(2002.08.17/2003.03.18更新)
使っていて気がついたのだが、このLC5のホットシューは単純な1つ目の汎用ホットシューであるにもかかわらず、外付けストロボのオン/オフをボディ側が検出できる。単なる脱着の検出なら、シュー部に小さなスイッチを隠して付けておくこともできるが、ストロボ電源のオン/オフとなると、電子的に検出しているとしか思えない。となると、ストロボ端子電圧の大きさで判断していると考えるのが普通だろう。そうであれば、対応範囲外の電圧では検出不能になる。
推奨品以外のストロボで試した所、まったく発光しない(PE-200S, PE-250S, Auto310)、内蔵ストロボをオンにしないと発光しない(PE-300SGW)など、使い物にならなかった。他社製はともかく、自社製品でこのありさまとは…。このことはカタログにも取扱説明書にも明記されていない。サービスセンターに電話しても要領を得なかったし…。ちょっと酷いんじゃないの?
ま、PE-28S自体は良いストロボだとは思うよ。GN28にしてはびっくりするくらい軽いし、チャージが物凄く速いし、ワイドアダプターを付ければ70cm〜7mで調光可能。さらに簡易ディフューザを併用すれば50cm〜5mくらいまでは寄れそう。室内ポートレートには丁度いい。ちゃんとしたライティングを用意できない事情があるので、これは非常にありがたい。
ストロボで手ブレというのはおかしな話で、シャッター速度がいくら遅くても、発光時間は数千分の一秒なんだから本来なら手ブレが起きるはずがない。最初は、蛍光灯の室内はストロボがオートで発光するギリギリの明るさだから、相対的に室内灯の影響が大きく、その分が手ブレになるのかと思っていたが、どうもそうでもないようだ。実際、後述するように外部ストロボだと同じ設定でも手ブレはほとんど起きない。現時点では原因は不明だが、FPのような長時間発光か複数回発光でもしているのではないだろうか?
まず、基本的な確認次項として、外付けストロボが利用できるのはマニュアルと絞り優先AEの2モード。プログラムや速度優先AEでは露出オーバーになる。LC5は完全な間接測光(非ダイレクト測光)なので、撮影中に露出を変化させることはできない。また、絞り優先AEと言っても、F2.8時にはほぼ1/30"に固定されるので(ストロボ使用時の最低速度)、実はAEの意味はほとんどない。マニュアルで使うのが本道だろう。
マニュアルのスペック表を見ると、ストロボ時の速度は1/30"ってのがシールで隠してある。仕様変更と見るべきか、仕様隠しと見るべきか… |
また、マニュアル時の推奨露出設定はF2.8-1/60。それ以外の設定もできるが、高速にすると液晶モニタが暗くなり合焦性能も極端に落ちる。これは、液晶モニタに一種のプレビューアの機能を持たせたためと思われるが、ストロボ撮影時には有害無益。推奨値のF2.8-1/60でもかなり暗く、合焦困難症状は顕著。使えないほどではないが実用上問題になるレベル。
もちろん、速度を遅くすればモニタも明るくなり合焦性能も上がる。しかし、今度は手ブレが問題になる。前述の通り内蔵ストロボでは1/30"でも手ブレ症状が見られたので、100mm時には1/125"より遅い速度はためらわれる。しかし、実験の結果、外付けストロボならば1/30"でも手ブレの影響は大きくなく、しかも合焦性能もあまり落ちないことが判明(Pモードよりも気持ち落ちる程度)。この設定を使おうと思う。
近接撮影(概ね1m以内)の場合は内蔵ストロボを推奨。特に、50cm以下のマクロ撮影の場合は内蔵ストロボでないと実質不可能。しかし、露出モードには注意が必要。Pモードは使うべきではないかも。
原則的にはPモードを使う。絞り開放状態で合焦ができるため。しかし、Pモードではしばしば速度が1/30"に設定される。これが問題。理由は判然としないが手ブレが起きる。また、室内灯が蛍光灯だとホワイトバランスにも影響を与えてしまい、画像が赤みがかることがある(カメラ側は蛍光灯と判断してホワイトバランスを調節するが、実際はストロボ光であるため)。プログラムシフトはできない。
こういう場合はマニュアルモードを使う。f=100mmで使用するときは1/90"くらい欲しい。レンズシャッターカメラであるから、原則全速同調のはず。絞り優先AEモードでストロボ撮影する場合は1/30"〜1/125"となるそうだから、少なくともその範囲では同調する。だから、マニュアルモードで[F2.8-1/90"]あるいは[F2.3-1/90"]としてオートストロボ撮影すれば、背景光の影響は防げて手ぶれもなくなる。問題は、絞りではなく速度を上げても光量が減って合焦が困難になること。この現象があるため、速度をこれ以上上げることは困難。
ちなみに、液晶モニタはファインダーではなくプレビューア。マニュアル露出時には、設定された絞りと速度で撮影したときの画像が予め表示される。ま、一眼レフの絞り込みボタンと似たような発想なんだが、このために、暗い場所では合焦できなくなってしまう。そもそも、その場で撮影結果が確認できるデジカメには不要な機能だと思うし、代償が大き過ぎる。気を回しすぎて悪い結果を招いた例とでも言うべきか。いっそ、赤外線アクティブ方式のAFを併用すべきだったのでは?(二重像合致式距離計と同じことやってるわけだし…)
手ぶれ防止という点では絞り優先AEモードでF5.6程度に設定するのもよいかも。1/30"でも絞れば背景光の影響は抑えられる。マニュアルでF5.6に設定するよりは明るくて合焦も楽(多分、マニュアルで[F5.6-1/30"]と一緒だと思うけど)。また、速度優先AEモードで1/90"というのも良いかもしれない。画面はかなり明るい。この場合は絞りが開放に近くなって被写界深度がやや問題だが。
結局、周囲が暗めならPモードで良いが、明るめの場合はA、S、Mのいずれかを使う。私なら多少合焦し難くてもMモードを使うな。しかし、銀塩と比べるとかなり自由度が小さく不便だねえ。C-2100はどうなんだろう?
【標準 設定】マニュアル・モード[F2.8-1/60"]
【推奨設定1】マニュアル・モード[F5.6-1/30"]ストロボ補正-0.5ev
【推奨設定2】マニュアル・モード[F2.5-1/90"]ストロボ補正-0.5ev
標準設定は無難な設定。普通はこれでいいだろう。1は被写界深度優先、2は手ブレ防止優先。ただし、F5.6まで絞っていれば1でも手ブレは起きないだろうし、デジカメの被写界深度は深いので2でも深度不足はないと思う。
なお、マクロ撮影時は液晶モニタでフレーミングするのが原則だが、光学ファインダーでもパララックス補正のカンが掴めれば何とかなる。AFロックは掛けず、補正したフレームで通常のように撮影すること。液晶モニタによるフレーミングは手ブレが恐い。
また、いずれのモードを使う場合もストロボ補正は必要。50cm以下に近づくなら、-0.5〜-2evくらい補正する。ストロボ補正ボタンは露出補正ボタンと同じであるため、とても間違いやすい。必ず4回押して補正する。ちなみに、露出補正はストロボ撮影時には無意味。
2003.03.15/パソコンとの接続に失敗。Opera PiccoloのWindows 98SEだと異常を起こして、ドライブとして認識しなくなったり、データが化けたりした。ところが、同じWindows 98SEでも、zenouvaならば問題なし。ハードウェア的な問題かなあ…