OM-1試用レポート

OM-1試用レポート

1994?/一番機(黒)を購入。中古屋で1万5000円くらいだったかな。プリズム腐蝕若干有り、外観は並み、内部も並みかな。そこそこ使い込まれている感じ。確か、長江三峡上りの旅でOM10の脆弱性を実感してメカニカル機信仰に入信した覚えがある。

2001.05.18/二番機(白)(50/1.8、革ケース、RICHOストラップ付き)を約1万4000円(送料、振込料込み)で落札。ジャンク品で外観は並の下くらいだが、プリズム腐蝕はないし、シャッターの調子もよい。これだけ使い込んであれば、シャッターがもう少しくたびれているかと思ったのだが…ひょっとして、途中でOHしたのかも。何にしろ、プリズム腐蝕がないのは嬉しい。レンズは若干ほこり侵入、ヘリコイドゴムはがれあり。ケースは状態良、革の匂いがいい。

2001.06.20/シロの方は露出計が1段くらいアンダー目に出るようだ。

2001.12.29/【三台目+ZUIKO 75-150格安入手】3台目(白)を落札。何と、ZUIKO 75-150/F4とレコーダバック2付きで5000円。おいおい。ジャンクということだが、外観も悪くないし充分実用品。ま、レコーダバックは未チェックだが。問題はシャッター幕のたわみと、巻き上げが引っ掛かることがあること。巻き上げをスムーズにしようと、何度も空シャッターを切っていたら突然御臨終(^_^; 

巻き上げ修理】早速底蓋開けて修理に掛かる。最初はグリス切れ、ギアの磨耗を考えた。感触としてはそんな印象。しかし、実際は回転したギアを元に戻すスプリングの位置がずれて、ギアが浮いて噛み合わせが悪くなっていたようだ。巻き上げ軸を回すと回転するギアがあり、それに接して問題のギアがあったのだが、中心のネジを外して一度取り外し、内部のスプリングを正しい位置にして絞めなおしたら直った。いやあ、実に快適。

2002.01.01/元日早々、根津神社で(3)の試写。ZUIKO 50mm/F1.8(3)開放で夜市の様子をスローシャッターで撮影。また、昼間にはZUIKO 75-150mm/F4を中心に女太鼓などを撮影。やはりマイクロプリズムだけでは苦しい。早急にスプリットプリズムのピント板を数枚入手しよう。また、イベント用には150mmでは物足りない。75-300も入手の必要があるなあ。今回のチェック項目、@OM-1(3)のシャッター幕のたわみの影響の有無、AZUIKO 75-150の曇りの影響の有無、Bレコーダバックの動作チェック。ま、全部ダメでも高い買い物ではないが。

2002.01.14/試写結果上がる。流石にスローシャッターは手ぶれが激しい。やはり手持ちで1秒は無理なんだねえ。ま、これはこれで味があると言うことで(^_^; でも、OM-1Bのボディ、レコーダバック2いずれも問題なし。シャッター幕のたわみの影響も特に感じなかった。しかし、ZUIKO 75-150mmは若干くもりの影響がある感じ。ま、値段を考えれば文句は言えないレベル。SIGMA 24mmは思いのほかよい。わずかにカビを発生させてしまったことと、フードをなくしたことが悔やまれる。

2002.01.23/Vivitarの望遠ズームを入手。70-210/F4.5通しで3100円で落札。外観も光学系も奇麗なものだが、500gという重さが多少気になる。もちろん描写も気になるところだが、Vivitarならむちゃくちゃなハズレはないだろう。フジヤカメラで純正の70-210mm(絶版)の在庫品が売られていた。これなら軽いのだが、純正と言ってもたぶんCosinaあたりのOEMのはずだから今ひとつ食指が動かない(元々OM2000用のレンズ)。ファインダースクリーン2-13を1枚購入。2380円。う〜ん。中古の1を1000円で入手。先日、我楽多屋でも700円で1を買った。ま、これだけは折りを見て買いだめしておく必要がある。

2002.01.25/Sunの70-210/F4入手。4000円もしたのだが、これがちと…。確かに、F4通しは立派だが800gもあるし、最短が2.5mだし、絞りの動きがおかしい(故障か仕様か判別できず)。う〜ん、描写を見てみないと断言できないが、「お手軽」望遠ズームという趣旨からは思いっきり遠い。

2002.01.26/ZUIKO 85-250/F5を入手。前玉に目立つカビがあるが9750円は安い。何しろ、35-80が出るまではZUIKOで最も高価なズームレンズだった(定価で10万弱)。質感もいいし重さのわりに扱いやすい。

2002.01.29/【巻上ロック修理】いったんは直ったように見えていた三番機の巻上ロックだが、その後もしばしば起きた。つまり、先回の修理は正しくなかったわけだ。 だが、今回は完全に修理できた。さて、原因から;

