Konica S-mini 発売時期 1996.07/標準価格 \9500
APSの悲惨さを暴露した安物

固定焦点の低価格APSコンパクト。K-miniのAPS版。25mm/F6.7固定、シャッター速度1/80〜1/300のオート。フラッシュは自動制御のみ。びっくりするほど小さく携帯には便利だが写りは酷い。写ルンです以下と思ってよい。フレーミングも何かおかしい。いろんな点で問題ありありという感じだが、ま、コニーちゃんと言うことで、笑って許しましょう。

とは言うものの、全てにおいて性能が低すぎる。特に写りの悪さはかなり致命的。安物だけに差が強調されるのだろうが、APSの画質が35mmに比べてはっきりと劣るということを証明してしまった感じ。ただし、レンズ性能自体は優れている。ピンが合ったときは一眼レフに近いシャープさ。ところが、ピンが1m程度に固定してあるため、ほとんどの被写体がボケボケ。特に遠景は悲惨。せめてもう少し絞ることができれば何とかなるんだが、なぜかF6.7開放固定。焦点距離25mm(35mm換算で30mm相当)も、超広角好みと言うよりは被写界深度を稼ぐためだろうに。周辺光量低下は目立つ。

■フラッシュと露出補正

フラッシュの手動制御ができない点も怪しからんが、それ以上に怪しからんのは、フラッシュの照射角がレンズの画角をカバーしていないこと。そのため、フラッシュ撮影時には周辺光量が極端に落ち、昼間撮っても夜のような絵になる。露出補正機能は一切なく逆光時の日中シンクロも不可能。顔が見事に真っ黒に潰れる。でも、セルフタイマーでAEロックされるので、これを露出補正機能の代わりに使うという苦しい方法もないではない。物理的には可能だが実写結果は酷かった。また、測光窓を指で覆えば、強制発光は可能だが、元々も指等で隠れないような位置に付いているわけだから、測光窓を隠したままシャッターを押すのはかなり難しい。

■プリントタイプの問題

フレーミングもおかしい。そもそもAPSはHタイプというハイビジョン比率の画面で撮影し、それを通常比率のCタイプやパノラマ比率のPタイプに切り取ってプリントするシステム。で、一般にはCタイプはHタイプの真ん中部分を切り取るのだが、なぜかこのS-miniではそうすると画面の中心がズレる。左端からCタイプ分だけ切り取る必要がある。パララックスってレベルじゃないよ。

■その他の留意点

ちなみに、写真は1998年7月に出たコニーちゃんバージョン(Konica S-mini Go!Go! Conniechan!)。キーフォルダーやシールを付けて1万3000円。でも、先日(2001年夏)、秋葉原のソフマップで1500円で叩き売りされていたのが悲しい(T_T)。もっとも、それでも特に安いとは思わない。これでコニーちゃんが付いてなかったら、流石の私でも怒り出しているだろうなあ。そもそも、キーフォルダー、巾着ケース、シールを付けて3500円アップというのがボリすぎ。

操作上の注意点は、フィルム室の蓋をしっかり回して閉めないとシャッターが切れないこと。空シャッターも切れない。けっこう華奢な部分なのに力がいるから、ちょっと恐い感じがする。同様にレンズバリアを開くときも変に力が要る。ゆっくり開こうとすると途中で引っ掛かってしまう。困ったもんだ。こんなの2台も買っちゃったんだよな〜(;_;)

■改造の可能性

と言うことで、欠点だらけの機種だけど、レンズの描写力には捨てがたいものがある。仮に最短近接撮影距離0.9mというのが本当だとすると、25mm/F6.7ではピンは1.2m、被写界の後側は2m程度ということになる。これでは遠景はおろか3〜5mのスナップもまともに撮れない。これは実感にかなり近い。しかし、ピンを3mに変更すれば被写界深度は1.5m〜10mという広い範囲になる。こちらの方が遥かに便利。では、ピンが変更できるのかというと……実は前玉のカニ目を回すと何とかなりそうな気がする。実験はまだしていないけれど。

主要諸元
レンズ 25mm/F6.7(35mm換算30mm相当)3群3枚
ピント調節 固定焦点
近接撮影 90cm
露出制御 絞り固定・速度調節AE(1/80〜1/300秒)
露出補正 なし(セルフタイマーAEロック)
フラッシュ 自動制御のみ、赤目軽減機能付き
外観 103×58×30mm/136g(電池別)


■試用レポート

2001.05.31〜08.10/いろいろと試写してみたんだけどね〜、はっきり言って覚悟していた以上に悪い。固定焦点にしても描写が悪すぎ。写ルンですより酷い。APSって所詮こんなもの? AEもお粗末で、逆光はものの見事に顔が潰れるし、フラッシュ撮影すると真昼でも夜のように写る。しかも、Cタイプでプリントすると、画面の中心がずれる。CはHの中心部分のはずなんだが、明らかに左端から写ってる。設計ミスじゃね〜のか? 写りに関してはラボの問題があるから、現時点で断定的なことは言わないが、トリミングはラボのせいじゃない。Hでそういうふうに写ってんだから。いやあ、Konicaもこういうものを作っちゃいかんなあ…。

2001.08.26/AEロックはセルフタイマーを使うことで可能なことが判明。逆光補正をしたければ、STモードにしてレンズを手で覆ってシャッターを押してから、レンズを被写体に向ける。シャッターを押した時点でAEロックされる。で、約10秒後にシャッターが切れるのを待つわけ。今度試してみるか。

2001.10.13/根津神社で試写。小さな女子たちがお遊戯の練習。そんなに可愛くなかったけどね〜(^_^; セルフタイマーによる日中シンクロを試す。

2001.10.14/巣鴨のとげぬき地蔵まで散策。小学校のバザーやお地蔵さんなど何枚かスナップ。25mm(30mm相当)という焦点距離は微妙だよな。少なくとも、素人に使いやすい画角ではない。画角を活かした絵作りとなると、けっこう尖端的になりがちで。

2001.10.15/試写結果上がる。いや〜、相変わらず酷いねえ。Hタイプにしてもフレーミングはズレているし。これは完全に設計ミスだろう。しかし、1m程度先のそば屋の看板は物凄くシャープに写った。周辺光量不足が凄いけど、シャープさや立体感は一眼レフレンズ並み。ここがピンか……馬鹿な設定しやがって。ということで、絞り、ピン、フレーミングをいじることができれば、かなり優れたポテンシャルがあると思うが、このままではとても使い物にはならない。

セルフタイマーによるAEロック自体は機能したが、だからと言って奇麗に写るわけではなかった。そもそも、フラッシュ撮影の写りが酷いのだから、どうしようもない。

2001.10.17/K-miniをいじっていて思ったんだが、このS-miniも前玉を回転させてピンを動かすことができるかも。K-miniで巧くいったら試してみたい。

(2001.05.29)

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