(2011.07.26)
あまりにも情報が少ないので、少しまとめておいた。珍品と言えば珍品だが、珍しいだけで価値はない。少なくとも一般ユーザーには…
正直、ほとんど目を疑うようなスペック。 時代はとっくにメガピクセルに突入し、ズームもAFもアタリマエ、 単三2本の小型機もどうやら使い物になり始めていた。 それが、女の子の弁当箱のようにでかくて、33万画素しかなくて、 単焦点パンフォーカスで定価5万円! 当時としても完全にトイカメレベルのスペックでこの値段は馬鹿げている。
DC25(96/11)の再利用モデルじゃねないのか?スペックはかなり違うけど。 光学系は一番近いような気がする。 ん?ひょっとしてDC200のスペックダウン版? いや、違うな、メニューとかが全然違う。わからん…。 しかし、メニューと言い、操作系と言い、随所にアナクロ感いっぱいで、 ベースになった旧型機があったであろうことは想像に難くない。 |
ちなみに、同時期にはFinepix 1200(130万画素/固定焦点)が同じ値段で出ている。 また、C-860L(130万画素/AF)のこの時期の実売価格が約4万円。 たとえ、DC80の実売価格が定価の半値だったとしても、 買い手を見つけるのは困難だっただろう。 定価の1/5ならトイカメユーザーが興味を示すかも、というレベル。
わ〜お!いたよ、2001年10月に、某大手量販店の店員に欺されてDC80を4万で 買わされたユーザーが! いるんだ、ホントに……いや、2chだからネタか? |
ちょっと考えたのは、割引率でセールスするために「掛け値」をしたということ。
これなら「80%オフ!」が平気でできるもんね。
でも、そんなに安売りをされたという記録も見つからなかった…
てか、そもそもこんなに売れそうにないモデルを扱うショップが少なかった
のではないかと……ノベルティ向け?あるいはTV通販のオマケ用とか?
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おお〜、お年玉付き年賀ハガキの賞品にもなっていたそうだ(何年かは不明)。
「賞品は5万円相当のデジカメ!」と書いてもウソにならない所がミソかな…?
さらに、NHKロゴの入ったものまで存在するらしい。
やっぱ、ノベルティ専用デジカメだったのではないかと…
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ちなみに、翌2000年にはDC3200という、これまた弁当箱のような
単焦点パンフォーカス機が出ている。ただし、こちらはメガピクセル機だが。
どうもワールドワイドで見ると、こうした「うすらでかい廉価機」の
ニーズがそれなりにあったようだ。
そう言えば、ウチの婆さん(明治生れ)はテレビでもラジオでも、小さな機械は
「すぐに壊れる」と思い込んでいた。
機械は大きいほど立派で信用できるという感覚だったようだ。
まあ、そういう人も少なからずいるんだろうね、世界には今でも。
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しかし、じゃあ、実用価値がないのかと言われると、これが微妙。 確かに所謂トイカメよりはマシで、画質も操作性もそれなりのレベル。 メーカー側はWeb素材用を念頭に置いていたみたいだが、 確かにその程度の日常スナップには使えるだろう。 てか、Web素材だとVGAでも大き過ぎるので、320×240なんてモードも用意してある。
しかし、画質は同時期の他の入門機よりもかなり大きく劣る。 たとえば、DC240のVGAモードの方が圧倒的に綺麗。 しかも、DC240(メガピクセルAF3倍ズーム機)とDC80(VGA単焦点パンフォーカス機)の実売価格差は1万程度しかない。さらに言えば、DC215(メガピクセル・パンフォーカス2倍ズーム機)とほとんど同じ値段。もちろん、画質的にもDC215の方がずっと上。あえてこのDC80を選ぶ理由は思い付かない。
強いて言えば、デジカメを持っていないユーザーが、たまさか懸賞で当たったとか、人から貰ったとかして、使って使えない事はないか〜〜的な使い方をするくらいだろう。そういう意味では、確かに、道具としての実用性はそれなりに備えている。めんどくせ〜、つかえね〜、というレベルではない。ただ、クオリティが低いだけだ。ここのところが微妙でね、用には足りるけど、満足感に欠ける。逆にハイスペックだけど使いにくモデルと比べて、はたしてどちらが……いや、どっちもいらんけど(^_^;
