我が家のシステム:個人的備忘録 (2004.08.19/2010.05.27upd)

お仕事から超お趣味へ Canon EOSシリーズ

当初は結果最優先の仕事用システムだったが、その用途にはデジイチの方が適しているのでシステムを移行。現在では、そのフランジバックの短さを活かして、M42/OM用の実絞りAEシステムという方向性を模索している。Zenitar Fisheyeがまともに使えるのが最大のメリット。M42のピン押しアダプタがあるので、Tamron SP17/SP90あたりも使える。ただし、立ちはだかるのは、やはりダンパ溶けの悪夢。

▼問題点@シャッター羽根の油汚れ

ということで、現状所有している機体で、安心して使用できるのはEOS 620のみ。しかし、620はハナから特別扱いだったわけで、結局、ダンパ溶けの呪縛からは全然逃れられていないことになる(u_u;) EOSのボディは随分たくさん持っているが、ほぼすべてがリスクを背負っていることになる。このクソいまいましい状況をどうするか? メンテして、使える機種を増やして、システムをきちんと作るか? それともこんな酷いシリーズは放棄するか? ひとえにレンズに掛かっている。

▼問題点Aレンズ

ということで、EOSでEFレンズを使うのは賢明ではない、というトンでもない結論に至ったわけだ。つまり、EOSとはM42やOMのレンズを実絞りAEで使うためのシステムなのだ! EOS 620はスクリーン交換式だが、標準の全面マットでもMFはけっこう合わせやすい。

▼問題点Bストロボ互換性

一番の問題は、最もバランスの良いEOS 630/RTだけ、TTLストロボの互換性がない。これがシステムを組む際の極めて大きな問題になった。ただし、互換性がないのは、ストロボ延長ケーブルocsc2であって、ストロボ本体ではない。つまり、室内多灯撮影をしないかぎり、大きな問題にはならない。そもそも、広角系のM42/OMレンズをメインに考えるなら、ストロボを使用する可能性は極めて低い。

少なくとも、結果優先の実用システムはデジイチにその座を譲った。初期EOSは新品のときはボディもレンズも素晴らしい性能だが、共に短期間で確実に使い物にならなくなる。おまけに、安いレンズではAF以外の使い方を拒む。そんなシステムをそのまま使い続ける理由はない。

□ダンパ溶け対策をした実用ボディを最低2台準備する。
□スクリーンが本当にMFで使用できるレベルかチェックする。
□視度補正レンズを台数分用意する。
□M42、アダプトール系を中心に使用するレンズを揃えておく。
□万一のために一通りのAFレンズも揃えておく(標準&望遠ズーム、50mm、中望遠)

(2010.05.27 追記)


※以下、旧データ

お仕事カメラなので趣味性は不要。画質にもそれほど拘らない。死角をなくすことが最重要。主な用途は@イベント撮影、Aポートレート、Bパーティースナップ。屋外のスナップや風景を撮らないわけではないが、それらがメインの撮影ではMF機を使うことになるだろう。また、ブツ撮りはデジカメに完全に移行した。以上の用途のためのシステム要件は、(a)動体予測AF、(b)明るめの望遠ズーム、(c)多灯ライティング・システム、(d)写りの良いポートレートマクロ。あとは28〜300mmをカバーする標準的なズーム二本があれば充分。この中で一番問題になるのは、やはり多灯ライティング。銀塩でもデジタルでも、ストロボワークは実に悩ましい。現時点でははっきりとした答えが出せないでいる。

■システム構成

MAIN SYSTEM
BODYEOS 55 常用機
EOS 100 予備機

LENSEF 28-70/3.5-4.5Uこの3本でほとんどの用途はOK
EF 75-300/4-5.6U
Tamron SP 90/2.8

Tamron 19-35★未入手、新規購入予定
EF 70-210/4イベント用&望遠ズームの予備玉、点カビ
EF 50/1.8U隠れ銘玉だが現状では浮き(デジイチ・ポートレート用)

MISCSPEEDLITE 430EZ 上・左右バウンス可
TTL HOT SHOE ADAPTER 33m/60cmケーブル&OA-2あり
OFF-CAMERA SHOE CORD 2EOS 630/RTではTTL調光不可
60T3600番台用ケーブルレリーズ
National PE-28S 汎用ストロボ(スレーブ発光可)
SNAP SYSTEM
BODY EOS 1000S 要整備
LENSEF35-80/4-5.6U EF28-80やTamron 28-80もあるが…
望遠系/高倍率ズーム★考慮中、基本的に高倍率を予定している
JIKKA SYSTEM
BODYEOS 1000 シャッター羽根交換済み
LENSEF 35-80ギリギリ実用品
Tamron 28-200(171D) 使い勝手はイマイチ

