Pentax SV 試用レポート

2001.05.22/オークションで約9000円で入手。本体+35mm+135mm+送料。程度は並みの下かな。機能的には問題なさそうだが、ファインダー内の汚れが気になる。OHを頼むかどうか微妙なところ。自分で直せるかどうか… この機体はシャッターも重い。

2001.07.04/2台目を約3800円で入手。本体+55mm+送料。ジャンク扱いで、外観は錆が出ているが、巻き上げ、ファインダー、シャッター、ミラーなど、内部は1台目よりかなり良い。そもそもレンズ目当てで、ボディは分解の練習にでもしようと思っていたが、嬉しい誤算。さてどうしよう?

2001.08.07/1台目で神宮外苑花火大会を撮影。ボディとレンズ3本+三脚+ストロボを持って青山の叔父のビルまで行ったのだが、人ごみの中を歩いてもほとんど苦にならない。携帯性は思ったよりも良い。OM-1が出てくるまで、ペンタックスは小型SLRの代表メーカーだったそうだが、なるほどと実感。ビルの屋上にミニ三脚を立ててカメラを設置。貧弱な三脚だが、135mmを装着しても不安はなかった。ただし、この花火大会は都会のど真ん中で開かれることもあり、小物を乱発する傾向が強く、135mmは不向き。50mmの方が便利。できれば70mm〜80mmが欲しかったところ。また、暗闇のレンズ交換でスクリューマウントの弱点を実感。かなり手間取る。あと、今回は曇天から小雨模様で、器材が濡れることを見越して、このSVを持って行ったのだが、これは正解だったようだ。

2001.08.08/花火写真上がる。う〜ん、失敗と言うべきか……。まず、SVのカメラとしての基本性能はOK。まともに撮影できるでしょう。ただし、花火撮影のセオリーを無視した撮影だったので結果はかなり悪い。ASA400でF16〜22、1/2秒。典型的な花火なら何とかネガのラチチュードの中に収まったが、やはり全体的に光量不足は否めない。ASA 100-F8で2秒くらいかな。

また、@構図が悪い。これはファインダーを覗いていないため。シャッター開いている間は見えないしね。A135mmにすべきだった。50mmの方が花火の全体が入ると思ったが、空いっぱいに広がった瞬間を撮れるわけではないことが判明。迫力不足となった。3〜4秒のバルブ撮影も試すべきだった。Bスローシンクロ失敗。ピンは∞のままだったし、絞りもF16のままAUTOストロボ(F8で適正)で撮っちゃったから、人物は2段アンダーになった。

何か、現場で舞い上がって基礎的な事項の確認ミスが相次いだという感じ。準備不足、基礎不足、修行不足。

2001.12.30/【三台目+メーター入手】両方とも完全ジャンクで5000円(標準レンズとケース付き)。値段は微妙なところ。本体は先幕が出てこないし、メーターは電池を入れても不動。ともに外観は悪くないので、部品取りか修理でなんとか。メーターの方は、大雑把な精度で良ければ直るだろう。問題は根気だ。こいつも、将来的にはファインダーをスプリットイメージ・プリズムに取り換えてSV改にしたいね。他は言うことなしだし、TTL露出計じゃないから、実害はほとんどないはず。

2002.08.21/【二番機試写】東海道線の旅に連れて行く。Super Takumar 55mm/F1.8と135mm/F3.5。意外に重いかな。底フタの巻き戻しボタンにうっかり指が掛かりそうで恐い。底ケースが欲しいなあ。もっとも、うっかり押してしまっても特に深刻な問題にはならないようだが。あと、ストラップも一工夫欲しい。純正品だと巻上時に邪魔になる。金具を吊具の側に持って来るとまとまりはよいけれど。

2002.08.25/にっぽんど真ん中まつり(名古屋)でヨサコイの写真を撮ってくる。ありゃ?135mm/F3.5の距離指環がぐるぐるまわる(^_^; ま、実害ないけどね。ただ、イベントで135mmというのはちょっと無理がある。こんなことなら300mmを持って来るんだった。予定外の撮影だったからなあ…。おまけに、スクリューマウントだもんだから、レンズの交換が面倒でしょうがない。M42でズームてのも風情はないが、実用面ではぜひ欲しいところ。あと、ファインダーは意外に明るいけど、ピン合せはちょっと難を感じた(視度補正ありでも)。スクリーンの交換ができないのはかなり辛い。それから、55mmと135mmでは、絞りの方向が逆なんだよね。

試写結果はけっこう問題あり。非常にレトロな発色と言うか、かなり黄色が強い発色になる。おまけにラボのおっさんが気を利かせたつもりか、変な色調整をしたもんで青カブリまで発生しちまった。困ったもんだ。シャープさもいまひとつ。カリッではなくモコッとした感じの絵になるかな。味と言えば味なんだが。まあ、レンズはいろいろ選択肢はあるけどね。ピンもきちんと合ってくれない。これは、スクリーンと私の視力の問題だろうな。露出はF16法の人間露出計で何とかネガのラチチュードに収まった。使う楽しさはあるんだが、結果を要求されるとかなり辛いカメラだ。どんな使い方をするべきか……。Superiaを使って日中での撮影なら何とか、か。ストロボ撮影も要チェックだな。

