(2001.10.07, 2002.10.29更新)
今回もメカニカル機にこだわる。でも先回の考察から、F8でも選択肢から外さない。EE機でよければ、カルディアミニとかSlimT、μ、Autoboy F XLあたりで全然問題なし。
現時点でのメカニカル機の最有力候補はKonica Manbow。ボディカラーが白なので嵩張って見えるが、実際はそれほど極端に大きくはない。また、絞りがF4〜16の範囲で1段ステップで変更できるのが気に入っている。ASA感度設定とストロボスイッチの併用で変更するのでかなり操作はかなり面倒臭いが、それでもできるということが凄い。ASA 400ならストロボ撮影時もF8にできるし。描写もシャープで立体感がある。操作性もよいのだが、近景・人物中心のピン設定(多分1.7mくらい)のため遠景がやや弱い。といっても、F16(ASA400)ならばそこそこ破綻のない写りだが。
取得済み | ||
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Konica EFJ | 36mm/F4 | 質感高いがけっこう重い、※要メンテ |
Konica EFP3 | 36mm/F4.2 | 軽いが嵩張る、質感低い |
Konica EFP30 Dr.Finder | 35mm/F4.5 | ○軽いが嵩張る、質感低い、描写は良 |
Konica Manbow | 35mm/F4 | ◎デザイン良、近景向け、描写良 |
Fuji PicPAL2 | 34mm/F4.5 | ゾーンフォーカス、軽いが嵩張る、質感低い |
Fuji DL-7 | 36mm/F8 | 小型軽量、調光なし、安物すぎる |
Fuji SmartShot Plus | 26mm/F8 | 超軽量・超小型、超広角、調光なし |
CHINON 35F | F3.8 | 質感良好、※要メンテ(羽根ねばり) |
CHINON 35F-II | 35mm/F3.8 | △小型軽量、レンズの描写物足りない |
Panasonic C-225EF | 35mm/F5.6 | 質感低い、使いにくい |
45Camera BasicN | 35mm/F8 | 質感は高くないが実用的かも、F8/11/16 |
未取得 | ||
YASHICA Partner | F3.5? | 沈胴式 |
OLYMPUS SHOOT&GO R | F6.3 | |
Fuji DL-10 | 35mm/F5.6 | 簡易AE機? |
Konica Tomato | 35mm/F4 | 軽量、女の子向け、コレクターズアイテム |
【結論】本項は読む価値なし。以下の事実を確認したのみ。
@1/125秒単速シャッター機では室内無発光撮影は不可能。
Aパンフォーカス機で開放F値が明るいとピンボケ頻発。
B要するに1/125秒・F8のカメラをそれなりに使うことが最善。
普段カバンの中に放り込んでおくカメラはどんなものがよいか? もちろん第一条件は軽いこと。写りが水準以上であること、実用性があること、センスが良いこと。そして壊れないこと。耐久性にそれほどこだわらなければ、カルディア・トラベルミニやニコンミニで文句はない。しかし、電子カメラは電池が必要だし、壊れたら手も足も出ない。それほど頻繁には使わないだろうから、電池の液洩れだって考えなきゃならない。
ということで、メカニカル機にこだわってみよう。電池を抜いておいてもフラッシュ以外は問題なく使える。まず、壊れない。ほとんどが固定焦点・単速・単絞りだが、かなり良い描写をするものもある。速写性もバッチリ。実用性は決して低くない。
ただし、軽量コンパクトのメカニカル機は死角のような分野で、所謂オモカメ(玩具カメラ)以外は選択肢が極めて少ない。もちろん、オモカメでも性能の良いものもあるが−−実際、びっくりするくらい−−持ってて嬉しくなれないのは困りもの。そこで、軽量コンパクト・メカニカル機に加えてレンズの開放F値4.5クラスという条件を付ける。また、実用性を考えるとフラッシュ内蔵も必須。というところで、まずスメ八が落ちる。
■候補を調べてみると…
