†貧乏カメラ館†

OLYMPUS OM40 未評価 発売年月 1985.??/標準価格 ¥6.3000
ころびばてれんAE機


OM二桁シリーズの最終機。スポット測光に拘っていたOLYMPUSが、時流に押されて分割測光に転んだ、ころびばてれんカメラ(^_^; でも、二桁シリーズの中ではとてもよいデキに仕上がっている。ウリはその分割測光(ESパターン測光)とプログラムAEだが、個人的にはどちらも大して魅力は感じない。むしろ、二桁シリーズとしては唯一のTTLオートストロボ機だということと、操作性の良さに魅かれる。
(2003.11.11/2006.05.05)

ラバー貼りのボディは決して高級感はないが手にしっとりとくるし、グリップ部の膨らみもよい。巻き上げレバーの指当て部も面積が広く角が丸くて痛くない。ただし、レリーズのタイムラグがけっこうあるような気がする(これは私の機体の故障の可能性も否定できない)。

…と思ったら、どうもこの“タイムラグ”は仕様らしい。しかも、実はタイムラグじゃなくて、ミラーの戻りを意図的にワンテンポ遅らせているらしい(ミラーショックを緩和するため?)。シャッター自体はタイムラグがほとんどなく(むしろプログラム機としてはレスポンス良く)切れているのだが、ミラーの戻りが遅いために、シャッターが遅れて切れているように感じられるということだ。確かな資料がないのではっきりしないが……ちなみに、当時のカメラ雑誌の評価記事にはこの点に言及しているものはなかった(確認できた限りだが)。

で、評価記事を引っ張り出してきて気が付いたこと。ファインダーが暗い。また、OM40と同時に発売されたレンズがZUIKO 35-70/3.5-4.5だが、この暗さだとスプリットプリズムが翳るらしい。なんで「らしい」なのかと言うと、OM40でズームを使ったことがないから。しかし、OM二桁台というクラスを考えると、これはちと問題ですぞ。プリズムの角度をもう少し甘くすべきだったのでは?

また、個人的にはTTLオートストロボに非常に大きな魅力を感じている(と言うよりも、電気カメラの唯一の存在意義だと思っている)ので、その点からもOM40は気に入っている。しかし、シンクロターミナルがなく、ホットシューでしか使えない。これはかなり不満だ。やはり、シュー付けのTTLケーブルを自作しようかな…。どう考えても、オリンパスが出すべき物だったと思うのだが。

ESパターン測光は分割測光と言っても、中央と周辺の二分割測光に過ぎない。しかも、中央と周辺を足して二で割るのではなく、中央重点測光/平均測光の選択測光のようだ(ESは「電子選択」の略)。つまり、中央重点測光と平均測光の二つの方式で測光し、両者の差が小さければ平均測光値が、差が大きければ中央重点測光値が使われる、ということではないだろうか? だが、それでは単純に中央重点で測光した結果と変わらないような気がする。ひょっとすると、中央と周辺の差が大きい時には、中央重点の測光値にさらにオーバー目に補正を掛けるのかも知れない。いずれにしろ、日の丸構図以外では効果は期待できないなあ。ちなみに、AEロックはできないみたい。

なお、マニュアル露出も可能だが、他の二桁機同様、メータード・マニュアルではない。これは少々問題かも知れない…ま、こいつでマニュアルを使う事はちょっとないとは思うけど。今更だけど、「AE+露出補正」というのは便利だ。フルメカ信者の私が言うのもなんだけど、要は用途と適性。現場でトラブって撮れなかったとしても大してダメージがあるわけじゃないお散歩スナップには、やっぱこういうのが良い。露出補正ダイヤルも大きくて回しやすいしね。しかも、1/3EVステップなんだ。

1985年発売で定価が6万3000円。同時期のライバル機はCanon T70、NIKON FG、Minolta X-700。決してローエンド機ではないことがわかる。それにしては、やや疑問のスペックか。ESP測光ではなく、スポット測光+AEロックを入れるべきだったんじゃないのかなあ…? あ、そうか、業界挙げて分割測光に走っていたから、こういう形に転んだんだったなあ……ナンマイダ……


Long-run reports ...

2003.06.14/【入手】ZUIKO 35-70/3.5-4.5とストラップ付きで8250円、コミコミで9500円弱、中古相場の半値〜1/3くらい。で、動作は正常。プログラムOK。悪くないな。しかも、使い勝手もけっこう良さそう。OM10やOM20みたいな、何となく頼りない感じがない。もちろん、質感は高くはないが、惜しみなくガンガン使える感じ。う〜ん、安っぽさが良い方向に働いた好例。

2003.06.28/レンズが6000円で売れた。つまり、ボディはコミコミで3500円。めちゃくちゃ安く上がった(^^ゞ

2006.05.05/【下谷神社祭礼】久しぶりに引っ張り出して、上野・下谷神社の祭礼に行ってくる。レンズはZUIKO 28/2.8、35/2.8、135/3.5の3本。予想以上に境内が狭かったので、24mmあたりを持っていけばよかった。OM40の使い勝手自体は至って良好……なんだが、ただ一つ、タイムラグがかなり大きいように感じられた。ひょっとして故障? また、ESP測光の効果が実感としてわからないので、露出補正に迷った。もちろん、プログラムAEは使わなかった。

ところで、下谷神社ってどんな神社なんだろう? 元来は稲荷社で、そのあとアマテラスと氏神を祭ったというようなことが書いてあったが……ちょっと違うようだ。HPで調べたところ、大年の神を主祭神とする稲荷社であることは間違いないが、同時に古くからヤマトタケルを祭っていたようだ。何だか変な取り合わせのような気がするが…。このあたりを「稲荷町」と呼ぶのは、この下谷稲荷に由来するらしい。また、寄席の発祥地でもあるらしい。


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