AE-1試用レポート

2001.?.?/オークションで8750円で落札(FD 50/1.8付き)。送料・振込料込みで約9500円。裏ブタのモルトがそろそろアブナイのと、ファイダーの接眼部にカビがあるのが難点。逆光時には少々気になるレベルだが、これ以上広がらなければ実害はない。外観は並だが、クリーニングすればかなり綺麗になりそう。このクラスならレンズ込みで1万5000〜1万7000円くらいが相場かな。

その後、もう1台格安品をゲット。FD 50/1.8SC付きで5500円。送料・振り込み料込みで6500円くらいかな。外観は良品、巻き上げ時に少々鳴きが始まり掛けてるくらいで、動作は完調…と、思ったら、圧板が欠品。ま、売り手が素人さんだからこの値段だったわけだし、仕方ないか、というところ。レンズやファインダーもけっこうカビている。これはまあ、予想範囲内。しかし、ファインダー接眼部の裏のカビって、けっこうポピュラーなんだね。う〜ん。

2001.06.12/小型のカニ目レンチ(シャッターオープナー)を入手。巻き上げレバーの分解を試みるが上手くいかず。表面にかなり目立つ傷を付けてしまう。どうもそれほど単純な話ではなさそうだ。力任せにするわけにもいかない。Canonはユーザーに分解させまいとしている意図がありありとわかる。今後の検討課題としよう。基本的にこの機体は分解用と割り切る必要があるな。どうせシャッター幕も汚してしまったし。

2001.11.07/3台目入手。またも白だが、ボディのみ3000円という値段に思わず落札してしまった。外観は並、鳴きはそこそこある、シャッター幕はカビ跡あり。この値段なら文句は言うまい。FDはレンズを揃える方がいいんだが、ボディよりレンズの方がずっと高い。

2001.11.12/4台目入手。念願の黒。ジャンク扱いで3000円。外観は良品、ガバナ鳴きが酷く、ミラーのリターンが極端に遅い。これがグリスアップで直ることは実証済み。この値段なら充分納得。しかし、これでAE-1は打ち止めだな。白黒一台ずつあればよい。問題は圧板欠品のボディ。う〜ん、これはねえ……

2001.12.12/あ〜あ、また落札しちゃった。シグマの望遠ズームとフラッシュ(ジャンク)付きで4400円。ボディよりもオマケ狙い。嬉しくないことはないが、ちょっとなあ。人気ないんだなあ。

2001.12.19/SIGAMのズームはカビがかなり強烈。ストロボはジャンクと言うことだったが、予想以上に壊れている様子。感電対策かもしれんが、分解しにくくって…。

2002.01.05/【鳴きの修理とファインダーの掃除】(4)黒の修理。ガバナ鳴きの修理とファインダー接眼レンズの掃除。ともにとても酷い状態だったが、一応直った。要領は先日のAE-1Pと同じ。シャッター軸と巻き戻し軸を分解し、エプロン部も取って、トップカバーを外す。底蓋も外す。で、上下から電池ボックスの裏側辺りに少しずつ注油。

で、基本的にはうまくいったのだが、

  1. シャッター軸の分解時にカニ目レンチの先がすべって大きな傷を付けてしまった。
  2. またもリング外しでかなり傷を付けてしまった。
  3. 注油したオイルがミラー室に侵入してしてしまった(幕は大丈夫)。
  4. 一時的だがミラーが戻らなくなった。
  5. ピント板の中心に傷、またピント板の内側に目立つほこりがある。
1.は前オーナーがカニ目をなめて大きな傷を付けていたから、私だけの責任ではないが、もうちょっと何とかすること。2.はリング外し専用工具がないか確認すること。3.はこの方法で鳴きを修理する限り回避は難しい。オイラーを買えば…? 4.はAE-1Pのこともありちょっと心配だが結果オーライ。5.はプリズムを分解してピント板の交換が必要になるので、現時点ではこれ以上手を出さない。

注意点1:AE-1Pと違い、このAE-1は絞り値を糸で伝達している。で、ファインダーの接眼レンズを取り外すと、この糸がゆるむので組み上げるときに掛けなおす必要がある。これがけっこう難しい。巻き戻し軸の大きなプーリー、接眼部周辺の4つの小さなプーリー、さらに巻き上げ軸近くの小さなプーリーと、さらにシャッター軸上の大きなプーリーと、きちんと掛けていく必要がある。特に巻き戻し軸の大きなプーリーはうっかりしがち。

