で1600x1200/400KBなんだ!どのみちUXGAなんてL判プリントにはオーバースペックなんだから。もっとも、今回はトリミングをしたんで、でかいサイズもそれなりに有効だったけど(動物は動くし、光学ファインダーのパララックスがかなりでかいので、広めに撮って、後で切り抜くことにした)。

2013.12.21/カメラ・ラジオの分解メモ撮り用に使えないかと再度チェック。Sマクロが広角端なのでF2.9というのがありがたい。実質上限がISO 100という低感度でも、電気スタンドを使えば1/10"程度で切れる。丁寧に撮れば手ぶれは何とか防げる。画質は良い。じゃあ使うのかと言われると、Optio30に対するアドバンテージはないしな〜となるが、文字通り使い潰しても全く惜しくない、というのは魅力と言えなくもない。

【貧乏カメラ館目次】 【ホーム】