(2003.01.30/2003.03.06更新)
主な追加機能は以下の通り。
ただ、ここまで来ると一眼レフとの住み分けが難しい。少なくとも結果が必要なら、OM-1に35-105くらいのズームくっつける方がいい。携帯性では大差ないし、結果でも確実性でも一眼レフの方が上だからだ。
そもそもブリッジカメラとはなんぞや…というと、一言で言えばポートレート用ズームレンズ(35-105mm/F3.5-4.5のことを私はそう呼んでいる)にコンパクトカメラのボディをくっつける試みだったのではないかと思っている。コンパクトカメラは小さくて便利だが、当時はせいぜい70mmまでしか載せられなかった。今では200mmなんていう無茶なコンパクトも存在するが、それでもポートレートに適しているとは言えない。開放F値が13などというトンでもないシロモノだからだ。100mm程度の焦点距離とF5.6程度の明るさ、それにシャープな描写力となると、物理的にコンパクトの領域では不可能なのだ。
F値はレンズの有効半径と焦点距離の比であるので、どれほど技術が進歩しようとも、長くて明るくて小さいレンズというのは物理的に作れない。デジカメなどでは異様に小さくて明るいレンズが付いていることがあるが、あれはCCDが35mmフィルムよりもずっと小さいから。35mmフィルム換算で105mm相当の焦点距離などと言っても、実際には20mm足らずのことが多く、決して長いレンズではない。したがって、十分なボケが出せない。 |
ブリッジカメラをそう定義するならば、IZM 300/330こそがブリッジの王道であり完成形である。しかし、ブリッジのボディ部はあくまでもコンパクトカメラであり、システム拡張性の欠如はいかんともしがたい。このレンズの載せる以上、MF、露出補正、外付けストロボは必須だと思うのだが、実際にはおざなりな露出補正が付いているだけ。せめてシンクロターミナルを付けてくれれば随分違った使い途があると思うのだが……作品性を期待しないお手軽なスナップならば35-70mmの小型コンパクトの方が便利だし、まがりになりにも意図を持って撮影するとなると、あまりに不自由なのだ。
パーティーカメラという用途に一つの活路を見い出したいと思っているのだが…
また、広角側で最短撮影距離が0.8mになったのは室内撮影のときにとても便利だ。個人的には、IZM 300の最大の欠点はここだと思っていたから、330の改良点の中では最も評価したい。ただし、望遠側は相変わらず1.3m。中間域がどうなっているのか不明だが、実感としてはけっこう短くなっている気がする。
ホールディングは横位置・縦位置ともに良好。
IZM 330は一定時間操作をしないとスリープモードに入る。これは、スイッチオフと違って、それまでのモード設定やズームがリセットされない。これは非常に便利に感じた。何度も述べるが、はっきり言えば内蔵ストロボなんて使う気にはならないので、デフォルトでストロボオフにできるのが一番望ましい。昔のコンパクトみたいに機械スイッチだと非常に便利なんだが、ユーザーを馬鹿にしているメーカーは、こぞってオートストロボをデフォルトにしてしまった。このIZM 330もご多分に洩れない(この点に関してはIZM 300の方が優れていた)。
しかし、電源オフの代わりにスリープモードを使えば、実質的にデフォルトでストロボをオフにできるのと同じで、とても使い心地が良かった。尤も、IZM 300/330の内蔵ストロボは、安手のコンパクトのストロボよりはずっとマシなので、それほど嫌うこともないのだが。
スリープモードの欠点は、ズームがそのまま保持されること。望遠側に伸ばしたままだと、ぶつけて壊すのが恐い。また、今ひとつはっきりしないが、ストロボのチャージがどうなっているのかも気になるところだ。
ガイドナンバーは原則として「撮影距離(m)×F値」で算出できる。ところが、この算式にあてはめると、IZM 330のGNは広角側でも望遠側でも21になる。まさかこんな大きさはないでしょう。おそらく、ネガのラチチュードで一段ゲタを履かせた値だろう。となると、一段分(1.4倍)割り引いて15というのが現実的な数字。ちなみに、最近のコニカのコンパクトの中には、この算出方法だとやっぱりGN=20くらいになるものがある(ISO400・F4で10m)。でも、通常コンパクトのGNは10前後だから、多分、二段ゲタ履かせているのだろう。ヤレヤレ。 |
コンパクトカメラの技術的な課題の1つのとして、ストロボのリサイクル・タイム(発光間隔)の短縮という問題がある。そのためには、一回の発光量をできるだけ節約する方が望ましい。したがって、ストロボ撮影時は絞りは開放に近くなる。結果的に光はソフトになるし、被写界深度も浅くなるから、ポートレートなんかには良い結果をもたらす。IZM 330もこのあたりは実に良くコントロールされていて、強い影やテカリが出にくくなっている。