注意点2:シャッター軸を組み上げるときも絞り伝達糸の扱いに注意が必要。基本的に、シャッター速度とASA感度の組み合わせで、シャッターダイヤルをシャッター軸上のプーリーにはめ込める位置は決まる。ところが、最寄りのはめ込み位置ではなく、そこから反時計回りに半回転させた位置でないといけない。具体的には、@シャッター軸のダイヤルの台座部にあるクリックのバネが効いている確かめる、Aまずダイヤルを適当にはめ込んで反時計回りいっぱいに回す(Bの位置)、B再びダイヤルを外して、ダイヤルの下面に付いている外側のツメを台座の穴に合わせる、Cダイヤルを反時計回りに回すと、ダイヤル下面の中央部のASA感度の突起が、台座の中央にはまる位置が見つかる、Dしかし、そこにははめ込まないで更に半周させる、Eすると、ダイヤルのBの位置が合うようにはまる。

2002.01.12/あれれ、三泊四日の旅行から帰って見ると、修理した(4)に変な症状が…。常にシャッター半押しの状態になってしまっているようだ。シャッターから指を離しても露出計の電源は入ったまま。半押ししようと指に少しでも力を掛けるとすぐにレリーズ。う〜ん、フェザータッチ、なんて喜んでいる場合じゃないでしょ。暫く空シャッターを切っていたら直ったが、何とも不安な…

2002.01.27/相変わらず4番機には電源が切れない症状が出る。しかし、バッテリチェックを押すと切れることが判明。う〜ん、もう一度分解してチェックする必要があるな。暇になったら。

それはそれとして、6台目(白)を購入。我ながらアホちゃうか、という感じだが、程度は最も良い。鳴きもない。だが、主な目的はジャンクのワインダー。修理の可能性は未知数だが、何とかなるかも。そもそも実用目的じゃないからね、ワインダーは。ワインダー必須ならEOSを使えばよいのだ。それにしても、AE-1の相場は暴落しているねえ。

2002.03.01/漸く探していた裏蓋(多分AE-1P用)を入手。送料etcで1000円くらいかな。ま、これはこれで悪い買い物ではなかった。

2002.03.24/【四番機(黒)の修理】スイッチが切れない問題は予想通りシャッターボタンの接触過乗だった。軍艦部を開けて精密ドライバを突っ込んで接点の間隔を調整したら直った。

ところが、軍艦部を開けるときにシャッター速度の連動糸が切れてしまった。たぶん、それ以前にプーリーから外れて磨耗していたのだろう。とりあえず手持ちの木綿糸でつなぐ。結んだときのコブはあまり問題にならないようだ。ただ、全体の長さの調整はかなり難しい。約18.5cmなのだが、僅かの誤差がモロに露出の誤差に反映されるから大変だ。今回は1/3段くらいオーバー目に出てしまったが、これ以上深入りすると、かえって悪くなりそうなので、とりあえずここまで。

糸の通し方は、左手側の滑車の上部から切り欠きを通して滑車のミゾに入れて反時計回りに一周させ、ファインダーよけの4つのプーリーを通して、右手側のプーリーを通して、シャッター軸にはめる。シャッターダイヤルのはめ方に関しては上記参照。

また、シャッターダイヤル側の滑車から糸が取れてしまったが、これは糸にタマを作って切り込みに引っ掛け、金属片(ゼムクリップを1mm以下に切断)を突っ込んで固定した。

2002.04.06/【人形試写】とりあえず、室内で人形を撮影してAEのチェック。概ねOK。ストロボもシンクロ確認。ただ、今回諸般の事情により使ったラボがタコみたいで、発色がくすんだ感じに仕上がっている。

2002.04.07/【荒川土手桜まつり】朝から雨模様だったが、頑張って撮影してきた。ま、その甲斐はあったかな、と。もちろん、今年の気温では桜なんかほとんど残ってなかったけどね。被写体には事欠かなかった。しかし、ボディのトラブルは頻発した。電池切れ(予備二本持っていったのに!)、給送不良(24枚撮りで32枚撮れた?)、速度ダイヤルが勝手に変わった(手の平がぶつかるだけで)、露出補正の戻し忘れ(ASA感度補正)、レリーズボタンの接触異常(再発)。これにTamron SP 60-300のAEロック外れが重なったから、もうボロボロ。たぶん、1/3くらいは失敗ではないか…。

不慣れもあるけど、決して使いやすいカメラではないね。その証拠に、ほとんどの欠点がAE-1Pで改良されている。

Tamron SP 60-300/3.8-5.4は描写はよいけど、重いのが苦痛、ってのを再確認してしまった。SIGMA κUに比べるとファインダー内は意外に暗いしね。カビのせいかな? 少なくとも、AE-1には適したレンズとは言えないだろうなあ…でも、300mmは魅力だよね。発色はやや黄色っぽい。白黒時代の名残かなあ…。