底蓋を開けて、前面側を手間にすると、右側にギアが3つあるのがわかる。真ん中のギアが先回修理をしたスプリング付きのギアだ。で、ロックの原因を調べたところ、この真ん中のギアと右側のギアの噛み合わせに問題があることがわかった。正常な機体と比べると、二つのギアのアソビが多すぎて、噛み合わない位置までズレてしまうことがある。これがロックの原因だった。

では、どうすればいいのかと言うと……最初は真ん中のギアのスプリングの問題かと思っていろいろ苦労したのだが(そして、その要素も皆無ではないのだが)、ドメスティック・ファクターは実は左のギアにあった。この左のギアにはストッパー金具が付いていて、これが中央と右のギアのアソビを決定していたのだ。そこで、この金具を少し曲げてギア上の鋲の接触する部分に近づけたら、アソビが少なくなり、中央と右ギアがロックするほど離れなくなった、というわけ。左ギア上のストッパーとぶつかる鋲を包むプラ部分が磨耗して、今回のような症状になったのだから、鋲に鉄板、紙などを貼り付けてもいいかな。でも、かなり細かな工作になるので辛いかも。

その他気が付いた点:右のギアは逆ネジだが、外していけない。とんでもないことになる。誤って外してしまい、修復不能になるかと思った。また、巻き上げ軸に直結しているギアは、この右ギアの奥にあるもう一枚のギア。

2002.02.01/う〜ん、逆方向のアソビも問題だ。ごく希ながら巻き上げロックを起こす。こちらは、中央ギアの内側にあるスプリングで調整する。近いうちに挑戦。

2002.02.06/中央ギアのスプリングを正常に設定して修理完了。存外手間取らなかった。中央ギアを取り外して内側を表にして、2箇所のギアの切り欠きを時計の3時の位置にする。で、スプリングのヒゲを2時くらいの位置にしてはめ込み、反時計回りに半回転させて装着する。これで完了。ばんざ〜い\(^o^)/ ついでにヒンジ部のモルトも張り替え。

ただ、今回に限って言えば、中央や右のギアの分解は必要なかっただろう。左ギアの金具の位置調整だけで直ったと思う。

2002.02.21/【四番機入手】モータードライブ対応は初めて。TEFNON 35-105付きで8500円。程度が良ければお買得なのだが…実はあまりよくない。たぶん、直射日光の当たる場所に放置されていた感じ。完動品だか滑らかに動かない。プリズム腐蝕もちょっと変わった症状。最大の難点はシャッター軸が分解できない! カニ目を舐めたとか傷を付けたとかいう生易しい状態ではなく、目茶苦茶にしてしまったがビクともしない。おまけにカニ目レンチの先端を折ってしまった。どうしようもない感じ。まあ、フタの傷は隠すなり交換するなりできるけど、分解できないのでは困る。注油とレンズ回しで根気良く挑戦するか。

一応、底蓋開けて可動部に注油したらかなり滑らかになったが、それでも一番機・二番機を10とすれば、三番機は7、この四番機は5くらいの感じ。

TEFNON 35-105はちょっとハズレかも。最短1.5mでマクロモード(f=105mm固定)で50cmまで寄れる。しかし、500gは重過ぎるし、ピントリングの回転範囲が狭すぎる。ちょっと触っただけでピンが大きく動く。ポートレート系常用レンズのつもりだったのだが、これではダメだな。オークションではレンズは避けた方が賢明。

2002.02.24/【四番機試写】湯島天神梅祭り。SIGMA 80-200とTEFNON35-105を持っていった。どちらも操作性には特段の難点を感じなかったが、視度補正レンズを忘れたためピンに非常に苦労した。TEFNONのピントリングは許容範囲内。あとは写りだな。ボディの方は使い込むに連れてだんだん滑らか動くようになっている…かな?

TAMRON 60-300入手】上野のヨドバシのジャンクワゴン品。カビカビで2000円の値札が付いていたが、嫁さんが1000円に値切った。こういうときは偉い。OM用300mm望遠ズームを探しているが、こいつは候補リストから洩れていた。理由は重量。900g弱はいくら何でも…という感じ。しかし、F3.8〜5.6で1/1.55倍マクロも付いてる。グレードは低くないよなあ。ともかく1000円は大いにお買得。カビは何とかしなきゃだが…。

2002.02.25/試写結果上がる。まず、カメラとしての基本性能は問題なし。シャッター軸の分解はできないが実用品。このまま使い続けるならそれはそれでよいかも。まあ、黒の薄いセルロイド板で傷を隠せばよい。ゴリゴリ感は多少あるが入手直後よりは大分良くなってきている。50mm/F1.8(メンテナンス失敗の三番玉)で撮った写真はなかなか素晴らしい。が…

