(2003.07.13)

Canon FTb修理記


●三番機:プリズム掃除[2003.04.28]

ファインダー系の掃除。スクリーン、プリズム、接眼レンズの内側のすべてが汚く、視野内に黒い点がたくさん見える。方向としては、トップカバーを外してプリズムとスクリーンを取り出してクリーニングということを考えたのだが、結果は中成功。接眼レンズの内側は奇麗になった、プリズムは端の方にやや目立つ点状の腐蝕が一つ残った、スクリーンはあまり奇麗にならず。しかも、スクリーンは露出計受光部とユニット化されているため、交換が不可能と判明した。

トップカバーの外し方

  1. トップカバー周りの5個所のネジを外す。
  2. 電池ブタを外す(必須)。
  3. エプロン下部のネジを外して、エプロンのカバーを取る。
  4. 裏蓋を開けて巻き戻し軸にドライバーを挟んで、巻き戻し軸を分解する。
  5. 巻き上げ軸を分解する(詳しくは後述)。
  6. シャッターダイヤルを分解する。
以上でトップカバーが外れるが、ホットシューのコードが接続されているので、気を付けて外すこと。また、シャッターのロックスイッチは外す必要はないようだ。

巻き上げ軸の分解

  1. 軸のカバーのカニ目を回して外す。
  2. 黒い金属板を取る(特に回したりしなくても簡単に取れる)。
  3. またもカニ目が出てくるので外す。逆ネジ注意!
  4. あとは普通に外していけばよい。

プリズムの取り出し

単純に、プリズム抑えを外せば外れる。ただし、私が外したときには、露出計の赤ベロを抑えているバネが一緒に引っ掛かってきて外れてしまった。これは、もともと正しい位置に引っ掛けてなかったような気がするのだが…。とりあえず大過なし。

プリズムが外れたのでレンズ拭きで奇麗に拭いたところ、黒い点状の汚れはほとんど取れた。このまま放置しておけば腐蝕の原因になったかもしれないが、とりあえずはOK。ところが、プリズムの内側に腐蝕を発見。最初は気が付かなかったのだが、接眼レンズを付けて覗くとはっきりわかる。どうも、プリズムを直接覗くとピントから外れた位置になるみたいで消えちゃう感じ。

接眼レンズの裏側

プリズムを外すと接眼レンズが裏にむき出しになるので、ここを綿棒などで掃除すればよい。それにしても、接眼部周りの埃の侵入は凄い。

スクリーン

さて、問題がスクリーン。プリズムを外すとスクリーンの内側が出てくるので、ここもレンズクリーナーなどで掃除すればよいのだが……。まず、クリーニング時には露出計の針に触れないようによく注意すること。また、これ以上の分解には進まないこと。

当初は、スクリーンだけを取り出して、超音波洗浄器で洗浄する予定だった。劣化したモルトがスクリーンに付着したときに、掃除するつもりで汚れを広げてしまったので、それを奇麗にしたかったのだが…。このスクリーンは、通常の一枚板ではなく、露出計受光部とユニット化されたもの。コードが付いていて取り外せないし、よしんば取り外しても、電子部品を超音波洗浄器に放り込むわけにはいかない。

ということで、ここで断念。スクリーンに拭きムラのようなものが目立つが、それでも当初から比べると大幅に改善された。満足しなければならんレベルだろう。

シャッターダイヤルの組み立て

シャッターダイヤルを裏返して見ると、突起が出ているのがわかる。この突起と、軸の形状(小判型)で、正しい位置に設定できるようになっている。ただし、裏側の突起をはめる穴は4箇所に空いていて、どこにいれればよいのか迷うところ。今回は赤マジックでマーキングしてあったからよかったけど…。

【貧乏カメラ館目次】 【ホーム】