試写結果は意外によかった。ただし、24枚撮りのはずなのに32枚撮れた尻相撲写真はほとんどダメ。やっぱり最初の方が給送されていなかった。これは、恐いなあ…。操作ミスで露出が狂ってダメだったのは数枚。意外に少なかった。他は何とか見れるレベル。ISO 100だったんで苦労したが、400使っていればもう少し楽ができたかな。

2002.04.14/【根津神社つつじ祭り】野点があるというのでAE-1CとTELESOR 85-205を持って撮影にを持って行ったが…ロケーションが悪くてダメ。でも、つつじはいっぱい撮影。TELESORは重いがF3.8と明るく質感もそこそこなので、まずまず満足できた。マクロもある。しかし、全体の操作性は決して良くはないな。それなりに頑張ってるなあという印象だが。ついでに、キャノン純正のワイドコンをFD28mm/2.8に付けて試写。単純計算で20mm相当。でかくて重いけど、以前使ったビデオ用ワイドコンよりは遥かに良さそう。

問題だったのはレリーズの接触異常。完全に再発したようで、フェザータッチ状態。シャッター半押しによる露出のチェックができず。エプロンの露出計ボタンを使うという手はあるから、使えないわけではないが操作性はぐっと落ちる。実用機とは言いがたい。

2002.04.16/つつじ祭りの試写結果上がる。結論的に言ってかなり悪かった。ただ、どこが悪いのかよくわからない。ボディ自体の問題ではないと思うのだが。TELESOR 85-205はピンがきっちり来ていたのは一枚だけ。それに関してはシャープだしボケ味も悪くないと思うのだが、それ以外が酷かった。手ぶれの可能性も高いが…なんか、描写が変と言うか、発色や影の付き方が不自然と言うか…ちょっと上手く表現できないが、ひどく嫌な写真になってしまった。マクロもピンが来ていない感じ。ISO100を使ったのも大きな敗因。

FD 28mm/F2.8 SCとワイドコンの組み合わせはかなり酷かった。これは何だろうね? 絞りを開きぎみにしたのがまずかったのか…。28mmでも四隅のケラレはあまり出なくて、期待していたのだが…。ま、今回はレンズの評価はできないなあ。

上野動物園で五番機試写】嫁さんと上野動物園に行ってペンギンを撮影。流石にまともに動く機体であることと(と言っても露出は1.5段も狂っているけど)、慣れのせいか、大分思うように扱えるようになった。速度優先AEでボケをコントロールするのに慣れたかな、という感じ。でも、少なくともボケを優先的に考える撮影の場合、やはり速度優先AEは好ましくはないなあ。レンズはTamron 70-210/4-5.6を使用。クラス最小・最軽量で扱い易かったが、やはりスプリット・プリズムしか使えないのは辛かった。あと、意外に気になったのは純正ストラップ。ホールド時に右手に当たるのだが、これがゴワゴワしていてとても嫌な感じだった。帰宅後すぐに他社製に交換。

2002.04.26/で、五番機の試写結果。カメラの基本性能には全然問題なし。1.5段(正確には1.33段)補正も良好。ただし、若干光線かぶりがあるので、モルトは何とかする必要があるかな、と。Tamron 70-210はとても良いレンズだ。ポートレートまではちょっと厳しいけど、通常使う望遠ズームとして満点に近い(ハードルが低い私(^_^;)。まあ、実用本意で考えたら、Tamronの28-70と70-210で80点の写真は撮れる。

2002.04.28/【つつじ祭りで五番機試写】GWに入ってイベントもいろいろあったのだが、お目当てのマーチングバンドを見逃した…とほほ…。自己嫌悪。レンズはTamron 35-135とTELESOR 85-205。スピゴット・マウントの欠点をモロに実感。現場でレンズ交換するのはとても苦痛。純正FDレンズはまだしも、サードパーティ製は極めて困難。しかも、TELESORはマクロやAEの設定が簡単に動いてしまう。スピゴット・マウントのレンズは交換しないのが大前提、だな。あるいはアダプトール2を常時付けておくとか(^_^;

2002.04.29/【川の手荒川まつり】昨日の失敗があまりに悔しかったので、今日ものこのこ荒川区まで足を伸ばして女の子のバトンを撮影。ま、3割くらいは気が済んだ。使ったレンズはSIGMA ZOOM κU 70-210/4.5一本のみ。昨日壊して?しまい、絞り開放でしか撮れないもの。春のピーカン、ASA400、F4.5開放では最高速度の1/1000秒でも二段ほどオーバー。う〜ん、今回はASA100にすりゃ良かったかな。結局二段オーバーで撮影しちゃったんだけどね。もっとも、200mmでF4.5だと被写界深度がかなり浅い、意図通りの撮影ができたかどうか…。ちなみに、テレコンを使えばF9固定で程よい絞りになるのだが、いかんせんスプリットプリズムでは翳って使い物にならない。AE-1というのは満足な環境がないと厳しいねえ。スペックがギリギリだから何かあったときに逃げれない、という感じ。ところで、今日は新品に近い電池を持っていったのだが、二度ほどシャッターが切れずにチャンスを逃した。やっぱ、実用にはならんかな。

