†貧乏カメラ館†

Autoboy TELE 6 未評価 発売年月 1988.03/標準価格 ¥5.2800
フル/ハーフ切替え可能なキュートなキワモノ


(2005.05.12)

非常に個性的な機種。フル/ハーフ切替えというだけでも十分ゲテモノだが、それに二焦点+テレコンで6種類(35mm/50mm/60mm/75mm/85mm/110mm)の焦点距離が使えるという珍品。もちろん、50mmと60mmや85mmと75mmに何か意味があるのかと言われるとちと困るが。

また、見落とされがちだが実は日付/タイマー制御機能もかなり凝っている。たとえば、インターバル撮影機能は、一定時間ごとに自動撮影するもので、36枚撮りフィルムを装填してハーフサイズで1時間に一度の定点撮影を行えば、3日分のデータが撮影できる。10分に一度の植物の観察ならば半日分だ。これはハーフの電気カメラならではの機能だろう。

また、成長記録モードも面白い。誕生日をセットしておくと、「何年何月何日」ではなく、「何歳何箇月」という表示が写し込める。また、何でもないことのようだが、フィルム装填日をチェックできるのも面白い。このカメラの設計者はホームユースのイヤーカメラを大前提にして仕様を詰めていった気がしてならない。Autoboy TELEやSketchbook同様、仕様自体にかなり強いメッセージ性を感じる。ただ、個性的すぎたのか、1年でカタログ落ちしているのが惜しまれる。

スペック的には、ストロボがオフにできない(バルブでは当然オフになるが)のがちょっと引っ掛かっている。また、セイフティマクロというマクロモードがあるそうだが、特段スイッチなどはなく、どういう機能なのかイマイチわからない。

なお、このカメラは電源を入れただけではレンズカバーが開かない。シャッターを押すと、レンズカバーが開いてレンズが飛び出して撮影し、撮影が済むとまた引っ込むという変わった動きをする。面白いのだが、外観だけでは電源オン/オフの区別が付き難く、しばしば電源を切り忘れてしまう。ストロボチャージは常時行われているようで、すぐに電池がなくなっちゃう。これはスベったな。…まてよ、と言うことはインターバル撮影も危ないな。

主要諸元
発売年月 1988年3月 定価¥5.2800
型式 [フル/ハーフ切替][6焦点?AFコンパクト]
レンズ 35mm/F3.5(3群3枚)⇔ 60mm/F5.6(6群6枚)
シャッター 電子制御 1/60"〜1/350"(4"バルブ付)
ピント調節 アクティブAF
AFロック シャッター半押し
最短撮影距離 63cm(ノーマル)/40cm(マクロ?)
露出制御 プログラムAE
測光連動範囲 Wide: EV9.5(1/60"・F3.5)〜EV15.5(1/350"・F11)
Tele: EV11(1/60"・F5.6)〜EV17(1/350"・F19)
露出補正 なし
フラッシュ GN10.5 自動/強制のみ
ファインダー 実像式 85% x0.42〜0.63
外観 132.6×71.5×49.8mm/330g(電池込)
電池 2CR5
仕様出典 '89カメラ総合カタログ Vol.95
その他 ◎フルサイズ/ハーフサイズ切替え可能(途中切替えは不可)。
◎基本的に二焦点カメラだが、別売のテレコンを使うと望遠側がさらに延び、それにハーフ時の望遠効果を加えると、合計で6種類の焦点距離(相当)が使える。
画面サイズ広角側望遠側テレコン
フル35mm 60mm 75mm
ハーフ50mm相当 85mm相当 110mm相当
◎成長記録モード、インターバルモードあり、フィルム装填日確認可能。


【貧乏カメラ館目次】 【ホーム】