†貧乏カメラ館†

Konica Tomato 未評価 発売年月 ----.--/標準価格 ¥-.----
真っ赤に色付くマンボウの妹


(2006.4.17/2006.05.03)

フルメカニカルの固定焦点廉価コンパクト。若い女の子向けで、オモチャカメラのお姉さんクラス。でだ、これがGOKOのOEMではないのかと思ったりする。というのは、Pentax Pino Jに酷似しているのだ。もちろん、共に真っ赤なボディのスライドバリア式コンパクトであるから、見た目の印象が似ているのは当然だが、それ以上に、細部のパーツの類似が著しい。どう考えても、元は同一モデルだったとしか思えない。そして、Pino Jは実はGOKO UF-10のOEMなのだ。したがって、TomatoもGOKO UF-10の派生モデルと思われる。

ただし、スペックは多少異なっている。TomatoにはGOKOの得意のユニバーサル・フォーカスが採用されていない。確かに、近接モード(と呼ぶべきかどうか…)は存在しているのだが、絞りを絞ってストロボを当てるだけで、レンズの焦点自体は固定されたままだ。レンズが迫り出してくるPino-JやUF-10のマクロモードとは異なっている。Tomatoでは絞って深度を稼ぐと言うよりも、ストロボがオーバーにならないための仕組のようだ。

で、実写結果。ピント位置が約3mということもあり、絞ると遠景はかなり奇麗に撮れる。10mくらいまではかなりくっきり写るし、無限遠もボケボケではない。しかし、近距離の被写体では歪曲収差がかなり目立つ。周辺光量落ちも見られる。また、ASA 400でも室内ノンフラッシュはちょっと無理。単純計算で3段不足しているから、流石にネガのラチチュードでも救えなかったようだ。今回の結果を見る限り、普段持ちには少々問題があるなあ。

ちなみに、ManbowもTomatoもレンズは「KONICA LENS 35mm/F4(4群4枚)」。しかし、実写結果を見る限り、Manbowの方がかなり上の印象。Manbowは自社製造(だと思う)、TomatoはOEMの差が出たのか? とすると、TomatoはレンズまでGOKO製なのか? 単純に撮影条件やラボの違いという可能性もないではないが…。この時期にHEXANONではなく、KONICA LENSというのが意味深長。

なお、UF-10は35mm/F3.8(3群3枚)、Pino Jは34mm/F3.8(3群3枚)。実質的に同一と思われるTomato、UF-10、Pino Jのレンズのスペックが少しずつ異なっているわけだ。これまた何だか意味深長。邪推だが、実はTomatoも35mm/F3.8(3群3枚)のGOKO製レンズを積んでいるのではないだろうか? しかし、最下位機種のTomatoのレンズが、EFJやManbowよりも明るいと販売戦略上拙いので、意図的に暗い表記にしたとは考えられないだろうか?(発売順はEFJ→Tomato→Manbow)。となると、あとはレンズ構成の問題だが、これは単純な誤記ではないだろうか? どうしても、Tomatoのレンズがコニカ製4群4枚とは思えない。

なお、デート用電池の蓋は、▲印方向にずらすだけで外れる。どこかを抑える必要もない。また、迂闊にネジを外さないこと(圧板の取り付けで少し苦労するので)。


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