2002.05.11/つつじ祭りと荒川祭りの試写結果上がる。うぐぐ…。TELESOR 85-205は酷い。描写も発色も悪くフレアも顕著。フードを付けて試さないと断定はできないが、レンズ性能としてはかなり悪い部類だと思う。特に発色の陰気さは憂欝になるほど。外見は仲々立派なんだが、これはいらないなぁ…

これに比べるとTAMRON 35-135はずっと良い。発色も描写も無難で充分実用になる。ボケもそこそこ綺麗。多少重いことを除けば、良いレンズだと思う。パーティとかポートレート中心の撮影には悪くないと思うぞ。

SIGMA zoom κU70-210は絞りを壊したために開放固定でしか撮れなかった。流石に開放では描写の甘さが目につく。このままではちょっと使う気になれない。しかもAEが効かないので(速度優先AEの悲しさ)適正露出を得るのも難しかった。コンジョを入れて本格修理に乗り出すか…

2004.08.25/【二番機試写】修理上がり。根津神社でSIGMA DL 75-300、Tamron-2 75-250、Tamron-1 80-250の三本をテスト。本来はレンズのテストだったんだが、ほとんどのコマに光線が被ってる。え〜〜? モルトかなあ…?とりあえず、ヒンジ部にモルトを貼ってみたけど…。

2004.10.25/【二番機再試写】モルト貼った効果を確認するため。根津神社の下町まつりで太鼓の演奏を写す。ISO100でTamronの75-250手持ちという無茶な条件で撮影。日カメでお馴染みの木村恵一先生が編集さん?を連れて撮影しているのを発見(^_^; 日カメのテストレポートは、けっこう根津、谷中、白山界隈が多いんだよね。

2004.11.28/【二番機再試写の続き】ZOOM-κUの修理できたので根津神社で試写。銀杏がきれいだった。同時にTamron SP 24-48もテスト。

2004.11.30/【二番機再試写結果あがる】ヒンジのモルトの貼り直しで光線漏れは完全になくなった。これは良好。で、下町祭りのTamron 75-250は写りは問題なし(写真のデキとしてはサイテー;わたしゃこんなに写真が下手だったのかね?)。

ところが、紅葉見物のTamron SP24-48は露出が目茶苦茶。なんだろう?少なくとも、最初の装着時は、続けて3枚明らかな露出不足。4枚目もアンダー気味、5枚目は適正。ふ〜む。途中で直ったというのも変だなあ…

さらに、ここでレンズをzoom-κUに変更。変更直後の1枚は思いっきりアンダー。でも、これはボディの問題だと思うな。露出補正が必要で、いろいろいじったときだから。その次からは、少なくとも露出は問題なさそう…。

そのあとSP24-48に戻したが、戻した直後はアンダー気味。ただし、これは露出補正が必要な構図なのに、補正しなかったため。青空を構図のド真ん中に入れたからね。AE-1で露出補正はおそろしくやりにくいんだもん。その後は露出は大丈夫のようだ。AE-1は中央重点測光ということだが、測光分布はかなり真ん中に集中しているのではないだろうか?

で、まとめると、あからさまなAE不良は、最初にSP24-48を装着したときだけ。他は、それなりに理由がわかる。問題は、原因がマウントか電子系かということ。感じとしてはマウントの方が怪しいが…。いずれにしろ、FDマウントは厄介だな…FDマウント機は速度優先AEシステムと言う用途で考えていたが、これだけマウントに不安があるとAFカメラに乗り替える方が賢明かもしれない。

ID価格入手日備 考
@白374 \875001.??.?? FD50/1.8付、
A白86**** \550001.??.?? FD50/1.8SC付、圧板欠品(後に入手)、ファインダー掃除&モルト補修済み
B白223 \300001.11.07 シャッター幕カビ、鳴き少々、電池接点が変
C黒 \300001.11.12 故障品、鳴きは酷かったが修理済み、フェザータッチ化
D白290 \440001.12.12 外観下、SIGMA 70-210とストロボ付、露出ズレ
E白163 \310002.01.27 良品、ワインダー付(junk)

【貧乏カメラ館目次】 【ホーム】