(2004.11.24/2005.06.20upd)
Panasonic Lumixシリーズ
メーカー | 機種 | 内蔵ストロボ | 備考 |
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OLYMPUS | C-2020Z, C-2000Z | プリ発光 | C-2000Zはマニュアル露出不可? |
OLYMPUS | C-1400XL | プリ発光 | 元々が高級機、C-1400Lはダメ |
Kodak | DC260 ZOOM | ノーマル発光 | 変な人気あり、DC290 ZOOMも? |
Fuji | FinePix 2900Z | ノーマル発光 | ホットシュー付き、230万画素、3倍ズーム |
EPSON | CP-900Z | ? | けっこう高い |
SANYO | RDC-5300 | ? | 230万画素、そこそこの値段 |
もちろん、プリ発光対応のスレーブストロボ/ユニットも市販されているが、調光や配光に問題がある。現時点で確認できているのは次の5機種。なお、デジカメの中には、少数ながらプリ発光を二度行う機種があり(OLYMPUS C-1など)、それらは以下のストロボ/ユニットでも対応できない。
確証はないが、後述のように、エツミのスレーブユニットが感度を落としているだけならば、複数回プリ発光にも対応できる可能性がある。ただし、E-10ではシンクロできなかった。 |
外光オートでもスレーブ増灯時には調光が難しくなるが、プリ発光型TTLオートの場合はさらに困難になる。というのは、プリ発光時に内蔵ストロボの発光量を決めてしまうので、本発光時にスレーブ光が加われば、当然露出オーバーになるからだ。通常発光の外光オートならば発光と調光が同時なので、多灯のオート調光も不可能ではない。しかし、プリ発光タイプでは調光と発光に時間差があるため、多灯のオート調光は原理的に不可能なのだ(スレーブを二機用意して時間差発光させるという裏技もないではないが…まあ、フツーはしないだろう)。
もちろん、内蔵ストロボの光量不足を解消するだけならば、それでも良いのだが、デリケートなシーンでは非常に困る。この問題は露出補正と試行錯誤で切り抜けるしかないだろう。基本的にスレーブ側をメインにして、内蔵ストロボをトリガー代わりにすることになると思う。カメラ側にマニュアル露出モードか露出補正機能は必須である。
それはともかく、早速いじって見た。まずC-2020Zで試してみたが、プリ発光のキャンセル機能に関しては全然問題がない。スタンドに固定して被写体から2mほど離しても確実に発光する。エツミのスレーブユニットよりも遥かに便利である。しかし、Lumix LC-5では微妙。少なくともバウンスは避けた方がよい。正面向けてもときどき発光しないことがある。これはLC-5のストロボが優れている事の裏返しなのだが…。
一方、調光機能の貧弱さは予想以上であった。GN12で、F2.8オートのみ。これには少々驚いた。もちろん、調光センサーを塞げば常時フル発光させられるが、それは正規の使用方法とは言えないし、それでもF2.8オートとGN12のフル発光しか選べないわけだ。かなり厳しい。もちろん、発光部が固定されているので、バウンスさせると調光はまったくアテにならなくなる。
さらに致命的なのは、最短調光距離が2mという点。人物撮影の場合は良いが、ブツ撮り用の補助光としてはちょっと使えないのではないだろうか? F2.8で2mということはGN5.6。50cmまで寄ろうと思ったら、F11まで絞らないといけない。しかも、それに内蔵ストロボ分が加わる。普通のデジコンではちょっと使えないだろう。被写体から離す、バウンスさせる、ディフューザを被せるなどの対処法はあるが、「お手軽に」多灯を楽しみたいというニーズには全然適さない。
ということで、シンクロにも調光にも問題があり、なかなかメインで使おうという気にはならない。調光面ではヒカル小町Diがやや優れているが、結局大差はないだろうな。まあ、調光窓をテープで塞いで常時フル発光にして、ミニ三脚に固定して補助ストロボとして使うという選択肢はありかもしれないが。
スレーブ機能自体には関係ないが、付属の三脚台座は極悪なので注意のこと。remoteliteU以外のストロボを装着すると抜けなくなってしまう。一ツ目接点のくぼみが深すぎるんだね、わたしゃ、ハンマーでぶっ叩いて外したけど。余りに腹が立ったので、彫刻刀で溝を彫って接点が抜けるように改造した。
検討点)まず、価格。3〜4万の出費は痛い。次に、本当に使い物になるのか、という点。現時点で確実に判明しているのは、プリ発光をしない(禁止できる)ということだけで、その状態でどのような撮影ができるのかは全く不明なのだ。外付けストロボが“使える”Lumix LC-5が、外付けストロボを付けた状態では全く“使い物にならない”機種だったことを思うと、スペック表だけで飛び付くはとても恐いのだ。