●メインシステム

実は少々困っている。手許にあるメイン機候補はEOS 55/100/630。実用性最優先というシステムの趣旨から言えば、当然新しい順に55(常用)/100(予備)ということになる。ところが、フィーリング的には600番台の方がしっくり来るのだ。流石に650/620はAF性能に難があって無理だが、630ならばけっこう実用になる。じゃあ、630か…というと、今度はOFF CAMERA SHOE CORD 2が使えないというのが障害になる。この辺りはストロボワークともからんで悩ましいところ。暫定的に55/100という安牌的選択をしておく。

メインシステムのレンズは、基本的に「Wズーム+ポートレートマクロ」という構成。具体的には、EF28-70U+EF75-300U+Tamron SP90/2.8。これに関しては特段の問題はないだろう。ただし、これだけでは流石にやや力不足。そこで、超広角域をカバーするズームと、やや明るめの望遠ズームを追加したい。また、現状では特段の用途はないが、洒落でEF50/1.8Uも使ってみたい。なお、標準ズーム、望遠ズーム、ポートレートの主力3本に関しては予備レンズも用意しておきたい。標準ズームは複数本持っているし、望遠ズームは明るめの方を予備玉兼用にすればよい。しかし、ポートレートマクロの予備玉までは手が回っていない。この点は今後の課題。

なお、ストロボシステムに関しては別項で考える。

●スナップ&実家用システム

スナップ用と実家用はほとん同じ構成で良いだろう。両方とも基本的に1000シリーズで済ます。決して最軽量を目指さないのがミソ。最軽量システムはαで構築済みだし、最軽量にすると使いにくくなることも実証済み。少なくとも、男性の手のサイズでは1000あたりがホールディングの限界だと思う。EOSでは数字よりも実用性を重視することにした。

スナップ用および実家用のレンズの基本構成は「標準ズーム+高倍率ズーム」。なぜ「標準ズーム+望遠ズーム」じゃないのか、あるいは「高倍率ズーム1本」じゃないのか、と言うと……可搬性と操作性とズームレンジのバランスを考えると、「標準ズーム+高倍率ズーム」が一番しっくりくるから。望遠ズームと標準ズームを交換して使うのは面倒だし、高倍率ズームは意外に操作性が悪い。重量バランスやピントリングの回転に問題があり、安定したホールディングが意外に難しい。これは171DでもA03でも基本的に同じ。171Dでは自重でズームが伸びるという問題もある。結局、普段は標準ズームを使い、標準ズームのレンジに収まらない被写体に一度でも出くわしたら、以後は高倍率ズームに乗り換える、というのが一番合理的なような気がする。ただし、高倍率ズームはもう一本入手する必要がある。

このシステムの場合、ストロボは基本的に内蔵で済ます。実家用は多灯も可能なようにしておきたいとは思うが。

●ストロボワーク

出先での簡易的なポートレート撮影が中心になるので、「外付け天井バウンス」を基本システムとする。問題は、TTLオート調光とスレーブシンクロの兼合い。スレーブでシステムを組むことができれば取り回しは楽だが、TTLオート調光が使えなくなる。EOSでマニュアル調光や外光オートは癪である。かと言って、TTLオート調光にこだわるとケーブル接続かクリップオンしかなくなる。どちらも少々扱いにくい。このディレンマに悩まされているわけだ。結論から言えば解決方法はない。しょうがないので、問題の枝葉から詰めていくことにする。
▼そもそもスレーブシンクロができるのか?
枝葉どころか根本的な問題だわな(^_^; 要するに、内蔵ストロボでプリ発光するかどうかが問題になる。肝心のメイン機EOS55については未確認だが、他のEOSの内蔵ストロボはプリ発光しない、つまりスレーブのトリガー灯として使用できるようだ(プリ発光対応のスレーブユニットもあるが、確実性に問題があるので選択肢としない)。

EOSのTTLオート調光には@ノーマルTTL、AA-TTL、BE-TTLの3種類があり、このうちA-TTLとE-TTLは通常なんらかのプリ発光を伴う。プリ発光を伴わないのはノーマルTTLのみで、どうやら内蔵ストロボはノーマルTTLを採用してくれているらしい。プリ発光などという困った事をしでかすのは外付けストロボだけのようだ。

TTLの種類 特 長
ノーマルTTL OM-2などと同様のベーシックなTTLオート調光
A-TTL シャッター半押しで赤色部がプリ発光して絞りを決める
E-TTL 本発光の直前にストロボ本体?がプリ発光して絞りを決める

