(2003.08.30/2008.08.30upd)

浅草サンバカーニバル撮影記

■第28回/2008年08月30日(六回目)晴れ/雨

●豪雨の中で
今回はパレード途中で豪雨になるというハプニングが起きた。と言っても、想定していなかった事態ではない。数日前から日本列島の天候は極めて不安定で、連日各地で時間降水量100mmを超える局地的豪雨が頻発し、甚大な被害が出ていた。当日の東京も昼には物凄い降りになった。当然、今年は中止だろうと思っていたのだが、いったん雨が上がると晴天に。強行開催となったようだ。無論、短時間で猫の目のように変わる天候、しかもシャレにならない豪雨が連日頻発している状況となれば、当然、パレード中の土砂降りも覚悟の上だっただろう。滝のような雨の中でも、出場チームは怯むことなく踊り続けていた(エライ!)。観客の方も、ほとんどの人が雨具の用意をしていた。

さて、その観客だが、今年は例年にも増して多かった印象だ。と言うか、人が多すぎてパレードがほとんど見えない(T_T) しかも、歩道は満員電車状態。写真を撮れるような状態ではない。天候が不安定なので人出が減るのではないかと期待していたのだが、大ハズレ。景気の後退が深刻化する中で、みんな手近な娯楽に群がったという印象。今年は現地到着が3時と遅かったこともあり、こりゃムリだな〜状態。

ところが、3時半ころに突如の豪雨。道路に出ていた見物客がいったん屋根付きの歩道に避難したこともあり、雨を押していけば前に出ることができた。もっとも、土砂降り中での撮影はキツいし、デジイチが雨を被るのが心配だったので、すぐに戻ってしまったが。しかし、土砂降りサンバは被写体としては極めてオイシイ。私も完全防水装備をしていたら、強行撮影したんだが…。この雨で、人出自体は少し引いたような感じだ。しかし、今度は観客が差している傘が邪魔で前が見えない。撮影という観点から言えば今年は全然ダメだった。

●撮影機材
今年はデジイチ(*istDL)にCOSINAの28-210一本という装備で出かけた。天候を考えると銀塩フルメカという選択が正しかったワケだが、デジイチによるイベント撮影の基本スタイルの確立がテーマだったので、天候如何に拘らず、これ以外の選択肢は考えていなかった。ちなにみ、*istDLは600万画素の数世代前のローエンド・デジイチ、COSINA 28-210は在庫処分品を7000円で入手した超廉価高倍率ズーム(ひょっとしたら、Tamronの古い高倍率ズームと何等かの関係があるかもしれない)。コントラストも発色もかなり見劣りするんだが、何しろ安いし軽いし寄れるしで、重宝なことこの上ない(^^;

で、使い勝手だが…まず、このレンズを装着した状態で肩から下げて移動するのは、あまり賢明ではない。重さは苦にならないが、バランス的に良くないし、レンズが自重で延びるのが気になる。やはり、移動用に標準ズームを準備するか、カメラバックに入れて運ぶのが賢明。ちなみに、デジイチの28〜210mmは35mm換算で40〜300mmくらいに相当する。広角側が弱いが、イベント撮影に特化して考えれば大きなデメリットではない。もっとも、今回は「雨に降られた観客」を一つの被写体として見ていたので、もう少し広角が欲しかったが。ただ、廉価・軽量・高倍率にも拘らず50cmまで寄れるのは、非常に大きなメリット。用途限定ではあるが、一本で済ますことが可能だ。

撮影時に気付いたのは、やはりサンバは安物AFでは追従できないということ。もう、これは過去の経験で判り切っていたので、MFモードを基本に撮影した。問題は、MF時のレンズの操作だが、これは心配していたほど悪くはなかった。快適には程遠いが、用途限定ならばガマンの範囲内。もう一つ気になったのが、ボディのスリープ状態。節電機能なのだが、スリープ状態でいきなりシャッターを押すと、復帰に1〜2秒掛かるため、物凄いタイムラグが発生する。初め気が付かなくて非常に困ったのだが、これはフレーミングの前に半押しで起こしてやるか、スリープ機能をオフにすればよい。また、クイックビューはオフにすること。これはこういう撮影の基本。

