†貧乏カメラ館†
FUJI DL-10 |
未評価
発売年月 1986年?/標準価格 ¥1.4300 一見フルメカ、実は簡易EE機 |
(2005.05.29)
これがいろんな意味で厄介なヤツなんだ。まず、外観はどう見てもオモカメもどきのフルメカ機なのだが、実はEE機。と言っても、実際に手に取るとなかなか信じられない。電池なしでも巻き上げはできるし、レリーズも可能。ごく普通に使えそうだ。ただ、良く見ると絞りがおかしい。絞り板が妙な位置で止まっているし、フィルム感度を変えても引っ掛かっているような感じで変化しない。まあ、普通ならば、これは絞り制御が故障しているフルメカ機と見るわな。
ところが違うの。実はこの状態が正常で、絞りの位置がおかしいのは電池が入っていないため。電池を入れてシャッターを切れば、絞り板を制御するコイルに電流が通じて、絞り板を正常な位置に動かしてくれる。フィルム感度スイッチはCdSの入射孔の大きさを変えるだけで、機械的に絞りを制御しているわけではない(ストロボ時は機械的に制御しているようだが)。
まず、力任せに裏蓋を引っ張ると、裏蓋が普通に180度開く(DLだから通常は30度くらいしか開かないようになっている)。で、1本目のフィルム室のネジは見難いながらも何とか見つかる。問題は2本目で、実はフィルム室に敷いてある黒いフィルムの下にあるようなのだ。フィルム室が黒く、フィルムが黒いので、全然判らない。
ま、隠しネジが全部取れれば、ボディは前後に分解できる。分解したら、なんと右手側にオモリが入っていた。バランスを取るためのようだ。ちなみに、レンズバリアははまっているだけなのでネジ止め箇所はない。上手にはがせば外れる。ただし、ベアリングが入っているので落とさないように注意。
ということで、分解はしたが、結局、構造を見ただけで直した箇所はなかった(元々正常な機体だったんだし…)。それどころか、隠しネジ部を1ヶ所ぶち壊しちゃったし、フィルムカウンターは動かなくなるしで、まったくロクなことがない(T_T) 近々もう一度きちんと直して見よう。構造は理解できて収穫はあったけど、凄い敗北感……と思ったけど、そうか、フィルムカウンターはフィルムを入れないと動かないタイプなんだ。
ということで、とりあえず、オモリは抜いちゃったけど、普通に使えるレベルにはなったかな?モルトは張り替えないとまずそうだが。
なお、ストロボ時にはレンズが繰り出されてピント位置が少し変わる。いわゆるユニバーサル・フォーカス。いろんな意味で、お座なりになる前の廉価機って感じなのだが、あまり大きな意味はないような気もする。
主要諸元 | |
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発売年月 | 1986年ころ? 定価¥1.4300 |
型式 | [簡易EE機][ユニバーサル・フォーカス] |
レンズ | FUJINON 35mm/F5.6 |
シャッター | 1/125"単速機械式 |
ピント調節 | 通常は固定焦点式、ストロボ時にピント位置移動 |
最短撮影距離 | 1.2m |
露出制御 | CdSによる二点EE制御 F8/F13、ストロボ時はF5.6/F8 |
測光連動範囲 | EV13〜EV14.3(インチキすればEV12も可能だが) |
露出補正 | なし(フィルム感度補正) |
フラッシュ | 手動制御 |
ファインダー | 逆ガリレオ式、?% x0.? |
外観 | 125×72×46.5mm/200g(電池別) |
電池 | UM-3×2 |
仕様出典 | '87カメラ総合カタログ Vol.89 |
その他 |
◎ドロップインローディング式。 ◎電池なしでも撮影可能だが、絞りが正常に制御されない。 ◎一応EEだけどEEの意味はほとんどなし。シャッター単速で絞りの制御範囲が1.3段しかない(F8/F13の二点切替え)。 |