こうして見るとコニカが多いよね。OEMも含めて、廉価機では実績あるからねえ。意外なのはFuji。このクラスだとほとんどF8より暗くなっちゃう。一応、FUJINONで写りはそこそこだけど、所詮オモカメって感じ。また、写真屋さん45は実は伏兵だったりする。コニカのOEMも多いようだが。他のメーカーもじっくり探せばありそうだけどね、何せ資料が乏しい分野で。
Dr.Finderは写りはよいが嵩張るのと安っぽいのがちょとネック。他はまだ入手してないからわかんない。トマトも同じだろうなあ(コニカの社史では女子中高生向けだそうだ)。EFJなんかはしっかりしているが、中古価格も割と高め。35F-IIとC-225EFは近々入手予定。YASHICA Partnerはかなり気になっている。沈胴式セミクラシック・デザインで180gクラスだもんなあ。
■邂逅記
2001.10.08/げげ、C-225EFを横取りされてしまった(@_@) 110円だってさ〜!まさか、競合する奴が出てくるとは思わなかったんで……。代わりに、といっては何だけど、ビックカメラでジャンクを14台買ってきた。6000円くらい。当たり前だけど完動品はほとんどなし。いやあ、ちゃんとチェックしてるわ。でも、直せそうなのも沢山。ぼちぼちやるか。
2001.10.08/ワゴン品の中から変なAFカメラを発見。OLYMPUSのTRIP AF。AFのくせに電池なしで使える。もちろん、AFは機能しないけど、固定焦点・単速・2段絞りのメカニカル機に早変わり。巻き上げも手動。じゃあ、非常用にマニュアルモードを残した良心的な機種かというとそうでもなく、露出不足だとシャッターがロックされる。電池はなくても、フラッシュをポップアップさせるとシャッターが切れるようになる。何のことやら。各機能の相互の連携が不十分で、偶然こんなスペックになったんだろう。超小型なのでこれを持ち歩くのもちょっと面白いが、ピンはどこに合うんだろう?
2001.10.14/CHINON 35F-II届く。期待通りの内容。スペック的にはDr.Finderをコンパクトにした感じ。カチャカチャした質感が安っぽいのが気になるが、他は概ね良好。ジャンク扱い、400円。あとは写りだよな。
2001.10.16/Autoboy F-XLをゲット。いや、今回の主題からは外れるけど、まさに常時携帯用こだわりカメラの見本みたいなスペック。32mmという焦点距離も、ストロボ制御が機械スイッチなのも、ボディが金属質感なのもべりーぐっど。しかも、ジャンク扱い2台で800円(送料込み)って…こんなの見せ付けられちゃうと、メカ機にこだわっている自分がバカみたい。
2001.10.30/Konica EFJを2台(赤・黒)、EF3(青)を1台入手。3台まとめて3000円。程度はあまり良くない。EFJはメカニカル機なので今回のニーズにピッタリ。しかも、ASA感度設定とストロボスイッチの設定で、かなり細かく絞りを変更できる。ちょいと重いのが難だが、Dr.Finderのように安っぽくないのがいいね。EF3はEE機なので電池必須。しかし、物凄く渋い青。これは結構幸福になれる。
2001.11.03/Fuji PicPAL2を入手。NIKON ZOOM 310AFを落札したらオマケにくれた。これは意外な掘り出し物。初代PicPALはF8固定のパンフォーカス機だったが、こいつはF4.5でASA感度設定とフラッシュのスイッチの制御で絞りを4段に変更できる。おまけに4点ゾーンフォーカス。無論、電池なしで動く。ただし、元々廉価機なので造りがかなりチャチ。また、シャッターのストロークがかなり深い。スペック的には理想に近いが、使い心地はちょっと…。
2001.11.12/CHINON 35FS-Uを入手。35F-Uとほぼ同デザインだが、こちらはEE機。へ〜。良品ということでしっかりした質感。35F-Uが安っぽかったのは程度が悪いせいか。これで気がついたのは、「F」はメカ機、「FS」はEE機だとういうこと。つまり、35Fは35FSと同デザインのメカ機ということになる。ぜひ欲しい。
2001.11.14/Panasonic C-225Eをようやくゲット。100円。コミコミで470円(^_^) う〜ん、期待よりも安っぽい。巻き上げダイヤルやシャッターの感触がいかにも手抜き。しかも、F11?の時の絞りの穴の位置が中心からかなりズレている。基本的に、ずれていても問題はないが、こんなにズレていたら絞ったときに余りシャープにならないのでは?