多少、推測も含まれているが、多分こういうことではないかと思う(A-TTLUなんてもあるようだが、A-TTLとの違いは不明)。

なお、プリ発光と類似の問題としては、AF補助光と赤目軽減がある。しかし、私の手持ちの機材では、いずれも問題はなさそうだ。EOS 100はカスタムファンクションCF4=1でAF補助光をオフにできるが、オン(CF4=0)のままでもスレーブシンクロが可能だった。

▼外付けストロボとプリ発光
外付けストロボを使ってもプリ発光をしない場合がある。1つは、そもそもプリ発光機能を持っていないストロボを使う場合。純正品はすべてプリ発光してしまうようだが、サードパーティ製のTTLのストロボの中には、ノーマルTTLにしか対応しておらず、プリ発光しない物もあるようだ(SUNPAK PZ4000AFなど)。

また、純正外付けストロボでも、マニュアル露出ではノーマルTTL調光になる。そもそもプリ発光は事前に絞りを決定するためのものだと思われるから、マニュアル露出には不要なもの。同じ理由で絞り優先AEでもプリ発光は不要だと思うのだが、なぜかこちらはプリ発光する。いずれにしろ、EOSでマニュアル露出は気に入らない。それに、そもそも取り回しの良さにこだわってスレーブシンクロを採ったのだから、単三4本も使う大きな外付けストロボをトリガーに使うという選択肢はないよなあ。

それなら、単三1本の汎用超小型ストロボをトリガー灯として使う選択肢はないのか……となると、これはちょっと考えてしまう。名案のようにも思えるが、完全にTTL調光から離れてしまうからね。トリガー灯がTTL調光でも余り意味はない気はするが、それでも全然TTL調光じゃないEOSというのも情けない。

ストロボ スレーブ 備 考
内蔵(EOS100/700/1000) おそらくノーマルTTLだろう
SPEEDLITE 430EZ/300EZ MモードでのみノーマルTTLになる
PowerZoom 4000AF 全モードノーマルTTL?
▼内蔵ストロボでのスレーブシンクロ
内蔵ストロボがトリガー灯として使える事はわかった。しかし、問題は配光と調光。「内蔵ストロボをトリガーにして、スレーブ灯を天井バウンスする」というのが基本的な考え方。当然、メインはバウンス光で内蔵ストロボはあくまでもトリガー。しかし、カメラ側で調光できるのはトリガー灯の内蔵ストロボのみ。このあたりもディレンマで、トリガー灯本来の役割から言えば(せいぜいキャッチライト程度の)小光量であることが望ましい。しかし、小光量ではTTL調光の意味がない。TTL調光に意味を持たせようと思ったら、ダイレクト光とバウンス光をせめて半々くらいにする必要がある。しかし、それではテカリや横影の問題が残ってしまう。また、内蔵ストロボを十分に絞る方法があるのかどうかも未確認。

ということで、TTLオート調光にこだわる限り、スレーブでシステムを組むのはかなりの試行錯誤と研究が必要なようだ。当面、ペンディングせざるをえないだろう。

▼バウンス光のTTLオート調光
ある意味、この方法が一番まっとうだ。クリップオン、ブラケット、またはスタンドに430EZを取り付けてバウンスさせる。調光は完全にTTLになるし、横影やテカリはでない。430EZの場合、縦位置でも天井バウンスが可能だ。ただし、クリップオンやブラケットだと取り回しが若干苦になるし、スタンドでもケーブルが欝陶しい。おまけに、前髪の影の問題が出てくるし、キャッチライトも入らない。

前髪の影の問題は、ストロボの位置とバウンスの角度である程度軽減できる。顔の高さで、角度をやや緩めにし、できればワイドアダプタを使用する。これで若干量の光が被写体にダイレクトに当たるので、前髪の影を弱めてくれる。顔も少し明るく写る。しかし、キャッチライトの代わりにはならないようだし、顔を明るくする効果も十分ではない。

それならば…ということで、THSA3(TTL hot shoe adapter 3)を使ってブラケットに430EZを取り付け、クリップオンにヒカル小町10iを乗っけるという手もある。ヒカル小町はスレーブではなくシューでシンクロさせ、黒い紙などで発光部の一部を覆い光量をGN3程度に絞る。これは悪い選択肢ではないと思う。少々大仰なシステムになって取り回しに不便を感じるが、当面はこれで行こうと思う。デジカメ(コンデジ)の場合は、ボディ自体が小さいのでブラケットを使うとバランスが非常に悪くなったが、銀塩一眼レフではそれほど苦にならないかも……どうかな? 苦になる場合はスタンド接続がよかろう。

▼OFF CAMERA SHOE CORD 2
こいつが厄介なのだ。なぜか、OCSC2(OFF CAMERA SHOE CORD 2)はEOS 630/RTのみ使用不可能(TTL調光が効かない、発光自体は可能)。これがシステムの統一を取る際の非常に大きな障害になっている。しかし、必要のないものなら使用できなくても問題はないわけで……

