†貧乏カメラ館†

Canon EOS 630 spec-only 発売年月 19--.--/標準価格 ¥-.----
600番台EOSの完成形


600番台EOSの完成形。必要な機能はほぼ網羅し、スペック的には煮詰まった感じがする。現在でも実用性の高い機種。このあと、EOSは10を嚆矢とする多点測距に移行するが、(少なくとも初期の)多点測距には大したメリットはなく、この630あたりが機能とシンプルさの調和が取れていて、丁度使い心地が良い感じ。ただし、オフカメラシュー2が使えないというのはかなり大きなデメリットで、システム構築上のネックになる。
(2005.04.11)

EOS 650/620の後継機。600番台最終機種で620の機能強化版。620と650の中間の型番なのは、シャッター速度が650と同じ1/2000秒であり、620と同じようにAEBなどの機能が装備されているため。ボディの質感も廉価の650に近い。しかし、細部の機能は620よりもかなり強化されていて、620の「上位機種」と呼んでも決しておかしくない。AF性能の最大2倍アップ、モードラが秒3コマから秒5コマにアップ、7種類のカスタムファンクションの装備、AEBモードの固定など、実際の操作性に大きく関る部分での強化が目立つ。現在でも十分実用になる、よく練られたたカメラだ。

●カスタムファンクション

自動巻き度しの抑止
フィルム巻き戻し時に端をパトローネから出しておく
DXコードを無視する
親指AF(部分測光ボタンを押すとAFが機能する)
マニュアル露出時に絞りと速度の操作を逆転
手ブレ警告音の抑止
AF合焦後にMFに移行可能

かなり便利な機能が入っているが、うっかりすると大ヘマをやらかす原因にもなりかねない。使い始めのときは全部リセットするべきだろうな。ボタン2つ押し(ドライブモードとバッテリ)でカスタムファンクション設定モードに入り、電子ダイヤルで選択、部分測光ボタンで設定/解除。

●撮影モード

フルオートモード 手ブレしない速度
スナップモード 動体予測・AIサーボAFとモードラ
風景モード 絞ってパンフォーカスっぽく
スポーツモード 高速シャッターと動体予測・AIサーボAFとモードラ
ポートレートモード 絞りを開いて背景をぼかす
クローズアップモード部分測光と絞りを開く
パーティモード スローシンクロみたい

いわゆるベストショットダイヤルの原型になるもの。□(初心者)モードにして、左手側のMODEボタンを押したまま電子ダイヤルを回して設定。数字表示でわかりににくいし、中級機の本機に必要な機能かどうか。しかし、あっても邪魔にならないように実装したのはエライ。

また、35-135 USMを使えば、AFモードでMFが可能。たとえば、ある被写体に対して合焦不能となった場合、測距点を変更するのも一手だが、そのままピントリングを回して合焦することもできる。この場合、MFモードへのスイッチの切り替えが不要。これは恐ろしく便利。同じレンズでもEOS 1000ではできないところを見ると、これも630のボディ側の性能の一つのようだ。

主要諸元
型式 [AF一眼レフ][中級機]
AFTTL位相差検出方式、中央一点、動体予測あり
シャッター 電子制御 縦走金属 B,30"〜1/2000" X接点1/125"
測光方式 TTL6分割評価測光/中央部分測光
測光連動範囲-1EV〜20EV
露出モード プログラム/速度優先AE/絞り優先AE/深度優先AE/マニュアル/撮影モード7種
露出補正 1/2EV±5EV、AEB可(1/2EV±5EV)
ファインダー94% x0.80 スクリーン交換可能
内蔵ストロボなし
外 観148×108×68mm/670g(電池別)
電 池2CR5
仕様出典CANON CAMERA MUSEUM【消失】
その他 ◎LCD部イルミネータあり。
◎AEBは設定が保持されるタイプ…だったかな?
◎多重露出可能。
◎OFF CAMERA SHOE CODE 2使用不可(TTLが効かない)。
◎EOS RTはこの630をベースにしている。

Longrun report...

2001.12.11/ビックカメラの中古、35-135mm付きで何と1万6800円。レンズだけの値段じゃ。流石にシャッター幕の油汚れが出始めているが、とりあえずは使える感じ。左手側の吊り金具がかなり変形している。たぶん、ぶつけたな。良く見ると、レンズの方も前玉の端の方にヒビらしきものが見える。あれれ(@_@) ま、実害はないと思うけど、試写は必要だな。ボディよりもレンズ目的で買ったんだし。しかし、ボディ相場が1万5千円、35-135mmUSMが1万円台前半。まあ、セットで半値強って感じだね。贅沢は言えない。ボディの質感は650とほぼ同じで、スペックは620と650の中間。あえて必要な機体ではなかったが、まあ、悪くはない。しかし、35-135mmUSMは期待以上の静音設計。写りが楽しみ。

2001.12.12/Windows XPの起動画面撮影に使用。レンズは35-135 USM。使用感はとても良かった。AEBの有難みを実感。しかし、速度優先AEで撮ったから…どうかね? 液晶撮影は初めてで、ちとわかんなかったからね。ちなみに、撮影にはリモートレリーズを使用したが、故障していて往生した(別項参照)。この機体は使い潰すつもりでもいいな。かなり実用的だ。ところで、フィルムが終了しても自動巻き上げをしなかったが、これは仕様だっけ?(CF設定の一番でした!)

2001.12.13/いろいろ調べていたら、かなり便利な機能が隠れていることがわかった。これは実用性では620よりも遥かに上だわ。見くびっていた。しかし、カスタムファンクションはきちんと把握していないと、とんでもない失敗をするかもしれんな。早めに取扱説明書を取り寄せなきゃ。しかし、カメラの評価って難しいよなあ。スペック表やお座なりな雑誌・書籍記事だけでは実際の使用感は全然わかんないもんなあ。特に、630のようなミドルクラス機の場合、プロは本気で評価しないからなあ。

2001.12.14/手許にあったカタログにカスタムファンクションと撮影モードの一覧が載っていた。助かった。いやあ、ホント、あなどれんわ。

2004.03.18/二番機のシャッター幕汚れの修理。業者に3000円で依頼。ファインダーの清掃は自力で。

2004.04.03〜08/二番機を試写。播磨坂文京桜まつりと上野公園。


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