露出モードはPオンリーで撮った。と言っても、レンズが暗いから、夕方になればほとんど絞り開放状態だったけど。終盤(5時以降)はISO800まで上げたが、200mm/F6.7開放(実際はF6.5?)で、1/15"くらい。もちろん、ブレブレでお話しにならない。最高感度の3200にしても1/60"にしかならない計算で、手持ちはキツイし、画質劣化が激しい。こうなると、手ブレ補正機能付きが欲しくなる。あるいは大容量のストロボ…は趣旨から外れるか。

雨対策という点ではタオルが便利。カメラに被せておけば雨の侵入を防ぐ事ができる。ただ、傘を持っての撮影は困難なので、もう一枚頭に被る用のタオルも欲しかった。あるいは、カッパを着るとか。ま、いろんな意味で良い経験にはなったな。

パレード終了後、例によって新仲見世の食堂で親子丼を食って、雷門の前で雷おこしを買って帰った(舟和のいもようかんは先日食べたばかりだったので)。帰宅後、お茶を一杯飲んだだけで寝てしまう。嫁さんは、私が一人で晩飯を食ってきたのが不満のようだった。披露困憊。

■第27回/2007年8月25日(五回目)晴れ

昨年は法事で行けなかったので、今年は二年ぶり。ただ、前回(一昨年)ああゆうことがあったので、今年は行こうか行くまいか、ちょいと迷った。正直、あまり気乗りがしなかったのだが……まあ、今年は嫁さん同道で、カツカツしないで、余裕を持って見物することにした。嫁さんの仕事の都合で、浅草に着いたのは3時少し前。しかも、昼飯(新仲見世通りの食堂の親子丼)を食ってからなので、実際に見物を始めたのは3時半くらい。ま、レベルの高いチームはこの辺りからなので丁度良い。

機材:今年はデジイチの*ist DLを持っていった。デジタルのメリットは、恥ずかしいショットも遠慮なく撮れる点(^^ゞ 反面、やはりAFで不規則動体を追うのは無理。それはある程度覚悟していたので、ハナからMFで撮るつもりだったんだが、やっぱりこのスクリーンでは辛い。また、焦点距離1.5倍というのも、かなり大きなネックになった。80-210mmが120-300mmになっちゃうんだね。ダンサーはけっこう近くまで来るので、広角不足に 悩まされた。これは今後の課題。

結果:……ひょっとして、写真のウデ、落ちてる? 銀塩に比べて撮影枚数が異様に多かった。撮影時間が従来の半分なのに、枚数は倍以上。つまり、1枚あたりの集中力密度は1/4ってこってすかな? 良い写真を撮りたいなら、銀塩に戻るべきだろうな。少なくとも、私は手当たり次第にバシャバシャ撮るタイプではない。

めし:前述の通り、昼飯は新仲見世通りの大衆食堂のようなお店(名前は忘れた)で親子丼を食った。正直、全然期待していなかったんだが、これが実に美味い。親子丼本来の味がする。カーニバルの後はとりあえず舟和の喫茶室に入ってかき氷(宇治金時)を食べた。これも美味かったが、長蛇の列で随分待たされた。カーニバル終了後はどのお店も超満員なのなので仕方ないが。

後日談:カーニバルのあと数日経ってから、嫁さんと二人で近所のそば屋に入ったんだが、そこのおばちゃんに「サンバカーニバルに行ってたてでしょ」と声を掛けられた。う〜む、見られていたらしい。連れが嫁さんでヨカッタヨカッタ(^^v