ところが、十分暗い場所ならこれで文句なしなんだが、問題は中途半端に明るい場所での撮影。特に、室内灯が蛍光灯だと、相対的に蛍光灯の影響が大きくなり、ミドリ被りが出てしまう。こういうときには、フル発光モードにすればよいと思われる。ただし、その必要があるのは、オフィスなどの蛍光灯光が非常に強い場所に限られるので、仲々再現実験ができない。
まずマクロの能力だが、105mm固定で最短撮影距離が80cm。これはほぼ1:5に相等し、画面いっぱいにB5判が入る程度だ。ちなみに、ZUIKO 50mm/1.8の最短撮影距離が0.45mで、倍率で言えばほぼ同じ。すなわち、一眼レフならばとても「マクロ」なんぞと呼べるレベルではない。B5判だからね、チューリップとかパンジーならともかく、梅や桜をクローズアップするには明らかに能力不足。
また、中抜けが判断できないのも困りもの。桜や梅を撮影しようすると、どうしても近づきすぎてピンボケになる。これ自体は性能の限界だから仕方ないことだが、合焦マークが点いてしまうのは問題だ。枝咲きの花のように線と点で構成される被写体の場合、中抜けして背景にピンが合ってしまうからだ。ピント位置を表示する機能がないので、これはどうにもならない。
ただし、ピント位置の目安を付ける方法が1つだけある。IZM 330は非常に本格的なパララックス補正機能を持っていて、マクロモードでシャッター半押しをすると、ファインダー表示範囲がズレて補正されるのだ。しかも、他機種のおざなりな補正枠表示などと違い、かなりのステップで補正量が変わる。だから、最短撮影距離で撮影した場合は、ファインダーのズレがはっきりと判る。逆に言えば、このファインダーのズレがない場合は、中抜けしちゃっている証拠なのだ。慣れれば1つの有力な目安になるだろう。
ただね、Autoboy Sのときも感じたけど、所詮コンパクトでマクロは無茶。少なくともAFは極めて困難。むしろ、Goko MacroMaxやAutoboy Lite、Autoboy Aみたいに、マクロモードではピントを固定して、うんと絞って被写界深度を稼いで、フラッシュを強く当てる方が現実的なような気がする(Autoboy Aが本当にそうしているのか確信は持てないが…)。
@#113 | 02.03.30 | \5000 | 完動、透明プラ部にクラック |
A# | 02.04.06 | \2600 | 完動、視度補正渋い(破損) |
2002.03.30/一番機入手。表示部のカバーにヒビがあるが、それ以外は良好。5000円。
2002.04.05/二番機入手。極端だね。2600円。程度良。ただし、視度補正の回転が渋い。う〜ん。無理に回していたら取れてしまった。う〜ん。ま、マイナス補正を掛けといてリングを両面テープで止めることにした。実用上は問題ないでしょう。
2003.01.25/【一番機試写】研究室のOB会兼同期のO氏の助教授昇任パーティー。多少嵩張るとは言え、取り回しは比較的楽。ただ、酔っ払った頭では、ストロボ制御スイッチがどこにあるのか、どうしても判らなかった(^_^; 醒めた頭でもけっこう判り難い。ちょっと慣れが必要か。あ、バカになっていたので、オート撮影しかしなかった。今思えば、きちんとストロボオフにしたものも撮っておきたかったなあ。
2003.01.29/試写結果上がる。あまりよくない。まず、全体的に発色が浅いが、これは毎度のことながらタコラボのせい(今回はセイジョー)。そうねえ、少なくとも半段はオーバー。発色はスキャンしてから考えよう。もうちょっとまともなプリントをしてくれる店はないのか。以前は近くに比較的まともなラボがあったが、デジタル・プロセッサに変わってから、肌が蛍光ピンクになるもんなあ。「色がきれいとお客さんに好評なんですよ」って、あのねえ、一般ユーザーはバカばっかか? どっちが悪いんだろうねえ。
カメラの問題点は@フラッシュの影、Aピンボケの二点。
まず、内蔵ストロボ自体はかなり優れている。パーティー会場(ホテルの会議室)の撮影では発光量がかなり小さくて済んだ。ストロボが貧弱なのではなく、よくコントロールされている印象。実際、光量不足の写真は一枚もなかった。逆に言うと、ストロボ時には絞りをかなり開いているのではないか。ポートレートなんかには適した設定とも言えるのだが……
