(2010.07.20)
オリンパス C-900シリーズ
オリンパスのC-900シリーズは筐体(背面を除く)が全く同じ上に、基本スペックもほとんど変わっていない。途中で130万画素→200万画素に変更された程度。そのため、どれを選んでも同じように思われがちだが、実際には細かな仕様や使い勝手はかなり異なっている。その違いをまとめてみた。ただし、C-900 ZOOMは所有していないので、ネット情報による。また、C-960 ZOOMは輸出版(国内発売もされたが)のD-460 ZOOMを所有。⇒その後、C-900 ZOOMおよびC-960 ZOOMを入手。
●C-900 ZOOM【初号機】[銀/灰]1998.10発売/130万画素/低温ポリシリコン液晶
- ユーザーインターフェースは完全ボタン式だが、使い勝手はそれほど悪くない
- メニュー構成は一項目設定するたびに最初に戻る極悪方式だが、設定項目が少ないのであまり気にならない
- 画質の評価は低くはないが、後継のC-920で大きく改善されているそうだ
- 感度はおそらくISO 100固定と思われる(メーカーHPにも資料なし)
- 液晶は低温ポリシリコンTFTだが、広視角タイプではないそうだ
- バッファメモリはなく、撮影間隔はHQで4秒程度
●C-920 ZOOM【改良版】[金/灰]1999.11発売/130万画素/低ポリ広視角液晶/D-450
- 基本的に、C-900を改良して機能アップしたモデル
- ボタン式UIには変更はなく、操作性には難があるが、実用範囲内
- メニュー構成はC-900同様の極悪方式で、項目数が増えている(5→7)▼
- CCDフィルターの改良で、画質が大幅にアップしたそうだ★
- 彩度は比較的地味め、後継機と比較しても地味な部類だと思う
- ISO感度はAUTO/160/320/640、上限400のモデルと比較すると2/3段も高感度★
- プログラムラインは手ぶれ限界(1/30"?)あたりから増感する賢いタイプ(多分他モデルも同じだと思うが)
- 液晶はC-2020Zと同じ広視角タイプになった
- バッファメモリが搭載され、撮影間隔がHQで1.5秒以下と大幅に高速化された★
●C-960 ZOOM【廉価版】[銀/黒]2000.03発売/130万画素/TFT液晶/D-460
- 基本的に、C-920のスペックダウン版廉価モデル、流通量は一番多いが避けた方が良いモデル
- UIは《一覧メニュー+十字キー》式に変更され、操作性は大幅アップ★
- また、設定のホールドが可能になった(*)
- 一番目立つ改悪点は液晶モニタ、通常のTFTに変更されてしまった▼
- バッファメモリも省略されたため、撮影間隔がHQで5〜6秒掛かる、C-900より遅い▼
- ISO感度はAUTO/125/250/500、まあこれは納得
(*)と言っても、そもそもストロボは手動だし、液晶はオフ起動固定だし、何の設定がホールドされるのかよくわからない(^^ゞてか、ストロボと液晶以外の設定のホールドはあまり必要性を感じない。…と言うより、マクロとかWBとかズーム位置はホールドして欲しくないゾ(←どっちもホールドされないみたいだけど)。
●C-990 ZOOM【復活機】[金/黒]2000.06発売/210万画素/TFT液晶
- 200万画素化とともに、C-960で手を抜いた部分を改善した
- 好評の十字ボタン式UIは踏襲
- 再生速度なども含めて、処理速度が大幅に高速化された★
- と言っても、再生間隔3秒はかなりキツイ(C-960が酷すぎたので、これでもマシなのかも知れないが…)
- バッファメモリが復活して、撮影間隔がHQで約1秒になった★
- ISO感度はAUTO/100/200/400、という無難なものになった
- 液晶モニタは通常TFTタイプのまま、やはり低ポリと比較すると大幅に見劣りする
●C-990ZS【完成型】[金/黒]2001.03発売/210万画素/低温ポリシリコン液晶
- C-990 ZOOMのマイナーチェンジ機で、変更点は液晶モニタのみ
- 低温ポリシリコン液晶(広視角タイプかどうかは不明)が復活して、表示が極めて美しくなった★
*
こうしてみると、C-990ZSはまさしくシリーズ最終形態で、他のモデルを選択する積極的な理由を見出せない。すなわち、C-990ZSは高画質、高速(?)、低ポリ液晶、十字キー、高画素などC-900シリーズのほぼ全ての長所を備えていているのに対して、他のモデルはそのいずれかが欠けている。強いて言えば、ISO 640と130万画素にこだわって、C-920を選ぶことはあるかも知れないが…なにせ、このシリーズはフルサイズとVGAの2サイズしか選べないので、200万画素は大きすぎて不便なんだよね。
*まめちしき*
- 三洋の生産委託機、SANYO DSC-SX1ZやEPSON CP-700Zと兄弟機
- 940は欠番のようだ
- 海外ではD-400シリーズ(C-920はD-450と、C-960はD-460と呼ばれている)
- テレコン/ワイコン/マクロはレイノックスから出ている(OCR-900/MSO-2040)、37mm径アダプタ付き
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