†貧乏カメラ館†
NIKON L135AF |
★★★
発売年月 1984.03.01/標準価格 ¥3.4800 忘れ去られたピカイチの廉価版 |
![]() | ニコンの廉価AFコンパクト。35mm/F3.5、DX非対応、ストロボ手動。ボディはやや横長でチャチな造り。ファインダーも青みが強い。AFロック可・AEロック不可。測光連動範囲はV9〜EV17でISO 400を使えば室内ノーストロボ撮影も可能。AFロックにやや難があるが、全体の操作感はそんなに悪くない。写りは価格相応。廉価機と言えども極端に手は抜いていない印象。 |
(2001.12.18) |
ピカイチの廉価シリーズの元祖。初代ピカイチ(L35AF)とほぼ同時期に発売されているが、レンズが1ランク落ちる。愛称は「ピカイチメイト」。CanonのAutoboyシリーズで言えばLiteに相当するが、Liteの方が完成度は高い。びっくりするくらい資料がない機種で、インターネット検索にもほとんど引っ掛からない。かろうじて、1986年のカメラ総合カタログでスペックを確認できた。
(注)本項の内容の一部および本機の仕様に関しては/L様より情報を提供していただきました。
主要諸元 | |
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レンズ | 35mm/F3.5(3群4枚) |
ピント調節 | アクティブAF |
ピント確認 | なし |
AFロック | シャッター半押し(AEロックは不可) |
近接撮影 | 1.2m |
露出制御 | プログラムAE |
露出補正 | 不可(ASA設定) |
測光範囲 | EV9〜EV17 |
フラッシュ | 手動制御、GN=10 |
ファインダー | 不明(比較的大きい、青味が強い) |
外観 | 137×68×47mm/285g(電池別) |
その他 | ボディ色はワインレッドもあり |
2001.10.08/【故障品を入手】ビックカメラのジャンクワゴンから500円で救出。曲がりなりにもNIKONブランドのカメラがこの値段、というのが理由。外観はB、機能的には特に問題なさそうに見えたのだが、実は巻き戻しができない。また、たまにシャッターが切れないこともあるし、ストロボも二回に一回しか発光しない感じ。流石に問題は多そうだ。そもそも巻き戻しができないのでは使用不可能。
2001.10.21/とりあえず分解してみる。プラの部品が内部で破損している模様。これでは修復は不可能だろう。おまけにバネを一つ紛失。かなり気をつけていたのだが、この癖は直らんなあ…。
2001.10.22/紛失したバネを発見。各部の動きを少しずつ確かめる。どういうふうに壊れているのか、どういう状態になればよいのか、大体理解できた。
2001.11.01/【復活完了】ということで、その後も少しづつ理解しながら組み立てていったところ、概ね動く段階まで来た。部品の破損で外れていたバネを別の場所に引っ掛けて直した。また、シャッターやストロボの不調は、基本的に電池の接触不良が原因のようで、しっかり接触させれば問題ない。ただし、モーターはかなりヘタり気味。また、折れかけている部品もあり、長くは使えそうにはない。それでもともかく、修復不可能と思っていたものが動くところまできた。500円でこの幸福感が味わえるなら安い(^_^; こうなると試写もしたい。
今回学んだこと:一気に直せるものなら一気に片を付ける。一晩寝てしまうと記憶が消えるから。でも、長期戦になりそうだと思ったら、ワンステップずつ噛み締めるように作業を進めること。同じことを何度も繰り返し、記憶を定着させることが肝要。理屈ではなく、感覚として「わかる」ようにする。
2001.11.14/【試写開始】電池消耗にとても弱い(訂正:電池チェッカの方がウソだった)。AFは速すぎて不安。レリーズ軽すぎて半押しが難しい(半押しでAE・AF動作確認)。AFロックはしてもAEロックはしないようだ。また、スローシャッターは切れない感じ。せいぜい1/30、下手すりゃ1/125単速ということもありあうる。なにしろ廉価機だ。しかし、さすがはニコン、安いけれども投げやりに作ってはいない。全体の操作性はまずまず。
2001.12.18/試写結果上がる。意外にもスローシャッターが切れている様子。ただし、AFはかなりタコ。レンズもシャープさに欠ける。なお、前玉に若干の曇りまたはカビがある。これが描写に影響したとも思えないが。