その後、OLYMPUS C-5060やC-7070がスレーブ用のモードを備えていることが判明。実際には使用していないが、現時点では最有力の候補。ただし、500万画素のC-5060でも新品で5〜7万、中古で3〜4万とけっこうな値段。
第二案)スタンドのストロボとカメラを長尺の延長ケーブルで接続する。現時点で問題にしているのは、デジカメにブラケットを取り付けると取り回しが不便だと言うこと。本当は、カメラ単体で何もつながない状態が好ましいのだが、プリ発光機でのスレーブシステムの構築が困難となると、これも選択肢の一つかと。もちろん、二本目の外部ストロボはスレーブでカメラの近くに置くことになる。
検討点)これは追加出費ゼロで実現可能。しかし、PCケーブルをずるずる引っ張らなければならないのはちょっと…。また、スレーブ灯の位置も試行錯誤が必要だろう。
第三案)内蔵ストロボ+外部ストロボの二灯システム。実験の結果、C-2020Zならばかなり上手く機能することが判明した。Lumix LC-5でも裏技を使えば、何とかギリギリ使えそうだ(決して好ましくない使い方だが)。
検討点)外部ストロボの接続方法が問題。ケーブル接続が最も確実で、C-2020Zはもちろん、Lumix LC-5でも何とか使いものになる(第二案とほぼ同じ)。しかし、取り回しが少々不便。エツミのスレーブユニットによるワイヤレス同調も可能だが、ユニットだけ延長ケーブルでカメラの近くに持ってくる必要がある。また、LC-5では絞りの設定に大きな制限が出る。スレーブストロボを使えばかなりスマートになるが、ヒカル小町DiやremoteliteUではストロボ自体の性能がイマイチだし、LC-5の絞りの問題はエツミと同じ。
室内でF2.5-1/30"という設定だと、ストロボなしでもけっこう写ってしまう。通常、ストロボ撮影では、シンクロ速度にかかわらず閃光時間(1/10000"〜1/1000"程度)でシャッターを切ったのと同じ効果が得られるのだが、このLC-5のように背景光の影響を強く受ける設定では話は別。100mmを1/30"手持ちで撮影するのと同じ結果になってしまう。手ぶれが出るのは当然。シンクロ速度を上げるか、絞りを絞るかして、背景光の影響をネグらないといけない。それがままならないところにLC-5の問題がある。MモードでF8-1/125"なんてした日にゃ、モニタが真っ暗になるしAF性能も極端に落ちる。マニュアル露出が禁じ手になってしまっているのだ。 |
ただし、ちょっとした裏技を発見した。AまたはPモードでストロボ発光時に-2EVの露出補正を掛けるのである。こうすると、絞りは不変のまま速度が2段上がる。つまり、F2.5-1/105"〜1/125"くらいになるのだ。これだと背景光の影響はかなり小さくできるし、もちろん露出不足にもならない(本来的な意味での露出補正の効果は全くない)。しかも、AF性能に対する影響も小さい。−−しかし、ストロボ使用時に露出補正を掛けると速度が変わるなんて、何考えてんだか。ストロボ撮影の原理を理解していないのか? なお、Aモードで内蔵ストロボのみを使う場合には、Fを大きくすると速度が遅くなる。-2EV補正をしても、F4だと1/50"くらになってしまう。外付けストロボ(もちろんケーブル接続)を付ければ、Fを大きくしても速度は落ちない。なんか、意味不明な目茶苦茶な仕様だよなあ……
露出モード | A/P | Mならば速度も任意だがAF性能が極端に落ちるため |
絞り | F2.8 | Pならば自動的に開放(F2.5)になる |
露出補正 | -2EV | これによって速度が1/100"くらいに上がる |
内蔵ストロボ | オン | 配光を考慮して発光量を0〜-2EVで適宜補正 |
外部ストロボ | オン | PE-28S、F2.8オート |
ただ、一つ気になっていることがある。もし、上記のようなプロセスで手ぶれが発生しているなら、F2.5-1/30"の設定で使う限り、外付けストロボでも同じように手ぶれが出るはずだ。ところが、外付けだと手ぶれが確認できない。となると……プリ発光露光説も捨てがたい。悩ましい。ホント、こうまでして使わにゃならんのか? |
それでは物足りない、どうしても多灯で撮影したいとなると、スレーブユニットを使うのがお手軽だろう。その場合は外光オートのノーマル発光機が圧倒的に便利。しかし、私の手許にはプリ発光機しかないので、外付けのストロボを使って以下のようなシステムを組んでいる。
ブラケットにカメラと外付けストロボPE-200Sを付けて、シンクロケーブルでつないでいる。もちろん、内蔵ストロボはオフ、露出はマニュアルで1/100"-F4〜8。外付けストロボはF4オート(ISO100)。ここまでは普通。ポイントは、二灯目としてヒカル小町10iを使っていること。
ヒカル小町はカメラを挟んで外付けストロボとは反対側に置き、スレーブモードで真上に向けて発光させる。ヒカル小町の真上には白色のプラ板でできたバウンサーを置き、バウンス光をブツに反射させる。なお、ヒカル小町付属のLoパネルも使用し、光量を5.6まで下げている。