しかし、どうしても影が横に出てしまう。これはもう、構造上仕方ないのかもしれないし、それが目立たないように撮るのがウデってものなんだろうが、パーティー会場で酔っぱらってスナップとなると、ちょっときつい。また、会場が会議室なもんだから、壁が全部白で影が目立つんだよなあ。そうそう、通常の横位置撮影よりも、縦位置撮影の方が影が出ないことに気が付いた。へ〜、なるほど…変に納得してしまう。
ストロボに関してはある程度あきらめというか、納得するんだが、どうにも許せなかったのがピンボケ。露骨なピンボケが二枚、中抜けも若干あった。基本的にフォーカスロックはするから、中抜けは自分の不注意ということだが、完全なピンボケはどうしようもない。このカメラに限ったことではないが、明らかにMFよりもAFの方がピンボケの確率が高い。というよりも、MFの場合、ピンボケは撮影中に直感的にわかる。「あ、まずい」と思ったら、撮り直せばよいわけだ(もちろん撮り直しのきく被写体に限った話しだが)。それに対して、AFは現像するまでピンボケかどうかわからない。AF一眼レフならばファインダーである程度は確認できるけど、コンパクトではまったく不可能。ピンボケが発生するか否かではなく、それが最後までわからないのが問題なのだ。今回も、失敗してはいけない写真で見事にピンボケしてくれた(T_T)
ところで、「一眼レフ」に対して、ファインダーとレンズが別々のカメラって、普通はなんて呼ぶのかね? コンパクトっていうのは大きさや機能から見た大雑把な分類だし、連動距離計を備えてなければレンジファインダーというのも変だし、レンズシャッターという言い方をするなら「一眼レフ」はフォーカルプレーンシャッターと呼ぶべきだし…中国にはレンズシャッターの一眼レフなんていうとんでもないもの存在するようだし…あ、日本のブリッジカメラの中にもあるかな? →「透視ファインダーカメラ」と言うんだよ、不勉強だな。
2003.02.15/その後、二点ほど重要なことに気がついた。まず、今まで「ピンぼけ」と呼んでいたものは、実は手ぶれだったのではないか? つまり、ストロボチャージ完了前にシャッターを切ってしまったため、スローシャッターになっていたのではないか? 普段使っているマニュアルの一眼レフなら、そういう場合は手ぶれではなく露出不足になるから、ぱっと思い付かなかった。だとすれば、チャージを確認しなかった自分の責任だなあ。言い訳をさせてもらうなら、確認している余裕のあるシーンではなかったのだが。
もう一点、ネガをスキャンして見て気がついたのだが、かなり強烈に緑カブリが出ている。会場が比較的明るい会議室だったので、ストロボの発光量自体が小さいのは良かったのだが、相対的に室内灯である蛍光灯の影響が大きく出てしまったようだ。ストロボ撮影時には絞りを開いて、発光量を節約できるように設計されているようだが、こうなると痛し痒しだよなあ。F8くらいに絞って、バシャっと強い光を当てれば、少なくとも緑カブリはなかっただろう。…ああ、あとISO100を使えば良かったかな。
ということで、発色が悪いのはタコラボのせいだなどと書いてしまったが、この強い緑カブリの中から、よくここまで色を再現してくれたもんだ、謝らないといけないなあ…。ということで、ピンボケに関しても発色に関しても、きちんと調べもせずに迂闊に人の悪口を言うものじゃない。反省(u_u;)
2003.03.02/【湯島天神梅まつりで一番機試写】ということで、今回はいろいろ試してみた。まず、スリープ機能はかなり便利だ。もちろん、スリープ中の電池の消費が心配とか、望遠でスリープしちゃうとぶつけたときに恐いとかはあるけど、総じて便利。特に、スナップにはよい。次にスポット測光。これもきちんと機能しているようだ――って、結果を見ないと何とも言えないけど。OLYMPUSが何故コンパクトにスポット測光を入れるのかというと、主として逆光補正が目的なんだそうだ。ちょうど、80年代の廉価一眼レフが逆光補正ボタンを付けていたのと同じ感じ。分割測光なんてあんまりアテにならないし、きちんとした露出補正機能を付けると、コストでも使い勝手でも厳しいのだろう。実際、このIZM 330にも±1.5EVの露出補正機能はあるけど、操作が面倒でちょっと使う気にならないもんなあ。露出補正はぱっと使えないと意味がない。そう考えると、このスポット測光ボタンは仲々グッドなアイディアだね。あと、ストロボの強制発光も試してみたが、これも結果が出てのお楽しみ。マクロも試してみたが、所謂「マクロ撮影で写した梅だよ」って人に威張れるくらいの大きさにはなるね。もう一つ、広角時の最短撮影距離が0.8mになっているので、マクロにしなくても室内で普通に撮影できたのが嬉しかった。逆に、「あ、マクロにし忘れた!」なんて驚いたりしたけど、その必要はなくなったんだねえ。これは実際、かなりのメリットだよ。