2001.11.15/CHINON 35Fを入手。500円。期待通りの代物。巻き上げもシャッターもホールディングも満足。つや消しブラックのボディの質感もぐっど。もちろん、完全メカ機。ただし、シャッター羽が粘っているような気がする。売り主はそのままでも撮影可能と言っているが…ま、OHした方がいいだろうな。ちなみに、F3.8で1/125s固定だろうから、EV10.8〜。室内ノーフラッシュ撮影には4段不足。ネガなら3段くらいでもOKだから、ISO 800か。う〜ん。
2001.11.20/そもそも、何でF4クラスのメカ機にこだわるかと言うと、室内でのノーフラッシュ撮影をしたいため。内蔵フラッシュは嫌いなんだよ。でも、輝度計算してみたら、F4.5でも1/125秒単速だとISO 1600が必要だと判明。これでは、高輝度側が連動しないのでダメ。そもそも粒子が粗いしね。1/125秒単速、ISO 400で室内ノーフラッシュ撮影しようと思うと、F1.0のレンズが必要。全く無理。そうなると、このコラムの根本的な存在意義がなくなるなあ。打ち止めにしようかなあ。
2001.11.22/何ぞと言いながら、コニカのEFP3(撮れ太の写真塾)を落札してしまった(^^ゞ 送料込みで1000円なんだもん。3000円から始まって、どんどん値段下げていくんだから、見るに見かねて…という感じ。多分、内部的にはEFJと全く同じだろう。外装がチャチになっただけ。決して欲しいものではなかったんだけどね。
2001.11.26/KONICA EFP3届く。思ったよりも使用感があるが、予想以上に質感はよい。安く作ってはいるが、まだ極端に手は抜いてない感じ。Dr.Finderよりはずっと上。持っていて悲しい気分にならないのが偉い。同梱の「写真塾」によれば、やはり室内ノーフラッシュ撮影はISO 1600を使えとのこと。でも、カメラ自体が400にまで対応していないし…最大絞りF11では、ちと。
2001.11.27/Fuji 望遠Bene届く。これは予想通りの安物。35/55mmという二焦点コンパクトだが、操作感はEFP3とは比較にならないほどちゃちい。発売時期も価格もコンセプトも違うカメラだから単純比較は無意味だけれど、安いカメラを作るときの両社の姿勢が如実に出ていて面白い。キワモノFuji vs 生真面目Konicaと言ったところか。
2001.11.27/CHINON 35FX-Wの試写上がる。こいつはモーター巻き上げ機なので、ここでの対象からは外れるが、やはり固定焦点・二段絞りという廉価機。で、この試写を見て愕然としてしまった。絞りを開くと被写界深度が浅くなるため、固定焦点カメラではピンボケが頻発することになるのだ。この35FX-Wは低輝度自動発光で、発光時は絞り開放(F4.5)になる。ということは、被写界深度は2.2〜4.5mといったところで、35mmレンズでは人物の全身像くらいしか撮れない。つまり、Konica EFP3でもCHINON 35Fでも状況は同じで、開放F値は明るいが開放でポートレートが撮れるわけではないのだ。ストロボを発光させるか否かに拘らず、F4.5開放にしてしまったらポートレートは全部ボケる。ま、F8でストロボ発光させる機種もあることはあるが…。EFJや35Fならば絞った状態で発光させるモードがある。ただ、絞らなきゃならんのなら初めからF8でいいわけだ。
先日までの考察で、F4.5やF2.8クラスでは、室内ノーフラッシュ撮影は実質的に不可能で、その点に関しては玩具カメラに対するアドバンテージとはならないと判明した。そして、また今日、玩具カメラの方がむしろ使用範囲が広いという結論に達した。とほほ…。口径が大きくなれば、どうしてもピント調節が必要になる。それは廉価機には難しいことなのだ。口径が大きいパンフォーカス機が消えていったのには、ちゃんと理由があったんだなあ。こだわるべきではなかった。
《この項(一応)オシマイ》