Canon AF35ML 試用レポート

2001.09.11/3台500円のジャンクのうちの1台として入手。デート付きのAF35ML QD。電池室が液洩れでやられていた…というか、電池が塩を吹いて5mmくらいの厚さになっていた。磨いたくらいではどうにもならない感じ。アルミ箔を使って応急処置をしたらちゃんと動き出した。レンズも奇麗だし、フラッシュも発光するし、AFも特に問題なさそう。ただし、フラッシュのカバーが取れていた。また、ISO感度設定ダイヤルは初めはスムーズに回っていたのに、だんだん動かなくなってきた。まあ、ジャンク復活品としてはまずまず。

2001.09.11/ISOダイヤルが回らないのは、ストッパーがずれた感じ。修理には分解が必要だろう。どうするかね……ISO 400固定でも実害はあまりないような気もするが。元々まともなものではないので、無理して壊すのは賢い選択ではない。

2001.09.13/【ISOダイヤルの修理】ISOダイヤル周りに注油したら、スムーズに回るようになった。けっこう危ない行為なんだけどね。絞り羽根やレンズに油が回ったらえらいことになる。また、電池は接触にやや問題があるようで、上手く動かないときは電池ブタを押してやるとよいことがわかった。また、フラッシュのスイッチを入れて通電すると調子が良くなることも。

2001.09.17/【電池室の修理】徹底的にサビを落としたら、腐蝕していた金具自体がぼろぼろと取れてしまった(;_;)。でも、サビがなくなったので接着剤が効くようになった。で、アルミ箔を両面テープで貼り付けて修理終了。

2001.09.20/フラッシュのカバーを修理。惣菜の透明プラケースを適当な大きさに切ってはめ込んだらOKだった。これで一応、すべての修理が済んだ。次は試写だな。

2001.09.25/突如巻き上げ不能に。電池を交換してもダメ。遂に御臨終かと思ったが……中途巻き戻しスイッチを入れたらまた動き出した。たぶん、モーターがヘタっているか、オイル切れか。ちょいとオイルを注しておいた。

2001.09.29/【ローディングの確認】試写を始めるが、フィルムのローディングが確認できずとても不安。ひょっとして、赤い縞模様の窓が確認用?どうもそうらしいのだが、力強く動くのではなく、何かフラフラして……不安に耐きれず、裏蓋を開けてしまう。結果的にはきちんと給送されていた。フィルム1本無駄にしたが、まあオマケの12枚撮りだからよしとしよう。動作確認用にこういうのが1本あってもよい。

2001.09.30/AFは仲々正しく合焦しない印象。「正しく」どころか間違った合焦すらしないもんなあ(^_^; 実用性はけっこう疑問だなあ…これなら、いっそフォーカスなんか表示せず、天運任せでえいやっ!って感じの方が精神衛生上はよいかも。近接は50cmくらいまで寄れそうな感じ。

2001.10.02/【巻き上げ途中で停止】池袋で試写の続き。巻き上げの途中でモーターがへたって動作不能に。おいおい。電池切れでもなさそうだし、うんともすんとも言わなくなるし、困ったもんだ。以前の経験から、巻き戻してしまえば何とかなりそうだが、まだフィルムは半分残っているし…。ということで、巻き戻し用のスプロケット空回りボタンだけを押してみたら、何とか巻き上げてくれて復活。本当に巻き戻す場合は、さらに巻き戻しスイッチを入れる必要があるが、そこまではしなくて済んだ。いずれにしろ、まともな品じゃないなあ。

ところで、鞄に放り込んで椅子から落としたら、裏蓋が開きかけていた。少々恐い。

2001.10.12/やっと試写の結果が上がる。まったく、カミさんに頼むとこれだから堪らない。愚痴はともかく、概ね良好な仕上がり。描写はけっこう良いし、室内ノーフラッシュは雰囲気のある絵になる。コンパクトでこれができるのは立派。今回のチェックポイントで良好だったのは、描写力、近接撮影、日中シンクロ、フォーカスロックの4点。逆に問題だったのは、AF精度、AE精度、無限遠、ASA感度補正の4点。失敗の確率は低くないな、というのが実感。使い続けたいカメラかと言うと、ちと……。なお、フィルム給送トラブルがあったにも拘らず、コマズレはなかった。だが、裏蓋が開きかけていたことによる光線かぶりはあった。ともかく、ジャンク復活品でこれだけの写真が撮れれば立派なもんだ。

2001.10.13/【QDなしAF35ML入手】2台目を落札。今度はデートなしのAF35ML。AF35Mと2台セットで1500円のジャンク品。外観は良好だが電池室がやられている。機能的にはストロボを含めて完動のようだが、やはり全体的にヘタリ気味。レンズにもカビ。電源入れたのも十何年振りという感じ。QDと異なっているのはボディ正面のロゴとASA感度ダイヤル。QDは1000までだったが、こいつは400まで。手を入れれば使い物になりそう。ぼちぼちと。

2001.10.14/電池室修理完了。CRC556を吹き付けて数時間置いておいたら、電極に付着していた塩板が奇麗に取れた。しかし、それでも動作はかなり不安定。低血圧気味で機嫌が悪そうだ。でも、丁寧にメンテしてやれば何とかなるだろう。


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