†貧乏カメラ館†

ぬれてもピカソ-S
OLYMPUS AF-1 Super
未評価 発売年月 ----.--/標準価格 ¥-.----
弟分の真似をした生活防水カプセルカメラ


(2005.02.20)

オリンパスの「ピカソ」シリーズはAFLに始まるが、実はこの元祖ピカソは、後のピカソ・シリーズとあまり類似性がない。ここで取り上げるのは、AF-1に始まるカプセル・ピカソのシリーズについて。

カプセル・ピカソの元祖はAF-1とAF-10。と言っても、AF-1は必ずしもカプセル型ではなく、直線主体の外装を持つスライドバリア式のコンパクトだった。むしろ、セールスポイントは生活防水機能にあり、ニックネームも「ぬれてもピカソ」だった。

この「ぬれてもピカソ」とほぼ同時に発売された廉価機が「ピカソmini」ことAF-10。レンズの開放F値とシャッターユニットの性能でAF-1と差別化が図られていた。スローは1/45"までしか切れないし、ピーカンでISO400を使うと露出オーバーになってしまうという、些か情けないスペックだったが、タマゴ型のデザインが非常に愛らしく、欧州で大ヒットしたらしい。

その後、AF-1とAF-10は、それぞれAF-1 SuperとAF-10 Superにマイナーチェンジされた。基本スペックはまったくと言って良いほど同じで、むしろ実質値下げのためのマイナーチェンジのように思われる。同じ機種を値下げするとブランドイメージが悪くなるので、価格の安いマイナーチェンジ機を出してリプレースして行く、という良くある手法だ。

ただし、初代とSuperの機能には一つだけ非常に大きな違いがある。それは、初代ではオートのみだったストロボ制御が、Supereではマニュアル設定も可能になったこと。この違いは極めて重要だ。また、AF-1 Superは初代AF-1の直線的な外装から、流面形外装に変更された。タマゴ型ではないが、明らかにAF-10のヒットを受けての変更だろう。ただし、デザイン的な魅力ではまだAF-10には及ばない。

さらに、AF-1 SuperとAF-10 Superの機能アップ版として、35mm/70mm二焦点のAF-1 TWINおよびAF-10 TWINが発売された。この二機種は、レンズスペックも含めてほとんど同じ機種である。違っているのは、生活防水の有無と外装だけ。ここら辺りで進化の行き詰まりみたいになったようだ。

なお、この他のピカソシリーズとしては、AF-1と同時期に出た二焦点機「望遠ピカソ AFL-T」、および最晩期のゾーンフォーカス機「ピカソぷち AM-100」がある。AFL-TはAFLの二焦点版と言うよりも、AF TRIPに近いイメージ。また、AM-100はAF-10のさらに廉価バージョンだが、なかなか可愛らしい。

さて、この後のオリンパスのコンパクトはIZM/OZシリーズに移るが、こちらはイマイチぱっとしなかった。高性能のブリッジIZM(300/330/400)は流石に一世を風靡したが、コンパクトIZM(200/210/220/230)の方は大ぶりなだけで機能面でも物足りないし、デザイン的な訴求力にも欠ける。その沈滞期のあとに、μの爆発的なヒットが生まれる。

主要諸元
型式[AF単焦点][カプセル][生活防水]
レンズ35mm/F2.8 (?群?枚)
露出プログラムEE EV7(F2.8-1/15")〜EV17(F13.5-1/750")
露出補正なし、逆光時にはストロボ自動発光
ピント赤外線アクティブAF、中央一点測距、AFロック可
最短撮影距離マクロ時0.5m、通常時0.75m
ストロボ自動/禁止/強制
ファインダー不明
電池CR-P2
外観127×63×50mm/240g
仕様出典'90カメラ総合カタログ VOL.98
その他 「AF-1 ぬれてもピカソ」の改良版。基本スペックはほぼ同じだが、ストロボが手動制御可能になり、外装が平面主体から流面形に変更された。値下げのためのマイナーチェンジという意味合いもある。


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