(2002.06.30)
で、これが実に不思議な機種。第一印象は「手抜き」。まず、マニュアルモードの速度設定がB/60/250/1000の2段ステップ、4段階しかない。AEモードでは露出補正も可能だが、なんと1段ステップの±2段(@_@)。あのね〜。ファインダー内表示も1/15〜1/2秒は一つのLEDで表示。全体的にもそこはかとなくチープさを漂わせております。シャッターは横走り布幕だがかなり騒くミラーショックも大きい。X接点1/60秒は並。
ところがですぞ、マニュアルモードのB/60/250/1000は全速メカニカルシャッターで、電池なしでもそれぞれの速度で切れる。ニコンだってBとX接点しかメカシャッターにしないのが普通なのに。こうなると、マニュアルが「4段階しかない」ではなく、「4段階もある」に早変わり(^_^; う〜む、これこそ元祖ハイブリッド・シャッターかも。
どうゆう主旨で開発したカメラなのか、今一つ理解に苦しむ。登場したのは1980年ころ。ボディ価格は5万弱のミドルクラス機。電子化を前面に打ち出し、当時の最軽量ズームレンズとセットで販売されていた。軽いのか、電子化なのか、高級機なのか、廉価機なのか、全然イメージが掴めない。ただ一つ言えるのは、当時のオリンパスの電子機OM-2とは雲泥の差ということ。ま、価格差もかなりあるが、価格差以上の差だと思うぞ。製品コンセプトの腰が定まっていない印象。
このあと、FUJICAは独自のバヨネットマウント(AXマウント)に変更したAXシリーズを開発する。従来の主力機STシリーズとAXシリーズのつなぎてな感じかな。ちなみに、AX-1はAE専用機、AX-3はAE+マニュアル機、AX-5はプログラムAE+両優先AE+マニュアル機(だったと思う)。AX-3が手頃だが、AX-1以外はあまり見掛けたことがない。 |
2002.09.12/【修理失敗、修復不可能に】問題点はAEが不安定なことと、ファインダーがカビだらけでとても見苦しいこと。で、何を思ったのか修理を試みたのだが…結論から言えば大失敗。フレキを切除してしまい電子系は完全に死亡、ストロボさえも使用不可になってしまった。
まず、トップカバーは2本のネジと、巻き戻しクランクの台座の部分で止められている。ネジはすぐ判るが、クランクの台座部分はゴムのレンズ回しなどでないと外せないので注意。まず、ここで引っ掛かった。もちろん、巻き上げクランク自体も外す。外し方は他機種と同じように、裏蓋開けて巻き戻し軸の先端にドライバを挟んで、クランクを回せばよい。
で、トップカバーを開けて、まずはプリズムを取り外そうとしたのだが、このとき誤ってフレキの一部を切断してしまう。今思えば、すべてのネジを外してからプリズムを外しに掛かれば良かったのだが……。それは分解した後で判ったこと。露出計のLED部まで取り外さないといけなかった。いずれにしろ、この段階で取り返しが付かない状態になった。電子系は完全に死亡。
プリズムとファインダースクリーンの内側の掃除の方はそこそこ上手く行った。カビは概ね取れて、ファインダーの見えは格段に良くなった。しかし、露出計も不動なら、ストロボさえ発光しない。完全マニュアル機として使用するにも制限が多すぎる。困ったもんだ。ただ、それほど惜しい気はしない。むしろサバサバしている。まともになっても、とても愛着を持って使えるモノではないからねえ。壊したことが問題と言うよりも、壊したのに悔しくないのが問題だ。
そうだ…1/60"のメカニカルシャッターでシンクロするのだから、ストロボを電子制御していたわけではないだろうな。ということは、単純な断線と考えてよいのでは? 回路を追っかけていけば直る可能性はあるな。直す価値があるかどうかは別として。