(2015.06.11)

Fuji Finepix A310

2003年4月発売のエントリークラスの3倍ズーム機。 300万画素、1/2.7"ハニカムCCD(スーパーCCDハニカムWHR)、店頭予想価格3.5万。 一応、ISO 800固定可能の単三2本機で、メディアはxDカード。 光学ファインダー付きで視野率はけっこう優秀(広角端実測で81%)。 これはイケるかぁ…と思ったのだが、結局全然ダメだった(u_u;)

●操作性

ともかく、操作性が悪すぎる。 キー配置も再生/撮影切替もメニュー構成も極めて使いにくい。 メニューのデザインなんて幼児向けのオモチャのセンスだもんね (富士の伝統なんで、今さらなんだが…)。 一覧性が悪く、カテゴライズもできていず、指の動きも考慮されていない。 そもそも設定できる項目が極めて少ない。 つか、この時期(2003年)でもA/M切替なんて発想を未だに引きずっていて、 使い難いったらありゃしない。 これは富士が残した最悪の遺産の一つだよなぁ〜 (富士が始めたのかどうかは知らんが)。 Finepix A500(2006年)でもまだ残ってた。

●画質

画質の評価は微妙。 最初、室内で試写したときは、悲しくなるくらい酷いデキだった。 が、これは私の無知や不手際のなすところもあり、 一概にはカメラの責任とも言えない。 もっとも、マクロで近づきすぎると、逆にAF警告が出なくなるのは勘弁して欲しい(u_u;) LCDが不鮮明なんで、カメラで見ているだけならそんなに酷くないのに、 PCに吸い上げたら、とんでもないボケボケという事が何度もあった。

ストロボ撮影も、マクロでは問題が多い。レンズと発光部がかなり離れているせいか、 横影が強烈に出る。 しかも、絞り制御が上手くないようで、光量不足で全体が薄暗く写ったり、 背景が真っ黒になったり、酷く不気味な絵になった。 まあ、これはコンデジの内蔵ストロボ一般に言える傾向だが、 それがかなり顕著に出ているなぁ、という感じ。 少なくとも、NikonやOLYMPUSのコンデジはこれほど酷くはなかった。

高感度時ノイズは、1/2.7"としては普通レベル。それなりに目立つ。 画質的にはISO 400がギリギリかなぁ…という感じだが、 ISO 400だと室内ではちょ〜っと速度が足りない。 もう一声、とISO 800にすると、ガクっと落ちる感じ。 少なくとも、常用できる感度とは言えない。

私が試写した範囲では、総じて良い画質とは言い難いのだが、他のユーザーさんの撮影したサンプル(特に晴天屋外)を見るとかなり奇麗(フジらしい発色)なので、たまたま私の機体の調子が悪いのか、はたまた光量不足の条件で極端に悪化するタイプなのか、 現時点では何とも言えないところ。 そもそも屋外スナップ用カメラなのだから、そこで試してみないとね。

●マクロ撮影

マクロはOptio 30と同じく《ワイド端固定+デジタルズーム》だが、 10cmまでしか寄れない。ストロボは発光可能だが、発光させると物凄く汚くなる。 LCDの質が低く、マクロのピント確認ができないのも厳しいところ。 まあ、この辺りは用途の問題だが、少なくとも室内のマクロ撮影には使えない。 なお、実効感度はOptio 30よりも半段くらい低いが、 そもそもOptio 30が若干高めなので、これが正常値かも知れない。

また、デジタルズームにはけっこうシバリがあるようで、 1M/ISO 400ならばズーム可能だが、1M/ISO 800モードではズーム不可。 したがって、倍率不足をデジタルズームで、速度不足を感度で補おうと思っても、 なかなか思うようにはいかない。やはり、室内マクロは諦めるしかないだろう。

●電池

電池寿命はかなり優秀な印象。 メーカーの公称値では160枚/250枚(LCD ON/OFF)。 ただし、電池の種類の明記なし(^^; (おそらくアルカリ電池のデータで、記載がないのは単なるミスだろう)。 また、アルカリ電池で最大連続3900枚/連続撮影325分だそうだ。 この数字が正しければ、かなり優秀ということになる。 特にこの時期に連続撮影300分オーバーは立派なものだ。

しかし、キャパシタは完全即死型で、メディアの交換でも即アウト。 無論、時計設定も初期化される。 USBコネクタも特殊で、汎用mini-Bではつながらない。 う〜ん、流石は富士だね。 まあ、これは電気二重層コンデンサで修理すれば済む話だが。

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