■第25回/2005年8月27日(四回目)曇/晴

今年は人出が異様に多かった。数そのものもそうだが、時間が経っても客足が引かない。最後までぎゅうぎゅう詰めで身動きが取れずに実に疲れた。おまけに、私のすぐ後ろにいたイラン人は「日本人どもぶっ殺してやる」とか「カメラ小僧死ね」とか独り言をブツブツ言っているし。この状態で刃物出されたら、確実に殺されるなあと思いつつも、ねーちゃんの裸を撮影していた。ちなみに、今回は今までで一番よいロケーションを確保できたが、それでも警備やらスタッフやらが邪魔で、なかなか良いアングルで撮れなかった。…こうなると、単にウデが悪いんだね。
●機材
OM-2の予定だったが、結果優先ということで急遽EOS 55(手持ちの機種の中では最新鋭)に変更した。レンズはEF75-300/4-5.6U、ストロボは430EZを持っていった。フィルムはカラーネガの400。しかし、結果的にこのシステムは大失敗。要するに、暗い望遠ズームで動体を追いかけるのは無理、ということを思い知らされた。合焦できずにシャッターチャンスをどれだけ逃したことか…。来年はAE-1P+SIGMA DL 75-300にするつもり。あるいは、C-2100UZのような高倍率デジカメも良いかもしれない。なんか、これは「趣味」ではなくなりつつあるもんなあ…
●交通手段
昨年と同じく、三田線−大江戸線経由で蔵前下車、蔵前から徒歩で雷門通りに出た。いつもなら江戸通り沿いに歩くのだが、今回は裏道を歩いた。これだと蔵前駅から五分で雷門通りに出られる。帰りはいつも通り銀座線溜池山王経由で南北線に乗り替えた。
●その他
6時前にカーニバルは終了。そのあと飯屋を探したが、毎度のことながら適当な飯屋は少ないし、あっても満員。「適当な飯屋」というのは、個人営業の比較的安価な定食屋のこと。チェーン店に金落としても仕方ないし、観光客相手の高めの食事処では金銭的にキツい。要するに、地元のおっちゃん・おばちゃんのやってる飯屋。結局、稲庭うどん屋でちらし寿司と冷やしうどんのセットを食べた。金千円なり。けっこう美味かった。土産は毎度のことながら舟和の芋ようかん。
●来年に向けて
これだけ人出が多いと、ちょっと考えてしまう。写真撮ろうと思ったら、思いっきり早く並んで道路に出るか、8500円出して招待席に座るかしかないだろうなあ。人ごみに立っての撮影はしんどいし、何より恐い。身動きできない状態でトラブルに巻込まれるリスクがある。正直な所、浅草は決して治安の良い所ではない。以前も大混雑の中で殴り合い始めるバカがいたし、今回も頭のおかしいイラン人だもんなあ……と言っても、人種偏見はございません。どうせ、旨い話に欺されて日本にやってきたが、ヤバイ仕事しかなくてヤクザに搾取されて捨て鉢になっているのでしょう。被害者になるのは嫌だけど、同情しないわけじゃない。……やけに日本語が上手かったなあ。


■2004年8月28日(三回目)曇/雨

●機材
今年は速度優先のAE-1を使うつもりだった、前日の試写で重症の光線漏れが発見された。おまけに台風が接近していて天気が非常に悪い。AEカメラをメインにするのはかなりリスキー。そこで超安牌のOM-1とTokina 60-300を持ち出した。結果的にこれは適切な判断だった。また、予備機に防水のAF-1Twin(使用せず)、広角用にPicPAL2を持って行った。

なお、Tokina 60-300は取り扱いが楽で、先回のTamron 80-210のように手が痛くなることはなかった。描写はTamron 80-210の方が上だが、こういう撮影にはTokina 60-300の方が圧倒的に適している。軽量でトルクも軽くて先端望遠なので手に負担が掛からず、安定性にも優れている。

●フィルム
ISO 800をメインに据えた。晴天の時でも夕方になるとISO 800が欲しいので、曇天のときはなおさら。雨曇のときは快晴のときよりも4段ほど落ちる(快晴→晴天→薄曇→本曇→雨曇)。望遠ならさらに1段程度補正が必要。結局、午後1時半の段階でISO800-F5.6(開放)-1/250"で適正だった。明るさ的には非常に厳しい条件で、これでも露出不足になったり、手ぶれが出ることがかなりあった。

なお、今回はコニカの一番安いISO 800フィルム(36枚撮り3本1000円くらい)を使ったが、粒状性はISO 400に比べてはっきり劣る。FujiのVenus 800を使えばマシとは思うが、コスト的に痛い。

●交通手段
三田線−大江戸線経由で蔵前下車、蔵前から徒歩で馬道通りに。わざわざ浅草線に乗り替える必要性はない。なお、行きにTカードを購入したので、帰りの切符売場の混雑も避けることができた。帰りは銀座線溜池山王で南北線に乗り替えた。このコースが一番良いだろう。
●場所取り
今年もかなり大きな失敗をした。基本的に神谷バー側というのは正解。こちら側は屋根がついている。開始1時間前に到着したので、道路に出ようと思えば出られたが、あえて屋根のある歩道に留まった。途中で何度か本降りになったので、これはたいへんに適切な判断だった。

