†貧乏カメラ館†

OLYMPUS OM101 未評価 発売年月 ----.--/標準価格 ¥-.----
OM707の尻拭いのための不幸な珍品


おそらく、一眼レフ史上最初で最後のパワーフォーカス機。失敗に終ったOM707の尻拭いのような機種。大量に余ったAFレンズをどうにかするために無理に作ったものらしい。ちなみにOLYMPUS AFレンズは従来のOMのボディには装着すら不可能。マウント部を分解して部品をいくつか外せばくっつかないこともないだろうが、絞りがいじれないし、ピントも現実的には操作不能。OM707がコケてしまったら、使い途のないレンズなのであった。
(2006.10.11/2006.10.22 upd)

ま、NikonやPentaxみたいにきちんと互換性を取っておけば、こんな馬鹿げたモデルを出す必要はなかったわけだが、この失敗のおかげでこんな珍品が世に出たと思えば、それもまた面白きことかな。ただし、逆はOKで、従来のZUIKOレンズはOM707/101でも使える。特に、この101はスクリーンがスプリット・プリズムなので、ピント合わせもそれほど苦しくはない。デザイン的には物凄く不釣り合いではあるが。

OM101のパワーフォーカスと言うのは、電動式のマニュアルフォーカスで、レバーを動かすと、それに応じてピントが移動するというもの。AFカメラからAFユニットを取り去ったものと考えれば良い。デジカメのMFモードによくあるタイプ。無論、実用にはならない。丸っきり使えないというわけでもないが、従来のMFに比べて操作性が圧倒的に劣るのは言わずもがな。積極的な存在意義はない。

で、面白いのは露出モード。デフォルトはプログラムのみだが、お得意のマニュアル・アダプタを使うと、絞り優先オートやマニュアルが可能になる。シャッターは縦走り金属羽根で、最速1/2000"まで出せる。やるべきことが違うと思うがなあ…。価格はOM707の半値。OM707からAFユニットを取り去っただけの機種と考えると、赤字に近い価格ではないか? なお、ボディサイズは大きく、重量もかなりあり、廉価機というイメージからは相当遠い。

しかし、こんな機種を出すくらいなら、AFの第二段でリベンジという方が、よほどまともな判断だと思うのだが…。707が徹底的に売れなかったんだろう。ま、レンズの規格の段階でボディと心中という方針が失敗だったんだろうな。


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