(2015.09.21)

Pentax Optio 555

某神社の祭礼+下町散策で試写をしてきた。

180mm相当OVF機というのがウリなわけだが、 さて、本当にOVFで180mmの撮影が可能か、というと… まあ、可能だったというのが今回の試写の結論。 EVF機のように、AFが迷う度にファインダー像がボケる事がないのは、 予想していた以上に快適であった。 ただし、コントラストAF(パッシブ外光AF併用)であることは変らないので、 原理的に言って、AF性能自体が劇的に上がっているわけではないだろう。 夕方や曇りの場合、不規則動体にどの程度合焦するかは、 もう少しシビアな環境でテストしてみないと何とも言えない。

それよりも問題だったのは、露出とコントラストの問題。 これは、この時期のPentaxのコンデジ共通の問題だが、明暗差に極端に弱い。 コントラストが強すぎると言うか、ダイナミックレンジが狭いというか、 「青空+神楽殿の舞台」という組み合わせでも、 舞台は真っ暗、木々の緑は白飛びという有り様で絵にならない。 画面全体の明るさが比較的均一のときは、とても良い味を出すのだが、 一歩間違うとレタッチソフトで補正しても救えない絵を吐き出す。 測光自体も問題で、評価測光なのに、背景にちょっと空が入るだけで、 思いっきりの逆光=露出不足になる。何を評価してるんだか…(u_u;) たぶん、中央重点平均測光の方がマシだと思う。 平均測光なら補正量はカンでだいたい判るしね。

使い勝手もいくつか問題点を感じた。 まず、ストラップが片吊のネックストラップであること。 これは地獄のように不便だった。 なにしろ、首から吊るすと縦位置(右手側が上)に構えることができない! バカである。 無論、ハンドストラップならそうした不自由はないのだが、 このクラスの重量になると、ハンドストラップでは多少不安だ。 絶対に両吊ストラップが必要な機種である。

次がスリープ機能。デフォルトで1分でスリープに入る。 これが物凄く欝陶しかった。 イベントでの撮影なんては、のべつにシャッターを切るわけではない。 絵になるシーンを待っているのだから、 1分以上の間が空くのはごくありふれた事だ。 そして、いよいよ「これは!」というシーンになったんで、 カメラを構えてシャッターを押そうとすると、 やにわにスリープからの回復をはじめて、 目出度くシャッターチャンスを逃すのであったorz

無論、スリープは切る事もできる。 が、問題は、デフォルトで1分に設定されていること。 なにせ、キャパシタがパンクしていて、充電の度に設定は全部パア。 その度に忘れずにスリープの設定を変更できるかと言うと、 これは全然現実的ではない。 まあ、キャパシタは予備電池との交換くらい(10秒程度)なら持つかもだが、 それも時間の問題だろうしね。

あと、祭の喧騒の中では、音量を最大にしてもシャッター音は聞こえない。 赤LEDの書き込み点滅で確認できないことはないが、けっこう不便に感じた。 尤も、これはレリーズ時に機械動作がほとんどないコンデジ共通の問題点だが。 反面、静かな場所だと、ネコの起動音に周囲のおばさんが反応してしまう。 いや、それは設定した私が悪いんだが…(^_^;

以上を踏まえて、また試写に出掛けますか… 欠点は目立つが、けっこう面白い機種で気に入っている。

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