問題は、花壇前というポジショニング。例年なら、みんな花壇に乗って見ているので、今年もそのつもりだったのだが、なぜか今年は乗って見物する人はいない。また、後ろに見物人も多く、乗れる雰囲気ではない。結果的に花壇に生えている植物に視界を塞がれて、またしても後ろ姿しか撮れないポジションになってしまった。

●その他
怪しからんことに、鞄にガムの噛みかすを付けられてしまい、それがズボンにまで付いてしまった。どうやら花壇の植木鉢に付いていたらしい。実にマナーが悪い。土産は舟和の芋ようかんが好評。新仲店通りの方が本店?みたいだが、仲店通りでも売っている。晩飯は浅草ラーメンの予定だったが満員。仲店通りを渡って讃岐うどんで梅干しうどんを食う。麺は旨いが、汁がやや塩辛い。それに、梅干しうどんで850円はちょっと財布と相談してしまう。キツネやタヌキよりも高いのだ。もっとも、イベントに行ったら、必ず地元にお金を落としてくるのが礼儀というもの。多少高くてもガマンすること。
●次回に向けて
◆機材
次回はOM-2を使ってみようと思っている。AE-1も魅力的だが、次回はストロボの使用を考えているので、TTLオートストロボの使えるOM-2が最有力。もちろん、天気が良い事が大前提だが。悪ければやっぱりOM-1? 軽量フルメカと言えば、あとはXR-500とかPentax MXしかないもんなあ(M42機は除く(^_^;)。以外に貧困な選択肢。

もし、道路に出られるなら、レンズは200mmでも構わない。むしろ明るさ優先だろう。しかし、200mm/F4クラスの望遠ズームで軽量で扱いやすい物、となると…ちょっと考えちゃうな。Tamron SP70-210は重量が厳しい。あとはSIGMA 80-200かなあ…。これは次回までの課題。

◆場所取り
これまた好天であることが前提だが、次回は道路に出てみようと思う。1時間前に着けば何とかなるのではないか? 今年は台風接近で人出が少なかったのかも知れないが。場合によっては有料席も考えてもよい。
◆ストロボ
何といっても、光量不足に泣いた。特に、1部リーグが始まるのは夕方、もうF5.6の望遠ズームでは、どうにもならない。ストロボ焚いてるコンパクトユーザーを「馬鹿だな〜」と眺めていたが、次回はストロボも真剣に考えるべきかもしれない。GN30程度のストロボなら、ISO 800-F5.6でも15mくらい飛ぶ。これならば実用範囲内だ。

■2003年(2回目)

今回はOM-1+Tamron 80-210/3.8-4(03A)+ASA 400というシステムで撮影。非常に使いやすい。ピントも初期EOSよりもよほど素早く正確に合う。未熟者の私のウデでも初期EOSのAFよりはマシだと実感……などと自惚れていたらピンボケが頻発してた。恥さらし。

レンズの描写は良好。このレンズはアタリだわ。しかし、ポジショニングが悪かったのと、画角が広すぎるたために、絵としてはまとまりがなかったなあ。ばしばしシャッターを切ったけど、全部微妙にシャッターチャンスを外していたし(;_;)

OM-1のホールディングはちょっと問題、長時間使用で手が非常に痛くなる。ただ、これはレンズとの相性(重心位置や左手の位置)があるので、一概には言えないが、流石に600g超のレンズを付けて4時間使用するとけっこう辛い。右手の掌に当たる金属部分が痛いんだよね。

●カメラ:OM-1(方眼マット)(まずまず)
●レンズ:Tamron 80-210mm/F3.8-4(03A)(まずまず)
●フィルム感度:ISO 400(不十分)
●ポジショニング:南側(失敗)
●観客のマナー:最悪
●疲労:困憊

■来年に向けて

今年はむしろ去年よりも失敗した感じ。来年は速度優先AEでリベンジ!
●器材
●基準露出 ISO400-F8-1/500"
●行動

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