⇒おっとっと、FujiのClip-Itシリーズを忘れていた。少なくとも、Clip-It DS-7/8/20、それにClip-It 50(なぜかこれだけ「DS-50」ではない)は「VGA+液晶モニタ+メモリカード」という構成。もっとも、DS-7/8には逆に光学ファインダーがない(外付け)らしいが。そう言えばPowerShot 350系にも光学ファインダーはなかったな。そう考えると、DC80とほぼ同スペックなのはClip-It 50あたりということになる。しかし、そのClip-It 50も1998年6月発売で定価39800円。DC80よりも1年半も前に出ていて、しかも1万円も安く、おまけに80g軽い。さらに言えば、そのClip-It 50でさえ発売半年で店頭から姿を消している。そして、99年夏には特売品として1万円で投げ売りされていたそうな。DC80は、さらにその半年後に5万円の定価を付けて登場してきたのである。いかに尋常でないかがわかるだろう。
コンデジはメモリカード対応とメガピクセル化がほぼ同時期に起きたので、メモリカード対応の30万画素機は、実は余り多くないのである。無論、トイカメも最近になるまで内蔵メモリのみで、USBでもストレージクラスではなく、専用の読み取りソフトが必要だった。液晶モニタも原則的になし。
また、Jpeg対応と言うのも、実は意外に重要なポイント。現在では考えられないことだが、黎明期にはJpeg非互換の独自フォーマットが大手を振ってまかり通っていた。中には、CASIO QV-700のように、意図的にJpegとの互換性を破壊した機種まであった(Jpegベースの非互換フォーマット!)。それに比べれば、DC80はCFをリーダーに差し込むだけで、簡単にPC上で画像が表示できる。
これらの旧式VGA機やトイデジと比較すると、DC80はかなり実用的と言える。何が言いたいのかと言うと、画素数(と画質)以外は当時のフツーのコンデジだと言うこと。 この時期の単焦点コンデジが普通に備えている、メモリカード対応や TFTカラー液晶が、このDC80にも普通に付いているということ。 極端に消費電力が大きいとか、起動が遅いとか、撮影間隔が長いということもない。 AFこそ付いていないが、このクラスなら固定焦点でも大差はない。 だから、Web用の写真なら、これでも充分事足りる。 つまり、フツーのコンデジの画素数を1/4にして、 価格を据置にしたモデル(^^;ソコガモンダイ これで価格が1/4なら説得的だったんだけどね〜〜
カラーリングを含めた雰囲気は、むしろコニカBigMiniに近いかも。 サイズはBigMiniの方が遥かに小さいが。 |
で、前面レンズ下にあるスライド式の電源スイッチをオン。 う〜む、レンズバリアの開閉のためなのだろうが、 何とも変なところに電源スイッチがあるもんだ。 もっとも、背面からでも簡単に操作できるので、 電源スイッチ操作のために、カメラを正面向ける必要はない。 それに、銀塩コンパクトCHINON 35FX-Wと同じ構造なんだよね。
で、電源が入ったら上部にある設定表示用のモノクロ液晶をチェック。
必要に応じて、上部に並んでいるストロボ、画質、セルフタイマーのボタンを操作して設定を変更する。
画質は[320/640(高圧縮)/640(低圧縮)/1024(補間拡大)]の4モード。
なお、
で、被写体との距離に応じて、背面のゾーンフォーカスをレバーを設定。 [マクロ/人物/風景]の3モード。 このゾーンフォーカス設定は完全機械式で、電源をオフにしても初期化されない。 マクロに設定したままで人物などを撮るとボケるので注意。 フォーカスモードは上部設定液晶には表示されるが、 ファインダー内では確かめる方法がない。
で、ファインダーを覗くと、懐かしいブライトフレームが見える。 そして、ファインダー内の下部に緑の光が見える。 これは撮影レディのマークで、点灯状態ならば撮影可能。 CF書込中やストロボチャージ中は点滅する。 が、ファインダー内に強いLED光があるのは、かなり煩く感じられる。 ファインダーの倍率は0.5倍くらいかな? 比較的まとも。ただし、視野率は不明。
液晶モニタで撮影するときは、PREVIEWボタンを押す。 一応TFT液晶だが、あまり質の良いものではない上に、 フレームレートが低いので、動体はカクカクになる。 また、液晶モニタON設定は保持されない。 電源を切ると自動的にOFFモードになる。 あくまでも光学ファインダーがメイン。
で、レリーズボタンを押すと撮影完了。 デフォルトではシャッター音はしない。 設定を変更すればレリーズ時に「ピッ」という音を出すこともできる。 また、やはりデフォルトでは撮影画像の自動確認表示はされない。 これも設定を変更してQuick Reviewを有効にすればよい。 Quick Review状態では画像の削除も選べる。