†貧乏カメラ館†

Pentax KM ★★★★ 発売年月 1976年?/標準価格 ¥4.2500
過不足のないKマウント実用機


ペンタックスのフルメカニカルPKマウント機。ポジション的にはKXの下位に位置付けられる普及モデル。PK機としてはごく初期の製品だが、過不足のないスペックと、使い勝手の良さ、頑丈さ、価格が評価され、長い間多くのユーザーに愛用されてきた。輸出専用機K1000(のちに国内販売もされた)は、このKMの機能省略版で、基本部分は同一機種。
(2005.06.08/2008.05.30)

手にしてみると非常に「まとも」な印象を受ける。流石に600g超は重く感じるが、質感や使い勝手を考えると妥当なところ。しかし、Pentaxの一眼レフは巻上レバーの感触が良くないなあ…。

主要諸元
発売年月 1976年頃? 定価\4.2500
型式 [指針式フルメカ機]
シャッター 横走布幕シャッター B,1"〜1/1000" X接点1/60"
露出方式 TTL開放・平均測光
測光連動範囲EV3〜EV18
ファインダー ?% x0.? クロスマイクロ/マット
外観 143×91×49mm/630g(電池別)(実測)
電池 LR44?×1
仕様出典 '77カメラ総合カタログ Vol.58
その他 ◎スプリットイメージのスクリーンのものもあるらしい。
◎確か、露出計のスイッチはなく、普段はレンズキャップをすることで電池の消耗を防ぐようになっていたはず。


Long-run reports ...

2005.06.07/【オークションで入手】2210円で落札。外観はまずまずだが、ファインダー汚い、露出計不動、巻き上げゴリゴリ。まあ、じっくりメンテナンスすればよい。フルメカ機は何とかなる。

2008.05.03/【メンテナンス開始】基本はファインダー清掃と露出計の修理。これについては別項参照。

2008.05.21/【メンテナンス完了】問題は残っているが、一応露出計も動くようになった。

使用レンズ
COSINA 35-70/3.5-4.8MC
COSINA 28/2.8MC
Tamron 24/2.5
Tamron SP 17/3.5
Zenitar Fisheye 16/2.8
Tamron SP 35-80/2.8-3.8
2008.05.23/【根津神社で試写】結果は概ね良好。ボディの基本機能に問題はなさそうだ。光線漏れなし。露出計は感度で+1段補正しているが、それでネガのラチチュード内に収まる。視度補正なしでも何とかピントも合わせられる(かなりキツイけれど…)。しかし、もちろん問題もあった;

まず、COSINA 35-70でボケボケが1枚あった。手ブレの可能性が高いが、自分で分解清掃したレンズなので、無限遠がきちんと出ていない可能性も否定はできない。少なくとも、私の視力ではファインダー内で無限遠を確認することはできなかった。

Zenitar FisheyeはM42-PK変換リングのロック金具を外して使用しているワケだが、流石にヘリコイドを回しているとレンズが取れそうになった。かと言って、ロックをしてしまうと、それはそれで使いにくい。う〜む。やはりPKマウントの魚眼を買う必要があるのかも…しかし、新たに買うならOMマウントという選択肢もあるわけで…。要再考。

ロック金具を外しているのは、単にアダプタをレンズ側に付けるためではない。 近代インターナショナル製のアダプタは、ロック金具を止めるネジが内側にまで 突き出ていて、なんと、レンズのネジ山を削ってしまう!のである。もちろん、奥まできちんと入らない。とんでもない話だが、金具を外すことでスムーズにねじ込めるし、アダプタがボディ側に残らない。近接撮影時に気を付けさえすれば、レンズが外れてしまうこともない。まあ、結果オーライ。

Tamron SP 35-80の描写は流石に一歩抜きんでていた。ネガでも十分に違いがわかる。Tamron 24/2.5は中程度のカビとコーティング剥がれがあるジャンク玉だが、実写結果に破綻はなかった。実用目的なら十分使える。COSINA 28/2.8は良品で、描写も破綻なし。もちろん十分実用的。

ストロボ撮影のテストもしたが、シンクロ速度の設定を忘れていた。1/60"でシンクロなのに、1/125"で切っちゃった。な〜んか、忘れているような気がしていたんだが。ナニヤッテンダカ…(u_u;)ストロボ嫌いだし〜〜

2008.05.27/【龍王峡トレッキング】川治湯元(栃木県日光市)から龍王峡までのトレッキングに持って行ったんだが、思いの外、重量は苦にならなかった。のんびり歩いてはいたけれど、4時間以上に渡る、けっこうハードな行程だった割には、重量に苦痛を感じることはなかった。まあ、基本レンズが17mm/F3.5という、短くて軽めの単焦点だったことも大いに関係があるとは思うが。望遠ズームでは絶対にこうはいかない(実質的に常時片手を塞がれることになり、山道では危険でもある)。

使用感もけっこう軽快。巻き上げのゴリゴリも特に気にはならなかった。ただ、露出合せは面倒。レンズにもよるのだが、絞りリングの動きがスムーズではないことがあるし、そもそも1段単位でしか設定できないことも。±1段程度の誤差はカンベン(というか、そもそも露出計の更正をしていない…)。今回のような目的には、ポジではとても無理だと思う。ネガ、それもISO 400でないとダメ。「ピーカン屋外、夏至まで一月のまっ昼間」とは言え、林の中では手持ちは厳しいレベル。

ピント合わせの方は、視度補正なしでも、それほど苦にならなかった。でも、マイクロプリズムもあんなに翳るんだね。ちょっとびっくりした(^^;

ただし、COSINA 35-70mm/F3.5-4.8は広角側で無限遠が出なかった。理由は、自分で分解清掃して、望遠端で無限遠出しをしたため(u_u;)

そういや、ダニがスクリーンに入り込んでいたんだよね〜〜。しばらくしたら、どこかに消えたけれど。う〜む…

ところで、やはり気になったのはフォトスイッチ。キャップなんてすぐに取れちゃうし、フードを着けると実質的にキャップはできないから、ホテルを出てから自宅に戻るまで(9時〜20時)、キャップなしで使用せざるをえなかった。ほぼ半日、露出計のスイッチはオンになったまま。実際の消費電力は大したことはないのかも知れないが、メンタル的にはかなり苦になった。ま〜、だから、この技術は消えたんだろうね。

また、今回は17mmをメインに、35-70mmをサブに持って行ったのだが、これはちょっと問題があった。やはり、17mmというのは極端すぎる。確かに、17mmがありがたいカットもかなりあったが、17mmではどうにもならないカットも同じくらいあった。風景写真には24mm〜28mmくらいが丁度良いような気がする。35mmも外せないけど、35mmからではお話しにならない。う〜む、17mmと24-48mmの二本システムが良かったかも知れないなあ…


【貧乏カメラ館目次】 【ホーム】