†貧乏カメラ館†
MYPORT ZOOM WIDE |
未評価
発売年月 1992.12/標準価格 ¥5.8500 2モードレンズ搭載の珍品高機能機 |
![]() | 「38-105mmズーム」と「28mm単焦点」という二つのモードを持つ珍品コンパクト。ただし、レンズが別になっているわけではなく、ズームの広角端にコンバージョンレンズを入れて28mmとしている。当時のコンパクトとしては珍しくパッシブAFを採用している上、レンズも望遠端でF5.5とかなり明るい。TVモードやマルチAFなど機能も多彩で、曲面を多用した外観も個性的。ブリッジカメラMIRAIシリーズの後継的なポジションと思われる。 |
(2007.11.24) |
このカメラ、実はかなり昔から気になっていた。28mmモードと異形の外観は、キワモノ臭がプンプンしていて、メカフェチ心をくすぐって止まなかった。今でこそ28-105mmなんてズームレンジは珍しくもないが、同時代の類似機種としては、Pentax ZOOM 280PとKyocera ZOOMTEC WIDEがあるくらい。しかも、両方とも28-80mmだった。あとは、28-56mmのワイド寄りズームが何機種かある程度。28mmから105mmをカバーするコンパクトなんてのは他になかった。
私は長い間、このカメラは「就職したてのころ、欲しくて欲しくてしょうがなかったカメラ」だと思い込んでいた。カタログ見ながら溜め息をついていた記憶がある。でも、今回改めて発売年をチェックしてみたら、随分と時代に差があるので驚いた。私が就職したのは1987年、このカメラの発売は1992年。すでに3社目に転職していた(^^; 人間の記憶なんてアテにならんもんだ。
もちろん、当時の技術では28mmからの高倍率ズームを設計するのは技術的に困難だったのだろう。だから、常識的なメーカーは望遠端を抑えて設計したのだが、リコーは広角端にコンバージョンレンズを噛ますと言うと奇抜な手法に出たワケだ。ズームよりも二焦点カメラの方が優れているというのが私の持論だから、こういう発想は凄く嬉しい。実際、28mm/38mm/105mmの三焦点で充分、というか、パースの感覚を身に付けるには、中間の焦点距離は使えない方が良いと思っているくらいだ。
ところが、これが28mmモードになると途端にF8となる。ズームの広角端が38mm/F3.6なのに、いったいどんなコンバージョンレンズを噛ませば、こんなに暗くなるんだ!? しかも、最短撮影距離も1.4mになってしまうし(通常は1m)。……ポクポクポク…ち〜ん! ひょっとすると、28mmモードってのはAFが効かないのかも知れないねえ。だって、28mm/F8で2.5mくらいにピント置いておけば、最小散乱円をφ=0.03mm(一眼レフの基準)にしたって1.4mは被写界深度内に入るよ。28mmモードでもAFユニットは動作しているような音がするが、少なくとも理論上はAFは不要。パンフォーカスで充分規格を満たす。……リコーやフジは貧者の知恵に長けているので、スペックだけでは判断できないところがある。
ところで、位相差検出方式って、コンパクトの場合どうやるんだろう? レンズに入った光をスプリットして使うということはできないだろう。ファインダーの横に測距素子があるようだが、とすれば、レンズの状態如何に拘らず測距自体は可能なハズ。それならパンフォーカスにしなくても……とも思うんだよね。むしろ、コンバージョンレンズを入れた状態でピントを動かすのが難しいのかな? そんなことはないよなあ…。じゃあ、ちゃんとAFが効いているの?「28mm/F8、最短1.4m」ではそれも信じがたいし…
また、各種の設定変更は[モード]ボタンで設定項目を選び、[セレクト]ボタンで設定内容を選ぶという、所謂「階層メニュー」形式。カメラの設定方式としては最も悪い方法だ。必ずしも酷く判りにくいわけではないが、どんな設定にも2ステップ以上の操作が必要になる。また、この機種の場合、現在どの項目を設定しているのかが明確でなく、少々頼りないというか生理的に不快な感じがする。
たとえば、ストロボの設定を変更するときは、まず[モード]ボタンを数回押して、発光禁止マークを点滅させる。しかし、これは発光禁止を意味するのではなく、ストロボモードの設定に入ったこと意味する。また、このマークは数回点滅すると消えてしまう。マークが消えてもストロボ設定の変更は可能だが、その時点で何を設定するモードになっているのかを示すものは何もない。つまり、どんなモードになっているのか判別不能なのである。現実にはモードの選択と内容の変更は連続した操作になるのだから、その時点でどのモードになっているのか判らなくなってしまうことはないだろうが、気分的には非常に悪い。こういう点はきちんとしていないとイラつく性格なもんで。
ホールディング感はそこそこ良い。右手側のグリップ部分が個性的なデザインになっているが、手にはフィットするし、ストロボに指が掛かることもなさそうだ。レリーズボタンやズームボタンの位置も悪くない。設定変更をしない限りにおいては、操作性は良い部類だと思う。
主要諸元 | |
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発売年月 | 1992年12月 |
型式 | [28mmモード付き][AF3倍ズーム] |
レンズ | 38-105mm/F3.6-5.9 (9群10枚)、28mm/F8 (11群13枚) |
シャッター | 1"、1/4〜1/500" |
ピント調節 | パッシブAF 被写体自動選択マルチAF/シングルAF |
AFロック | 半押しで可…だと思う |
最短撮影距離 | 1m(通常時)/1.4m(28mm時) |
露出制御 | プログラムAE 2分割SPD受光素子 ISO32 - 3200対応 |
測光連動範囲 | EV5.7〜EV17(広角時) |
露出補正 | 逆光時自動発光(4m以内)/+1EV補正(4m以上) |
フラッシュ | オート/オン/オフ/赤目軽減 GN=? |
ファインダー | 実像式 ?% x0.? |
外観 | 137×77.5×60mm/402g(電池別) |
電池 | リチウム電池 2CR5 |
仕様出典 | メーカーHP(リンク切れ)、'93カメラ総合カタログvol.106 |
その他 | スーパー夜景モード・TVモードなど、フィルター装着可能(φ40.5mm) |