†貧乏カメラ館†
NIKON MINI AF600 | ★★★★
発売時期 1993.??/標準価格 ¥3.7000 超広角・超シャープ・超小型・超使いにく |
![]() | 超シャープな28mm/F3.5レンズを搭載した超小型コンパクト。比較的廉価で道楽カメラではないが、その描写力はプロも唸るほど。また、発売当時世界最小の35mmAFコンパクトだった。しかし、総プラのボディは安っぽく、無理な小型化のために操作性も犠牲になった。決して使いやすいカメラではない。 |
(2001.07.06) |
単焦点の高画質コンパクトはOLYMPUSのμを嚆矢とするが、その後Fuji CARDIA Travel mini(二焦点)、Big mini、R-1、ESPIO mini、Autoboy F、Tiaraなどの名機が続いた。このクラスの特徴は、Contax Tシリーズやミノルタ TC-1、RICHO GRシリーズなどと違って、定価で3万円台という手頃さと、一眼レフの単焦点レンズを凌ぐかと思われる描写力だ。中でも、このニコンミニの描写力はTiaraと並んで最高レベルの賞賛を得ている。しかし、廉価機に高性能レンズを積めば、外装はチャチにならざるを得ない。それは覚悟すべきことだ。だが、コストとは無関係な操作性の部分で大きな欠点を持つのは納得しかねる。
ただし、赤目軽減モードは酷すぎる。レリーズボタンを押してから、実際にシャッターが切れるまでに1秒くらいのタイムラグがある。しかも、撮影者に赤目軽減中であることを知らせるものが何もないため、故障ではないかと勘違いすることがしばしば(Lunaならファインダー横のLEDが点滅して赤目軽減状態を知らせる)。あれ?とか言って、カメラを自分の方に向けちゃうことも。猛烈に不愉快な機能である。
そして、今もこの傾向は続いていて、異常に小さなボディに無茶なズーム比のレンズを乗っけて、望遠時の開放F値がF13なんてものまで当たり前のようになってきた。手ぶれを防ぐにはISO 800を使えと言うことらしい。38-110mmのAFズーム機が新品で5000円。確かに画質なんて消費者の興味の埒外だろう。
こんな時代の中で、レンズの描写力にこだわった一般向けコンパクトは成立しにくい。単焦点廉価機で現在も生き延びているのは、μU、Autoboy F、R-1sくらい。商売にはならなくなっているのだろう。
主要諸元 | |
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レンズ | 28mm/F3.5 |
ピント調節 | アクティブAF |
AFロック | シャッター半押し(AEロック兼用) |
近接撮影 | 35cm |
露出制御 | プログラムAE |
露出補正 | AEロック,(逆光自動検出?) |
測光範囲 | EV6(1/3"・F3.5)〜17(1/350"・F20) |
フラッシュ | GN7、手動制御可、赤目防止、スローシンクロ可 |
ファインダー | ファインダー82%×0.28 |
外観 | 108×62×32mm/155g(電池別) |
その他 | ◎カラーは黒と銀の二種類 |
2001.07.05/7000円で2台入手。1台は完動品ながら外観並みの下くらい。2台目は外観良品ながらフラッシュとレンズバリア故障。でも、安い買い物だったよな〜。
2002.01.10/湯谷温泉で試写。最初はレリーズのタイムラグが異様に長いのに驚いた。実は赤目軽減のせいだったんだが、撮影者側からは全然確認できないので物凄く気分が悪い。それを別にしても操作感は総じて良くない、というのが第一印象。こいつは写りが勝負だな。
2001.01.15/試写結果上がる。いやあ、凄いわ。これなら操作性を我慢しても使う人の気持ちがよくわかる。ストロボ以外は28mmレンズの代わりに十分使える。