†貧乏カメラ館†
| Kowa Kallo 35W | 未評価
発売年月 1955?/標準価格 ¥-.---- 超激レア!? カロワイドの試作機?
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|   | 幻のメーカーの幻の試作機? 『コーワ』(製薬会社のコーワ)製の35mmレンズシャッターカメラ。最も初期のワイドカメラであるカロワイドの試作機らしい。Prominar 35mm/F2.8を搭載したシンプルな目測式カメラで、非常に扱いやすい。描写は未チェック。 | 
| (2002.12.11) | 
正直言って、このカメラは全然わからない。ひょっとすると、ごく普通に手に入るものかもしれないし、ひょっとすると激レア品かもしれない。確かなのは、インターネットで調べても全然判らなかったことだけ。
●Kallo 35W縁起
義父からのもらいもの。カロワイドの試作機で10台しか作られなかったとのこと。日本初のワイドカメラで、メーカー、皇太子(後の平成天皇)の次に入手したと自慢していた。「日本で初めてワイドカメラを手にした民間人」だそうだ(^_^; 何でもコーワの部長と知り合いだったとか。でも、シリアルは20004番。ちょっと数が合わないなあ…。しかし、35Wという型番は通常の製品としては存在していないようだから、試作機というのは間違いないようだ。2xxxxxというシリアルも、コーワのカメラとしては第二弾を意味するのだろう(第一弾はカロフレックス)。
歴史を紐解くと、1955年にオリンパスワイドが最初の広角機として大ヒットを飛ばしたらしい。カロワイドの発売もその直後(同年)だから、その試作機となれば“日本初”というのもあながち誇大ではないかも(じゃあ、オリンパスワイドの試作機はどーなんだ、っていうツッコミはなしね)。ま、一番とか二番とかの問題じゃないけどね。でも、疑う訳じゃないけど、カロワイドの廉価機つ〜可能性もなきにしもあらず。ピンが目測式というのが引っ掛かっている。
●スペック
スペック的にはシンプルで、レンズはProminar 35mm/F2.8(固定)、ピントは目測式、シャッターはB・1〜1/500"。製品版のカロワイドは距離計連動式のようにも見えるのだが、そのあたりはちょっと謎。ロゴや軍艦部のデザインも若干異なる。ファインダーは見やすく、最短撮影距離も50cmまで寄れる。絞り羽根は10枚、ストロボはX/F/Mに対応、現行の汎用ストロボが使用できる(全速同調かどうかは不明だが)。シンプルだが扱いやすい印象。
●二段シャッターの怪
このカメラはレリーズボタンを半押しすると、シャッターが開かないで巻き上げだけリセットされてしまう。そして、再度巻き上げなければレリーズボタンが押せなくなる。結果的に一コマ飛ばしてしまうわけだ。これはこの機体だけの故障や不調ではなく、コーワのカメラにある程度共通した欠点のようで、以前、『日本カメラ』のコーワSWの記事(銘機礼賛)の中で、チョートク氏も指摘していた。いわく、メーカーに改造を頼んでも原理的に不可能とのこと。ま、あえて半押しをすることもないかもしれないが、被写体を捕らえ構図を決め、レリーズボタンに指を掛けて決定的瞬間を待っている時に、勝手に巻き上げだけリセットされたら嫌だろうねえ。
●状態
保存状態はあまり良くなく、各所にサビ・汚れなどが見られる。また、シャッター羽根に若干粘りがあるのか、速度が不安定なときも。一旦最高速度に合せてから、任意の速度に戻すと良いようだ。幸い光学系はそこそこ綺麗。カビが発生していたが、外側だったので助かった。
実写は未チェックにつき何とも言えないが、Prominarに対する評価は高く、カロワイドは中古でも程度が良ければ5〜6万するらしい。
| 主要諸元 | 
|---|
| レンズ | Prominar 35mm/F2.8 | 
| 近接撮影 | 0.5m | 
| 合焦機構 | 目測式 | 
| シャッター | 機械式 B, 1〜1/500秒 | 
| 露出計 | なし | 
| ストロボ | シンクロターミナル X/F/M対応 | 
| ファインダー |  | 
| 大きさ | 136×74×54mm/?g(実測) | 
| その他 |  | 
Long-run reports ...
2002.05.31/入手およびメンテナンス。取り敢えずは使えそうだ。
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