望遠ズームで撮った写真は全然ダメ。特にTEFNONはボケが目茶苦茶汚い。比較で言えばSIGMAの方がずっとよい。う〜ん。開放では無理かな。また、望遠はピンがシビアなので、視度補正なしで開放(F3.8とかF4.5くらい)で撮るのは無茶かなあ…。そうしてみると、NIKON EM+SIGMA 75-300というのは驚異的に写しやすいシステムだったということだねえ。高速シャッター故障していたけど。

2002.03.02/【ZUIKO 85-250試写】湯島梅祭り、芸妓さんのお点前。四番機+ZUIKO 85-250+方眼スクリーンで試写。天気は本曇り、ISO400使用、被写体は日陰、F8-1/250"で切れた。仕上がりを見ると、曇りのせいか青が被った感じが強い。やはりフィルターは欲しい。今回は視度補正を入れておいたのでピンは目茶苦茶ではなかったが、やはり甘い。手ブレかも知れない。1/250"は手持ちぎりぎりの速度だが、人ごみの中で安定して構えることはかなり困難だった。バックが単調でボケ味は今ひとつ判らなかった。ただ、全体の操作感はとても良いレンズ。とはいえ、今回のような被写体で結果を要求される場合はAFだろうな。

同時にTEFNON 35-105も再チェック。やはり思わしくないなあ。今回は絞って撮ってみた。マクロはF8でも充分ボケて、適度な被写界深度もあるので、前回よりはずっとよい結果となったが、ボケ自体は決して奇麗ではない。天気のせいもあるが、描写も良い部類とは言えない。使い勝手は当初感じていたよりはマシだが、使いたくなるレンズではないねえ。このレンジのズームは他に持っていないから、仕方なく使うかもしれないが…。

2002.06.12/【五番機購入】初期型の黒。ジャンク品。ZUIKO 50/1.4(並品)とコミで1万2750円。送料などを考えると1.4万くらいかな。けっこう高い。ま、50/1.4は決して安いレンズではなく、中古屋ならレンズのみの価格ではあるが。さて、ボディであるが、外観は並下、メッキの剥がれも多く錆も目につく。ただし、プリズム腐蝕なしの貴重な機体。問題は巻き上げができないこと。底部のギアの噛み合わせ不良と見て買ったのだが、調べて見たところ、どうも問題は上部のギアにありそうだ。トップカバーを外す必要がある。直せる確信はない。少々後悔が残るが、基本的にジャンク品はギャンブルだから、連戦連勝とはいかないよ。なお、ボディ・レンズとも、外観の悪さに比べて、内部は意外に使い込まれていない印象。レストアの価値はありそう。いずれにしろ、これでOM-1は5台。ちょっと処分を考えるべき台数にはなっているなあ…。でもそれぞれ手放したくない思い出のある機体で…。

2002.07.29/【四番機シンクロ修理】最初は気がつかなかったが、四番機はX接点にシンクロしない。常にFP接点のタイミングで発光してしまう。先日購入したリペアマニュアルで回路を読んで、接点の導通をチェックしたところ、X/FPの切替スイッチに問題がありそうだと判明。これは実際にはON/OFFスイッチでON時にFP、OFF時にXとなる。分解修理が望ましいが、傷を付けずに分解することは困難と判断。常時ON(FP)になって困るのだから、そのスイッチにつながっている導線を切って常時OFFにしてしまえば良い、と考えた。もちろん、そうするとFPに設定できなくなるが、どのみち今日びFP発光は使わない。Xだけで充分。で、底蓋を開けて左手側にある赤いY字結線のリード線の中から、それらしきものを見つけて切断。見事に成功…というべきかね?

2003.08.30/【浅草サンバカーニバル】今回で二回目の撮影なんだが、先回よりも遥かに人出が多く、遥かにマナーが悪く感じた。身動きできない状態で平気で人を押すおばさんとか、そんな中で喧嘩始めるヤンキーとか、よく惨事が起きなかったものだ……。運営ももう少し考えるべきだろうね。

さて、今回は本当はAE-1を持っていくつもりだったのだが、仕事の都合でメンテナンスが間に合わず、切り札というか安牌というか…OM-1の登場となった。結果的には成功。方眼マットスクリーンにTamron 80-210mm/F3.8-4(03A)というシステムだったのだが、先回使ったEOS 620よりも遥かに素早く正確なピント合わせができた。未熟者の私でも、このレベルのAFには負けないんだね。考えてしまう。

Tamron 80-210は考えていたとおり、明るくてピント合わせが楽で大変に良いレンズだと感じたが、若干問題もあった。ひとつはやはり焦点距離。基本的に客の頭の間から踊り子さんが見えるような状況だから、画角は狭いほど有利。今回は踏み台を持って行ったので先回よりは良かったが、やはり300mmが欲しかった。

