†貧乏カメラ館†
FUJI CARDIA Travel mini DP |
★★★☆ 発売年月 1991/標準価格 ¥3.4800 超小型でシャープな二焦点 |
![]() | 正式名称「カルディア トラベルミニ デュアルP」。超小型軽量二焦点コンパクト。Konicaのビッグミニと並ぶいわゆる「ドル札カメラ」。28mm側の写りの良さで少し話題になった。28mm/45mmという焦点距離もなかなかマニアック。しかし、造りはチャチで使用する幸福感には乏しい。また、45mm側の写りは28mm側に比べると大きく劣り、二焦点カメラとしての魅力は半減している。 |
(2006.07.19) |
「トラベルミニ」という名称が示すように、旅行用の廉価・超小型カメラとして設計された。「デュアル」は二焦点を、「P」はパノラマ切り替えを意味する(途中切り替えは不可)。確かに携帯性は抜群で価格も安いので便利なカメラだが、質感や操作性は完全に犠牲になった。それでもこのカメラが一部のカメラファンを魅き付けるのは、シャープなレンズが話題になったため。
操作性というか、使用している幸福感は皆無に近い。特に、ゴムのレリーズボタンの感触は犯罪的なように思う。ちなみに、Travel mini U/OPでは流石にプラスチックになっていて、かなり改善されている。また、後継のカルディアミニ Elite/Everydayではさらに改良されている。
なお、Travel mini DPに続いてU、OPが発売されたが、基本性能はまったくと言っていいほど変わらない。パノラマ途中切り替えやデザイン、一部の素材などの変更があるだけで、基本的に同じカメラだと思って良いだろう。また、カルディアミニ・シリーズのEliteも基本性能は同じである。進歩のない使い回しと言えないこともないが、それだけ煮詰まった性能の機種だとも言える。
この初代トラベルミニは比較的短期間(1年?)でカタログ落ちをしているが、実売数は非常に多かったようで、ジャンクワゴンの常連さんである。
最も注意すべき点はデート用のボタン電池が切れると、本体のLi電池があっても動作不能になること。これは非常に判りにくい仕様で、故障と間違えるユーザーがとても多い。なお、後継のカルディアミニ・シリーズではメイン電池に一本化された。
また、私の持っている機体の中には、ストロボのコンデンサがパンクした機体と、開閉式レンズバリアの動きの悪い機体があるが、両方とも修理は難しくないだろう。なお、ジャンク品の中にはウンともスンとも言わないものもあるが、これは水没を疑った方が良さそうだ。
主要諸元 | |
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レンズ | FUJINON 28mm/F3.5(3群3枚), 45mm/F5.5(5群5枚) |
シャッター | 電子シャッター、1/2〜1/250" |
ピント調節 | 赤外線アクティブAF、遠景モード |
AFロック | シャッター半押し(AEロック兼用?) |
近接撮影 | 45cm(広角・標準とも) |
露出制御 | プログラムAE F3.5・1/2"〜F22・1/250" |
露出補正 | 逆光補正ボタン |
測光範囲 | 恐らく広角時にEV3〜くらい |
フラッシュ | GN?、自動/手動、赤目防止、日中シンクロ |
ファインダー | アルバダ式、x0.35/x0.54 |
外観 | 121×65×41mm/208g(電池別) |
電池 | CR123A + CR2025(必須) |
その他 | ドロップイン・ローディング、パノラマ |
2001.05.07/一番機をオークションで入手。動作並品が820円(^_^;
2001.06.27/二台入手。二番機と三番機。8台2000円のジャンク・セットの中にあった。二番機はガラスプトテクタ・タイプの完動品。三番機はストロボ故障の開閉式タイプ。
2001.07.08/三番機を諏訪湖旅行に持っていく。流石に風景に28mmは重宝。48mmもスナップには不便を感じない。非常に良い焦点距離を選んでいる。ただし、電池の消耗がやけに早いように感じる(偶然かなあ?)。フラッシュ不良と関係あるかも。
2001.07.26/三番機の試写結果出る。フィルム2本使用。1本目は薬局の0円プリントを利用したが、言語に絶する酷い仕上がり。ピンボケ?とカブリ。0円プリントは良し悪しの差が激しすぎる。2本目は近くのラボの20円プリントを利用。1本目に比べると遥かに良い。レンズのシャープネスやコントラスト、発色は噂通り。しかし、やはり若干ピンが甘い気がするし、僅かながら光線洩れも。しょせん分解品は分解品か…。それに、フラッシュが使えないのは思ったより不便。オフにするのと壊れているのは別なんだなあ…。
2001.09.10/三番機、やはりバッテリが異常消耗する。原因は不明だが、これで完全に使用不可能と判断。もう少し手を入れて使えるようにしようと思ったが断念。部品取り用に回す。ただし、異常消耗とフラッシュ不良に関連があるとすれば、コンデンサの交換で直る可能性も残っている。これは試す価値がありそうだ。ちなみに、コンデンサは他のカメラ(写るんです)から流用するという方法もあるな。もちろん、秋葉原で部品として購入すれば100円以下だろうが。
2002.09.24/六番機入手。けっこうレアな銀ボディ。ジャンク9台2000円の中の一台。外観はあまり奇麗ではないが、動作はOK。やはり、デート用電池が切れたのを故障と勘違いしたものと思われる(他の8台は確かに壊れていたので)。
2004.01.16/【おやじの葬式】おやじが死んだ。通夜と葬式を二番機で撮影。結果はあまり良くなかった。28mm側は兎も角、45mmは平均以下の画質。発色もかなり黄色に偏ってるのではないか? 白蝋のような死に顔がやけに黄色く写っている。ラボの問題かとも思ったが、スキャンした結果、ネガレベルから問題があることが判明した。
No. | 色 | レンズバリア | 程度 | 備 考 |
A | 黒 | ガラス | ○ | 動作品、現在実家で使用中 |
B | 黒 | 開閉式 | − | ジャンク、ストロボ復活中 |
C | 黒 | ガラス | × | ジャンク |
D | 黒 | 開閉式 | × | ジャンク? |
E | 銀 | ガラス | ○ | 動作OK |