2002.08.27/弟の見合写真を撮る。これがねえ…結論から言うと大失敗。Super Takumarはあくまでもモノクロ用のレンズだから(ホントかな?)、カラー調整が全然できてない。太陽光の下ならば「少し黄色みが強いかな」程度だが、蛍光灯下では黄色のカブリがメチャクチャ酷い。普通のレンズのミドリ被りの比じゃあない。とてもじゃないけど使えないレベル。屋外撮影なら何とかなるんだけれど、眩しがって顔をしかめるわ、強い影が出るわで、全然ダメ。日陰なら何とかと思ったら、風が強くてすぐに髪がボサボサになるし、人目を気にしているようで少しも落着かん。結局、慣れた家の中で撮る事にしたら、たいへん良い表情になった。が、くだんの黄色カブリで使い物にならず……。いやはや。結局OLYMPUS XA-2で撮影した写真を使ったけど、やっぱ描写力にはかなり大きな差がある。こんなことなら、別の一眼レフを持ってくりゃ良かったんだが、予想できなかったからなあ。

2002.09.01/【ストロボ撮影テスト】雅叙園で撮影。Super Takumar 35/2.8を中心に使用。今回はほとんどストロボ撮影。G社パーティーの撮影の際に問題があったPanasonic PE-300SGWを使用。先回の失敗を踏まえて、原則的に1段オーバーで撮った。問題結果をみる限りほぼ成功。「ほぼ」というのは、一応、それらしい露出が得られているということ。もちろん、手前の被写体が白く飛んで、背景に光が回っていない絵も多いが、これは器材の限界。Super Takumar 35/2.8の発色は悪くない。でも、ピン合わせは難しかったなあ…これ、かなり大きな問題だよ。

2002.09.08/【135mmレンズの距離指標修理】ネジを精密ドライバで回しただけで直った。となると、何でゆるんでいたのか、ということだわな…?

2002.09.22,29/【根津・白山神社祭礼、ふくろ祭り】二番機で、根津・白山神社の祭礼と池袋のふくろ祭(ヨサコイソーラン)を撮影。今回は底ケースを付けて、マイネッティのストラップを使用。ホールディングに関してはこれがとても良かった。特にケースはほどよい厚みと感触でとても良好。SVは流石に小さくし過ぎたのかもね。

この日も「私が撮影する日は天気が崩れる」と言うジンクスは健在で(T_T)、かなり暗かった。原則ストロボを使わないので、ASA 400でもちと…。メインはCHINON 300mm/5.6で、これを絞り開放、1/250"で使っていたが、かなり厳しいだろうなあ…。特に、このレンズが開放に耐えうる性能を持っているか、かなり疑問であるし…。

また、今日はTamron 28mm、Takumar 135mm、CHINON 300mmの三本を持って行ったが、やはり現場で何度もレンズ交換が必要でまたも実用的でないことを痛感。ま、不自由を楽しめばよいのだが。

結果はまずまず。やはり300mmで絞り開放での撮影となると、このスクリーンではピン合わせは困難でピンぼけが頻発したが、レンズ性能自体はTamronもCHINONも予想以上。特にCHINONは一絞り絞ればけっこうコントラストが高くて奇麗。Tamronも破綻のないスナップレンズとしてけっこう使えそう。

29日はふくろ祭りのベリーダンスを撮影。天気も今ひとつだし、夕方ということで、300mm手持ちが非常に辛い。絞り開放で1/125"くらい。ピンぼけと手ぶれが頻発。かと言って三脚を持ち込める場所ではなし。これはカメラの問題ではないがね。それに、やっぱりズームなしで使うのは辛いわ。少なくとも、こういう用途に向いているカメラ/レンズでないことは確かだな。

2002.10.04/【二番機外装換装】二番機は内部的には良好だが、エプロン部に大きな錆が出ている。で、ジャンクの三番機のエプロン部と換装することにした。基本的にネジ4つだけの簡単な分解だったが、やはり、ネジが錆びて太軸・先細のマイナスドライバが必要となった。ま、問題はそこだけだったが、マウント部を含む換装だけに、ピンの精度がちょっと心配になってくる。近々、実写の必要があるだろうなあ。

2004.08.02/【一番機故障】動作が滑らかでなく、Bが効かないことがあるので、空シャッターを何度か切っていたら突然動かなくなった。シャッターボタンが押し込まれたままの状態で固まった。とりあえず底蓋を外してみたが(キツくてとても外しにくい)原因不明。構造から見て、恐らく上部に問題があるだろうと思われる。軍艦部の分解を試みるが、今回は途中までにした。難しくはないが面倒くさそうだから。

一番機要修理シャッターが押されたままの状態で固まっている。外観まあまあだがミラーが酷い、ファインダー汚い、内部もあまり良くない感触。
二番機常用機外観は悪いがミラーもファインダーもメカも良好。エプロン部を三番機と換装したため、外観も悪くなくなった。
三番機故障機先幕出ない。直すより部品取りの方が正しいかも? すでにエプロン部を二番機に供給。角メータ付き。
四番機要修理セミジャンク、動作はするが、シャッター幕に穴、先幕の動作も良くない。丸メータ付き。
五番機実用機程度は並の下、もう少しミラーが奇麗だと良いのだが…

【貧乏カメラ館目次】 【ホーム】