まず、用途は、外付けストロボをブラケットに取り付ける際に使う。クリップオンで使えるものをなぜわざわざブラケットにくっつけるかと言うと、ホールディングと縦位置の光軸合わせの問題だろうなあ…。あと、300EZでバウンスするとか。で、私がこういう使い方をするかと言うと、非常に微妙なところで、全然しないわけでもないが、するときはTHSA3(TTL hot shoe adapter 3)を使うだろう。

次に、THSA3との比較で言うと、OCSC2の方が安価、小型、ストロボズーム可、電池不要というメリットがある。しかし、コードの長さが変更できないし、使用できるストロボも1灯のみ(THSA3ではシンクロケーブルとホットシューの両方が使える…んだよね?)。けっこう一長一短なんだよな。

ということで、必需品ではないにせよ、バッサリとは切れない。もう少し考えましょう。ヤレヤレ…キヤノンも罪作りだよなあ。

■在庫リスト

BODY
◎1987EOS 650OH済み、AEB不可
○1987EOS 620接眼部の汚れが勝手に消えた、AEB可
△1989EOS 630@シャッター油汚軽症、ファインダー掃除済
○1989EOS 630Aダンパ交換済、ファインダー掃除済
○1990EOS 700ダンパ交換済、動体予測OK

◎1990EOS 1000 QDOH済み、軽量、動体予測OK
○1991EOS 100 QD実用、現状では主力機、機能充実、AEB改良
○1992EOS 1000S QD@実動品、程度はあまり良くないが
○1992EOS 1000S QDA動作OK、油汚れ出始め

×1993EOS Kiss給送系故障、ジャンク入手(EF50/1.8U目当)
○1995EOS 55実用品、メイン機にするか悩む…
◎1996New EOS Kiss嫁さんの占有物、新品

LENS
EF 50/1.8U@#3606* 実用品、隠れ名玉
Tamron 90/2.8ポートレート&マクロ用、名玉

EF 28-70/3.5-4.5U@MF猛烈にやりにくい、非USMで騒い、描写は良好
EF 28-70/3.5-4.5UAカビがかなりある、要OH

EF 35-80A全体にくもり、ズーム渋い、ギリギリ実用
EF 35-80U前玉汚れあり(取れず)、描写は良好
EF 28-80/3.5-5.6UUSM外観は悪いが実用品
Tamron 28-80A 描写・動作音リーズナブル

EF 70-210/4A中古並品、中玉に点カビ
EF 80-200 嫁さんの占有物、中玉に汚れ、OHに出したが取れず、描写?
EF 75-300 II新同品、描写良好

Tamron 28-200171D、最短52cm(f=135mm)、機能は正常だが使い勝手に難

JUNK LENS
×EF 35-80@中玉の曇りが酷い、分解不可、実用は厳しい
×EF 70-210/4@カビカビ、実用は無理

TTL AUTO STROBO
SPEEDLITE 300EZA-TTL/TTL、バウンス不可
SPEEDLITE 430EZA-TTL/TTL、上下・左右の首振りが可能
SUNPAK POWER ZOOM 4000AFTTLのみ? スレーブストロボとの併用可能、予備機

OFF CAMERA SHOE CORD 2@EOS 630/RTは不可(TTL調光不可)
OFF CAMERA SHOE CORD 2A外観よくない
TTL HOT SHOE ADAPTER 3全機種対応
OFF CAMERA SHOE ADAPTER OA-2TTL HOT SHOE ADAPTER 3と併用
Connecting Cord 60
Connecting Cord 300

MISC
60T3@初期EOS専用ケーブルレリーズ、故障を応急処置で使用
60T3A中古並品

■シャッター幕の状況

機種 状態 備考
650 ◎交換済 メーカー修理1万5000円くらい
620 ○未発症 現状ではすごく奇麗だが、将来的には不安
630@ △目立つ拭き取り跡 #237* 動作は正常
630A ◎交換済 #233* 業者修理
700@ ◎交換済 業者修理

1000 ◎交換済み メーカー修理1万5000円くらい
100 ○未発症 ごく軽微な汚れが出始めている?
1000S@ ○未発症   〃
1000SA △初期症状 軽微な症状が出始めている
Kiss ○未発症 Kissも発症するはず、ボディ自体が故障
55 ◎発症せず 発症しない…はずだよね?

ダンパ溶けが起きるのはKissの前半ころまでで、EOS55(1995)以降は原則的に対策済部品に交換されているはず……なのだが、実際には見事な油汚れの発生した55を見た事がある。保存状態にもよるのだろうが、かなり不安である。

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