†貧乏カメラ館†
| SKILLMAN C-800/C-850 | 未評価
発売年月 ----.--/標準価格 ¥-.---- チノン商事の台湾製固定焦点機 | 
(2005.05.23)
正体不明の廉価機。判明している情報から推測すると……おそらく、台湾のカメラメーカーの製品をチノン商事が輸入販売していたものと思われる。ただしレンズは日本製らしいので、レンズだけチノンが供給していたのかもしれない。この推測の根拠は……まず、台湾製というのは、ボディにシールが貼ってあったのだから間違いないだろう(ジャンクセットで入手したので、他のカメラのシールがくっついたというような事故の可能性も完全には排除できないが)。
次に、チノンの台湾工場ではなく、台湾の地元メーカーの製品だという根拠は「カメラの造り」。デザインは垢抜けしていないが、造りは決して粗雑ではなく、丁寧さにおいてはむしろチノンの廉価機よりも上。絞りもきちんと3段階(+ストロボ時開放)に変化するし、レンズは3枚ともコーティングされているようだ。さらに、ファインダーはアルバダ式で蒸着技術もBelOMO製品に比べると遥かに上。内面反射を抑えるために植毛紙も貼ってある。つまり、中程度の技術水準を持っているが、洗練と簡素化という方向は向いていないメーカーが作った製品なのだ。当時(1990年代?)の中国、ベトナム、東南アジアでは作れないだろうし、日本では作らない。当時こういう製品が作れるのは、台湾・韓国以外になかったと思われる。
また、チノン商事が輸入したという根拠はちょっと弱くて、オークションでC-800の取扱説明書の写真を載せている出品があり、そこにチノン商事が輸入元だと明記されていた。また、SKILLMANブランドとTITANブランドは実質的に同じ物だと思われるが、手許にあるTITANのカメラの取扱説明書にチノン商事が輸入したと書いてある。ということで、C-800/850がチノン商事の商品だという直接的な証拠は持っていない。九分九厘間違いないとは思うが…
レンズが日本製だというのは、ボディに「LENS JAPAN」と明記しているから。ただ、これも何だか不自然な話で「CHINON LENS」としなかったのは何故だろう? レンズ供給元はチノンではないのだろうか? 実は「JAPAN」という名前の台湾メーカーだったりして。日本にもキャバレーロンドンとか、ハワイチェーンとか、パリーミキとか、アメリカ屋とか、ワシントン靴店とかあるので、台湾に「ジャパンカメラ」があっても文句は言えないな〜(^_^; そもそも「LENS JAPAN」という表記は変だろう。
| 主要諸元 | |
|---|---|
| 発売年月 | 不明 1990年代だとは思うが… | 
| 型式 | [モーター巻上][絞り可変固定焦点] | 
| レンズ | JAPAN LENS 38mm/F3.5 | 
| シャッター | ?(多分単速機械式1/125"程度) | 
| ピント調節 | 固定焦点(ピント位置不明) | 
| 最短撮影距離 | 不明(多分1〜1.5m) | 
| 露出制御 | フィルム感度設定(手動)、F5.6/F8/F13?(数値は推測)、ストロボ時F3.5開放 | 
| 測光連動範囲 | 不明 | 
| 露出補正 | なし(フィルム感度で調節可能) | 
| フラッシュ | 機械スイッチ・手動制御 | 
| ファインダー | アルバダ式 ?% x0.? | 
| 外観 | 137×74×50mm/280g(電池別)(実測) | 
| 電池 | UM-3×2、CR2025?(デート用) | 
| 仕様出典 | 本体 | 
| その他 | ◎発売元はチノン商事。 ◎C-800の底には「Made in Taiwan」のシールが貼ってあった。 ◎TAITAN C-1000/C-900とほぼ同じもの? ◎C-800とC-850の違いは不明。手許にある機体で言うと、C-800は黒ボディでデートなし、C-850は赤ボディでデート付き。型番の違いは色かデートか? | 
2001.12.26/10台100円のジャンクの一台として購入。単純計算すれば10円のカメラ。何をか言わんや。もちろん動きません。しかし、何とかなりそうな雰囲気はある。
2001.12.30/修理成功。基本的に、電池ボックスの金具のサビ落としと、ストロボスイッチの接触不良の修理。保管状況がかなり悪かったと見える。それはともかく、いたって快調な音を出して動き出した。これは、使ってやらなければ。
2002.01.07/またもオークションで良く似たカメラを発見。SKILLMAN C-850。ボディカラーが赤であること以外はほとんど同じものみたい。おまけにもう一台発見。今度はC-800そのものみたいだけどQD付き。
2005.05.17/ジャンク124台セットの中にC-850赤一台とC-800黒三台を発見。
2005.05.23/C-850の絞りを修理する。前カバーを外して、絞りを制御するテコの可動部分に油を少量差したら直った。錆びて動きが鈍くなっていただけのようだ。ただし、このC-850はレンズにかなり重症のコーティング剥がれかカビのようなものがある。前玉表面だが修理困難。
2005.05.30/オークションでTAITAN C-900というのを見つける。外見上SKILLMAN C-800との違いはわからない。裏蓋の模様が違う程度…