(2002.07.30/2005.06.04upd)

軽量超望遠ズーム

MFの75-300mmクラスの軽量望遠ズームを探している。イベントなどで手持ちで気軽に撮影できるものが欲しい。描写はそれほど気にしないが、軽くてそこそこ明るいことが条件。具体的には、600g前後でF4.5-5.6くらいが目安。AFならばこのクラスの軽量ズームは捨て値で転がっている。でも、MFだと探さないとなかなか見つからない状況なのだ。

ちなみに、ほとんどのスプリットプリズム・スクリーンは、角度が8度でF5.6あたりまで翳らずに使える。しかし、Nikonは角度10度でF4あたりが限界(EM等の廉価機は8度)。FEやFMでこのクラスのレンズを使用するときは、スクリーンをマット系に変更する必要がある。逆に、FUJICAは6.5度という恐ろしくぬるい設定になっているので、F8でも翳らずに使える。もちろん、翳りにくいほどピント精度は落ちる。

■まずはラインナップ

とりあえず、カタログから上記の条件にあてはまりそうなレンズをピックアップしてみた。

レンズ名重量最短備考入手済み
Cosina 100-300/5.6-6.7460g1.5m暗いので翳るOM
Cosina 70-300/4.5-5.8490g1.5m----
SIGMA DL 75-300/4-5.6540g1.5m--F/FD/α
Tokina SZ-X630 60-300/4-5.6570g1.5m60mm〜OM/MD
SIGMA ZOOM λU 75-300/4.5-5.6640g1.5m軽量モデルもある?--
Cosina 75-300/4.5-5.6(旧)690g1.2m----
TEFNON 75-300/5.6 700g2m望遠端マクロOM
Tokina 100-300/5.6 720g1m----
Cosina 75-300/4.5-5.6(新)?g?m----

■マウント別入手済みレンズ

マウントレンズ名重量備考
OMTokina SZ-X630 60-300/4-5.6570g2本あり、COSINA 100-300もあり
MD良品
NIKONSIGMA DL 75-300/4-5.6540g描写良好
FD未チェック
PKTamron 70-300/4-5.6(772D)470gAFレンズ、重量は実測値
M42未入手個人的にM42はズーム不可(このクラスは存在しない?)
YC/AR不要(CONTAXとKONICAは純正レンズ以外興味なし)
EFEF 75-300/4-5.6U480gTamronの100-300が欲しい…
αSIGMA DL 75-300/4-5.6540g第二世代αまでは合焦困難
Tamron 100-300/5-6.3400g 〃 、重量は実測値

基本的にSZ-X630とDL75-300は私の用途には文句のないレンズ。使用頻度の高いマウントは一応揃っている感じだが、まだ欠落している部分もある。もちろん、当面Tamron SP 60-300で凌ぐという選択肢もありだが、流石に1kg近い重さは堪える。

●Tokina SZ-X630 60-300mm/F4.5-5.6

これは私のニーズにぴったんこのレンズ。60mmからの5倍ズームでこの明るさと570gという軽さを両立させているのが凄い。描写もリーズナブルで、たいへんに使い出がある。ただし、絶版レンズで入手が難しい。他マウントであれば時々見掛けるし、オークションで3000円〜で手に入るが、OMマウントはかなりレア。1万近く出してようやく落札できた。なお、造りは多少チャチな感があるが、これは仕方あるまい。

●SIGMA DL 75-300mm/F4-5.6

ニコンMF、キャノンFD、ミノルタαマウント版の3本を持っているが、ニコンとαの試写結果は全く別物だった。ニコン版はなかなかシャープで深みのある描写だったが、α版はコントラストが低く安物そのものの写りだった。撮影条件が違ったので一概には言えないが、ちょっと恐いところがある。重量はTokina 60-300よりもさらに軽量だが、操作感はスカスカした感じで安っぽい。TamronのMFズームレンズと比べると雲泥の差なので、その点は覚悟のこと。

また、ZOOM λUもそれほど重くはないので、選択肢としては悪くないと思う。なお、ZOOM λUにも二種類あることを確認しており、後期型はローレットゴムのブロックパターンがDL75-300に酷似している。ひょっとすると、異名同機種かもしれない…と思っていたが、どうやらDLとは別物らしい。後期型を1本入手してみたが、重量は前期型のZOOM λUと同じ。単にゴムパターンを変更しただけのようだ。

●Cosina いろいろ

コシナはこのクラスのレンズを実にいろいろ出している。現行モデルは100-300mm/F5.6-6.7という情けないスペックで、いくら超軽量460gとは言え、ちょっとメインに使う気にはならない。むしろ、過去のモデルに魅力的なものがある。手許の資料で一番古いのが75-300の旧モデルで、690gとやや重めだが1.2mまで寄れる。次が70-300で、望遠側F値がわずかに暗くなったが490gと大幅な軽量化が図られた。

そして、次が75-300の新モデル…だと思うのだが、実はこれに関しては実在の確証もない。ただ、旧75-300とはローレット部が異なるモデルが存在しているのは事実で、恐らくそれがこの時期のモデルではないかと推測される。重量も全く不明だが、常識的に考えれば70-300とほぼ同じくらいではないかと思う。とすれば食指が動くのだが…。

●Tokina 100-300/5.6

1985年前後の製品で、どうなんでしょうねえ…という感じ。重さ、明るさ、ズーム域を見ると取り立てて特長はない。が、最短撮影距離が通常で1mというのがちょっと気になる点。まあ、ご縁があれば別だが、今のところ必要は感じない。この時期のTokinaの廉価レンズは描写がちょっと不安だしなあ…。ちなみに、同時期に100-300でF4通しというのもあるが、こちらは1.2kg超の高級レンズ。まあ、ZUIKO 85-250/5を持っていれば特に必要ないか。

●テレコンの可能性

なかなか適当なものが見つからないと、ついテレコンで…などとも思ってみるのだが、結論から言えばやめた方がいい。Tamronの70-210/4-5.6が350gだから、×1.4のテレコンがあれば確かに500g前後で100-300/5.6-6.7にはなる。が、×1.4のテレコンは入手が困難だし一般に高価だ。それに、使い勝手も決して良くない。RICOH MIRAI用の×1.5の前付けのテレコンをくっつけたことがあるが、画質はともかく、操作性が悪くて閉口した。

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