†貧乏カメラ館†

Vivitar V335 未評価 発売年月 ----.--/標準価格 ¥-.----
こっちが本当のCT-1EXのOEM機?


(2006.04.18)

国内ではほとんど見掛けないモデルだが、これもCOSINA CT-1シリーズのOEM機。恐らくCT-1EXだと思う。海外のHPで調べて見ると、最高速度が1/1000"となっているのだが、手許にある機体は1/2000"まであって、軍艦部のデザインもCT-1EXそのもの。CT-1EXならばV2000と同じじゃないかと思われるが、V2000とV335はデザインがかなり違う。

基本的に、COSINAのフルメカOEM機は、CT-1シリーズとC1sシリーズの二つに分類できる。両者の最大の違いは、フィルム感度ダイヤルの位置で、CT-1シリーズは巻き戻しクランクの根元にあり、C1sシリーズはシャッターダイヤルの中にある。もう一つの違いは、CT-1シリーズが直線主体のデザインなのに対して、C1sはトップカバーやグリップに曲線が取り入れられていること。

ところが、このCT-1シリーズとC1sシリーズには、もう一つ中間的なモデルが存在する。それが、RICOH XR-SolorやVivitar V2000のように、C1s系統の曲線デザインでありながら、感度ダイヤルが巻き戻しクランクの根元にあるタイプ(すなわち、中身はCT-1系統と思われる)。このV335は、その中間モデルではない、生っ粋のCT-1EXのOEMと思われる。

海外HPの1/1000"という情報が正しければ、まずCT-1GのOEM機としてV335を発売して、モデル名を変更せずに中身をCT-1EXにして、今度は中身をそのままで外装を変更してV2000とした、という順序だと思う。しかし、海外においてもV335に関する情報は非常に少なく(大半がオークション出品情報)、信頼に足るスペック情報を得られなかった。すでにメーカーHPにもない。ということで、本当に1/1000"のV335が実在するかどうかは不明。我ながら、そんなこと詮索してもしょうがないと思うが…。

アイピース部はCOSINAと同じ厚いタイプ。OLYMPUSやPentax、Canonなどの視度補正レンズは付かない。これはけっこうネックになる。


2006.04.18/【ジャンク品入手】オークションで1600円で入手(35-70付)。ジャンクと言うことで、動作しないこと自体は覚悟していたし、また修理の自信もあったが、実際に現物を手にして見ると、予想以上に酷い状態。底蓋は割れてるし、各部のネジも舐めたあとがある。多分、故障して素人が分解を試みて放り出したものだろう。レンズもヘリコイドを回すと鏡胴が外れてしまう状態。直るとは思うが、ちょっとまいったな。

シャッターロック修理】で、早速修理に取り掛かる。最初はシャッターが切れなかったが、これはレリーズのレバーがミラーボックスのユニットから外れていた。前板を分解してレバーをはめ直したら切れるようになった。ところが、今度はフィルムカウンタが進まない。おまけに、何度でも巻き上げができてしまう。どうやら巻上系の故障もあるらしい。とりあえず、今日はここまで。順々に直していきましょう。そうそう、巻き上げレバーの爪が変形していたので直した。多分、巻き上げ不能な状態で無理な力を掛けたものと思われる。折らずに直せただけでも僥倖か。

巻き上げ修理】で、巻き上げがストップしない理由判明。底部にある巻き上げストッパの金具が変形して、正常に機能していなかった。おそらく、底蓋を割ったときにやったな。で、問題の金具をラジペンで曲げてきちんと噛み合うにしたら直った。ただし、底部のギアの先端が欠けているため、完全な修理は不可能。巻き上げ後も少しレバーが動いてしまう。スプロケット1つ分くらいはズレるかも。フィルムカウンタは直らず。別の理由だな。

レンズ修理】COSINA 35-70/3.5-4.8も修理する。基本的に、前群を取り出してヘリコイドをはめ直せばよい。先端の銘板は接着剤付け、その次の前玉はカニ目はめ込みだが、レンズの掃除をするのでなければ、前玉を分解する必要はない。銘板の下の半リングを止めているネジ3本をはずせば、前群がごそっと外れる。で、前群(実はヘリコイド)を鏡胴にはめ込んで、その次にピントリングを被せて、無限遠でピントを出してから、先程の半リングで固定すれば良い。

2006.04.19/【露出計故障判明】動作はしているが、スイッチが入りっぱなし。レリーズボタン周りも壊れてるな、こりゃ。はあ……いったい、何をやったんだろうねえ?

2006.04.26/【修理を試みる】露出計の故障原因判明、恐らくバネか何かがなくなっていて、レリーズレバーが常時半分落ちている状態=半押し状態=露出計オン状態になっているものと思われる。ただし、今日試してみたら、露出計は全然動かなかった。さてと…

カウンタの不動の原因も判明。カウンタ・ユニットのベース部分のプラパーツが変形していてる。そのため、ボディー側に付いているカウンタを動かす突起が、カウンタを動かすテコと噛み合わない。しかし、これはちょっと直しようがないぞ…熱で変形させるくらいしか思い付かないが、それもちょっとヤバそう。カウンタの仕組自体は、カウンタユニットを取り外してみるとわかる。XR-8とは全然違った。

で、テスト巻き上げを繰り返しているうちに、巻き上げレバー金具が変形してきたので、ペンチで直そうとしたところ「くっ」という手応え(>_<) 現状は辛うじてくっついているが、これは長いことはなさそうだ。1mmの鉄板から切り出す方向で考えた方が良いかなあ…。う〜ん、悩ましい。しかし、この構造じゃ、早晩こうなるなあ…


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