(2002.04.08)
症状 | :中玉を含むすべてのレンズに盛大なカビ |
修理結果 | :すべてのレンズの掃除に成功。ただし、実用上支障のない不具合あり。 |
修理期間 | :約3か月 |
ポイント | :長柄の太軸の0/00番ドライバの入手、ネジと鋼球の入手、マウントの構造 |
このレンズはマウント部とレンズ部がはっきりと別れている。そりゃそうだろう。SIGMAに限らず、サードパーティのMFレンズは、レンズ部とマウント部を別々に組み立てて、最後の工程でくっつけるはず。今回はレンズの掃除だけだったから、マウント部は分解する必要はなかった…というか、マウント部を分解しなければ、もっと完全に直せたはずだったのだが、なにしろ手探り状態だったから、手当たり次第にネジを外すしか方法がなかったわけ。
基本的に組み上がるように組み上げればよいのだが、それがなかなか…まず、最後尾にある絞りレバー部とマウントリング部の組み合わせは、マウントリング部の金属ツメを絞りレバー部のミゾにはまるようにする。このとき、そのミゾにはスプリング付きの絞りレバー(絞り値に連動する方)のツメがあるので、これのどっちがわにマウントリングのツメを置くかに迷った。結局、マウントリングを回転させると(UNLOCK位置にする)、絞りレバーのツメを引っ張るようにした。これならば、絞りレバーはミゾの中のすべての場所(1/4円周)のどの位置も取れる。
ま、構造的に考えてもそれが妥当なのだが、ここで迷ったのは、組み上げるとマウントリングがどこか引っ掛かって、ツメ同士がぶつかった位置で動かなくなるのだ。力任せに回したら、プラ部が削れたり、マウントリングの金属ツメが変形してしまったほど。これは未だに解決できていない(というか、原因不明で解決してしまった)問題。どうやら、マウントリングの赤ボタンを強く押して回せばよいようなのだが、いまひとつ釈然としていない。
また、マウントリングと絞りレバー部をくっつけるときは、マウントリングの止めのスプリングと鋼球も忘れずに。スプリング+鋼球によるクリックシステムは、このマウントリングと絞りリングに使用されているが、当然の如く、どちらの鋼球も分解中に紛失。仕方ないので、東急ハンズで鋼球を購入。φ1mmとφ2mmを買って来たが、本当はその中間の大きさのものが欲しい。仕方ないので、約φ1.5mmとおぼしき鋼球の入ったベアリングを買って来て、鋼球だけ外して使用しようとしたのだが…結局、これが墓穴を掘るハメに。
結論から言えば、やはりφ1mmを使うべきだった。φ1.5mmでもきつめだったので、スプリングを入れずに入れて見たら、穴と丁度同じ大きさではまり込んで出なくなってしまった(T_T) これでUNLOCKのクリックは不可能に。これが今回の最大の痛恨事。
また、マウント部と絞りレバーを組み上げるときは、AEピンも忘れずに入れること。これは比較的簡単。
で、次に絞りリングをくっつける。このとき、絞りリングのツメの位置が問題になるが、これは二つの絞りレバーの間に入れる。もちろん、絞り位置のクリックのためのスプリングと鋼球も忘れずに。
で、最後にマウント部とレンズ部をくっつける。このとき、絞りレバー(絞りに連動する方)のコの字形のレバーをレンズのレバーにはめ込む。絞り制御レバー(シャッターを切ると叩くレバー)はバネを引っ張って、レンズのレバーの外側になるようにする。これで出来上がり。