もう一つはズームリングの方向。直進式なんだが、根元で望遠側なんだね。生理的にも異和感があるのだが、それ以上にレンズがブレないか心配だった。やっぱり、長いレンズは先を持って安定させないと不安だし、左手に掛かる負担も根元の方が大きい。ほぼ4時間連続して使っていたから、そういうことも問題になってくる。もちろん、右手の方もかなり痛くなった。

今回実感したのは、随分短い時間でシャッターが切れるようになったなあ…ということ。今までは踏ん切りの着かない性格が災いして、シャッターチャンスを随分と逃していたが、今回はかなり思い切りよく切ることができた。もちろん、構図とかはメタメタだと思うけど……じっくり構えてチャンスを逃すか、思い切りよく雑な絵を量産するか(^_^; ま、結果は見てのお楽しみ。プロが偉いのは、ほとんど瞬間の判断ですべてを一枚の絵に纏められることなんだろうね。

2003.09.01/撮影結果上がる。ひさ〜ん。ぷぷぷ、何がEOS 620のAFには負けないだ、笑わせちゃあいけないよ、というデキでした(;_;) まず、レンズの描写は予想通り仲々よい。これ、ベストセラーレンズだったらしいけど、なるほどねえ、納得するわ。しかし、予測したとおり、ほとんどの画面に知らんおっさんの後ろ頭が入っている。ということで、最大の敗因はポジショニングが悪かったということ。後半は動こうと思えば動けたから悔やまれる。

ピントも半分くらいしか合ってない。特に、絞りを開かざるを得なかった後の方はピンボケが非常に多い。F8は必須なんだなあ…。シャッターチャンスも微妙に外してんのね(^_^; このへんは修行不足がモロに出ております。露出は概ねOK。強いて言えば、山車の上の踊り子さんがオーバー目になっていたくらい

何はともあれ、ポジショニングが最大の問題だった。前の観客の頭の間からの撮影だと、踊り子さんが自分のまん前に来たときにしか撮影できないから、いろんな面にしわ寄せが出てくるんだよね。

一番機[黒・前期型・実用機]  外△ 機○ 蝕△ 露○ 巻○ 鏡×
1994年購入。全体的に程度の悪い機体。四谷三丁目我楽多屋で格安(1万5000円くらい?)で入手した記憶がある。プリズム腐蝕はそこそこ目立つし、ミラーも傷が多い。ただ、実用面での支障は感じない。黒機体は貴重だが、使い潰し向きかも。
ミラーの傷…自力で再蒸着は無理かなあ
二番機[白・前期型・保存用]  外○ 機○ 蝕◎露○ 巻◎ 鏡○
2001年入手。ZUIKO 50/1.8、ケース、ストラップ付きで1万4000円ほど(コミコミ)。私の所有機の中では程度の良い機体。惜しむらくは、前オーナーが軍艦部に付けた傷。それ以外は使うのが惜しいくらい。使用感もあまりなく保存状態も良。シャッターダイヤルが壊れていたのは冷や汗ものだったが、結果的に納得のいく買い物。
シャッターダイヤルが壊れていた…修理済
三番機[白・前期型・実用機]  外○ 機○ 蝕△ 露○ 巻○ 鏡?
2001年末にジャンクとして格安で入手した機体。ZUIKO 75-150(やや曇り)とレコーダバックを付けて5000円(〒別)。こりゃ文句は言えませんぜ。かなり重症だったが自力で修理。底部のギアの噛み合わせの問題。かなり苦労したが面白かった。現時点では充分実用機。
ときどき巻上が不能になる…修理済
シャッター幕のたわみ…改善
四番機[白・後期型・実用機]  外○ 機△ 蝕○ 露○ 巻△ 鏡○
2002年に入手。我が家にある唯一のMD仕様のOM-1。前オーナーがタンスの中で保管してたようで、当初は強いナフタリン臭がした。プリズムの腐蝕の仕方がやや特殊なのも、シャッター軸のフタが固着して分解不能なのも、シンクロ切り替えスイッチが壊れてるのも、すべてそのせいではないかと思う。もっとも、現時点でも充分実用機。TEFNON 35-105付きで8500円だったが、レンズが4000円で売れたので、ボディのみので4500円(〒別)…この値段なら文句は言えない。
シャッター軸の分解ができない…未解決
X接点でシンクロしない(常時FP接点)…修理済
FP接点でシンクロしない…X接点修理の代償
五番機[黒・前期型・故障中]  外△ 機× 蝕◎ 露○ 巻? 鏡?
2002年入手。ジャンクで買った故障機。外観も悪い。故障個所は巻き上げ。トップカバーを開けれてギアをコチョコチョしたら直った。大らっきー。ZUIKO 50/1.4(銀縁・並)付きで1万2750円。中古相場ならレンズだけの値段。
巻上不能…修理済み

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