†貧乏カメラ館†
| OLYMPUS μ[mju:] | 未評価
発売年月 1991.03/標準価格 ¥3.7000 斬新で流麗な超小型機
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(2003.08.14)
爆発的にヒットした超小型のカプセル・カメラ(カプセルというよりもスライド・バリアだが)。XAシリーズ/ピカソ・シリーズの後継機とも言えるが、デザインは遥かに流麗になり、レンズ性能も向上した。現在の基準では優れた描写とは言えないが、当時はちょっと話題になるほどだった。また、AFで35cmまで寄れ、パララックスも少ない点は特筆しても良いだろう。ただ、個々の性能云々よりも、従来のカメラのイメージを打ち破るユニークな存在感が大ヒットの理由だったと思う。ホント、オリンパスはときどきこういう大ホームランを放つ。
| 描写 | ○まあまあ、立体感には少々欠ける気がする | 
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| 発色 | ○まあまあ、ド派手ではない | 
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| AF | ○ピンぼけ多少、当時のAF機としては平均的 | 
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| 露出 | △手ブレ多数、ストロボ自動発光の閾値が高すぎる? | 
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| 近接 | ◎シームレスで35cmまで寄れる、パララックスも少な目 | 
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●レンズ性能
レンズ性能は、このクラスとしてはまずまず。遠景で細部が潰れてやや立体感に欠けるような印象だが、まあ合格点。XAシリーズのZUIKOよりもかなり現代的な描写になっている(XA-2の描写は実は個人的には好みなんだが…)。客観的に見れば、Nikon miniやSlim/Tはおろか、同時期のAutoboyシリーズよりも劣ると思うが、旅行用のコンパクトとしては十分なレベル。なお、ZUIKOレンズはときどき酷く陰気な発色をするものがあるが、試写結果を見る限りμではそのようなことはないようだ。周辺光量不足も特に大きいとは感じなかった。
●AF性能
アクティブAFで100ステップだそうだが、可もなく不可もなしってところ。やっぱり中抜けというか、意図しない部分にピンが合ってしまう事はあるが、この時期ならこんなものかな? AFロックもあるにはあるが、どの途AFコンパクトではピンぼけは不可避だからね。なお、マクロモードなしで35cmまで近接可能というのは上出来。ファインダーのパララックスも少なく非常に好感が持てる。花の撮影も可能。
●手ブレ
実は最大の問題が手ブレ。ストロボ自動発光の閾値が高すぎるようで、薄暗いところでもなかなか発光しない。プログラム線図はどうなっているのだろう? 用途やスタイリングから考えても、片手で操作することがけっこう多いので気を付けなくてはいけないだろう。あるいは、ASA400ならば改善されるかもしれない。もちろん、ある程度慣れたユーザーなら強制発光の判断も付くが、素人さんには少々キツイ設定だ。
●総合評価
描写重視なら今更このカメラを選ぶべきではないとは思う。しかし、携帯性と操作性に優れた超小型カメラなので、旅行のお供やお散歩スナップには適している。なにより、非常にセンスのよいカメラなので、何となく上手い写真が撮れそうな気分になってくる(^^ゞ 手ブレの頻発はかなり大きな問題だが、これがASA 400でどの程度改善されるか…。それが最終評価の分かれ目だろう。
| 主要諸元 | 
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| 発売年月 | ? 定価 ¥3.7000 | 
| 型式 | [小型AF単焦点] | 
| レンズ | 35mm/F3.5 | 
| シャッター | 1/15"〜1/500" | 
| 測距方式 | 赤外線アクティブAF | 
| 近接撮影 | 0.35m | 
| 露出制御 | プログラムAE EV7.5(F3.5・1/15")〜EV17(F16・1/500") | 
| ファインダー | 実像式 | 
| ストロボ | 自動/禁止/強制/赤目 | 
| 外 観 | 117×63×37mm/170g(電池別) | 
| 電 池 | CR123A×1 | 
| 仕様出典 | '92年 カメラ総合カタログ VOL.103 | 
| その他 | ◎曲面を大胆に取り入れたデザイン、使いやすいスライドバリア、シャープな描写で大ヒットした名機。 | 
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2003.08.10/阿佐ヶ谷七夕まつりで試写。使い勝手はたいへんによろしい。
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