雪道の事故 「ノーマルタイヤ編」
雪道をノーマルタイヤで行くことは、どういう危険性があるのか知っていただくために、このページを作りました。
雪道を知らない人ほど、ノーマルタイヤで雪国に出かけるとき、「雪道になったときチェーンを装着すればいい」とよくいいます。それはその通りなんですが、長い道のりで、さらに、たび重なる雪道と乾燥路の繰り返しで、その繰り返しごとに装着が面倒だということで、結局はほとんどの人は必ず「このまま行けるところまで行こう」ということになってしまいます。
そして例えば、ずっと快適に乾燥路を走っていて、山の陰のわずかにうっすら水と氷とが残っている「ちょっとしたところ」で、「あっけなく」滑ってしまい、スピードが出ていたために事故になってしまった、ということは、ほんとうに数え切れないくらいよくある話なのです。
また、「このまま行けるところまで行こう」ということになって、事故につながらないにしても、
「行けるところまで行って」、最後は「行ける限界」をすぎて、「上にも下にも行けないところ」で止まってしまう。。。(雪道を走る人は、ほんとうによく見ている光景だと思います)もうその時には、滑るから上には行けない。
で、下に行こうとすると、滑るからブレーキが効かない状態でどんどん加速してしまうので、それこそ危険きわまりないから、下に行くこともできない。
結局立ち往生して、道路のど真ん中で停止して他の車に迷惑をかけたり、車がいつ滑り出すかわからない危険な坂道でチェーンを巻くことになってしまう。。。(チェーンの装着は、平坦な場所が基本ですね)
また、立ち往生だけならともかく、少し坂が急だったり、完全に凍結していたら、登れなくなって止まったあと、今度はブレーキがまったく効かずに、後ろにすーーっと滑ってゆく。。。
その時に後ろに車がいたとしたら?
人がいてたとしたら?
後ろが崖だったとしたら?
危険を感じて踏んだブレーキなのに、いくら踏んでもきかないという時の恐怖は、かなり恐ろしいものがあります。(スタッドレスでも滑るときは滑りますが、基本的な制動力は、ノーマルタイヤとはまったく別物です)余談になりますが、近畿地方で標高のさほどない神戸・六甲山でも冬場は雪が降ります。
そのたびに、雪道の事故がかならず起こっています。
2003年12月半ば頃、六甲でほんのうっすら雪が降ったとき、僕は数件のスリップ事故・動けない車を見ています。
雪道に向かう時、安易な気持ちでいることは、たとえ雪道になれている雪国の人でさえも許されません。
だから、雪国の人ほど、その雪道のこわさを知り、冬装備をきちんとし、とても慎重に運転します。
だけど、雪道をあまり知らない人ほど、安易な気持ちで、不用心で、無謀な運転をします。
けど、「雪道の恐ろしさを知らない人が不用心でいること」 は、単に「非難されるべきもの」ではなく、
「雪道の恐さを知らない人にとって、雪道の危険性を前もってしっかり知ることが、なによりも大切なこと」
だと思います。
一般的に、車は、ほとんどが1トン以上の重量があります。クロカンやワゴンタイプの車などは、軽く2トンを越えるものもあります。その1トン以上の車が、凍結路や雪道をノーマルタイヤで走れば、本当に当たり前なんですが、あっけなく制御不能になり、重大な事故につながる危険性があります。
どうか、ノーマルタイヤの危険性を十分に知っていただいて、すばらしい雪の世界で、事故のない、たのしくステキな雪の想い出を、たくさんつくっていただくことができればと願っています。
☆ スリップ事故1 by かじおさん
スキー場でバイトしていたときのことです。夕方買い物に行くとき、前に走ってい た4WDがコーナーで曲がりきれず、崖に転落。
その後ろを走っていた車も、後を追う ように落ちて行くという、結構酷い事故がありました。
車を見ると、2台ともノーマ ルタイヤでぞっとしました。
くれぐれもタイヤはスタッドレスを履いて走行しましょう。
崖から落ちた車の上に、また巨大な鉄のカタマリの車が落ちてくる。。。
コメントしようがないほど、ノーマルタイヤでの怖い事故です
☆ スリップ事故2 by さばのみそにさん☆ スリップ事故3 by rarisu33さん 2004年1月12日追加アップ
私が始めて雪道体験をしたのが、今から5年ほど前のこと。スタッドレスは履いていませんでしたが、雪も降り始めだったという事と、サーキット走行などが趣味で、車を横に向けて走らせたりする事に慣れていた為、 自分の腕を信じて(※過信していました)ゆっくり帰ることにしました。
一般道を順調に進んだ後、家の近くの新雪がうっすらと降積もった道へさしかかりま した。
積雪は1〜2cm程度。2速1200回転、時速にすると20km弱だったと思いますが、直線で ほんの少しアクセルを緩めた瞬間、 「クルッ」 と180度スピンしてしまいました。 逆ハンドル、ブレーキも試みましたが、なす術もありませんでした。
幸い道幅が広く事なきを得ましたが、もしあの時近くに車や人がいたらと思うとゾッとします。
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私の車がFR車だと言う事を差し引いても、時速20km程のスピードでもあっさりスピン してしまうものなのかと、あらためてノーマルタイヤでの雪道走行がいかに危険なものかと認識させられました。
車の駆動方式に関係なく、タイヤのグリップ力は前に進もうとする(摩擦)力と旋回しようとする(摩擦)力の バランスによって進んだりと停止したり出来、しかもその和は一定だということを考えると、物理的に、雪上で全くグリップしないノーマルタイヤは「論外」だと思いました。
「ちょっとぐらい」とか、「すぐそこだし」という気持ちは捨てて、万全の準備を怠 らず、これからもスキーや、スキー場までの旅路を楽しもうと思います。
サーキット走行になれている人でも、雪道では 「なすすべがない」 状況になるのが雪道におけるノーマルタイヤの無力さです。
雪上性能にすぐれるスタッドレスタイヤでさえも、滑るときはあっさり滑ってくれます(雪道の事故(総集編)参照)。ましてやノーマルタイヤでは、雪道ではまったく役に立たないことを、雪道を知らない人達には十分知っておいてほしいものです。
アップに際してのコメントもいただいているので、以下にもう少し紹介させていただきます
(前後の文章は省略させていただいています)
たまにしか行かないから、スノータイヤを買うのがもったいない。
でもチェーンさえあれば大丈夫だろう、ちょっと位の雪なら大丈夫だろう、
と、雪にほとんど接した事のない地方の人間は、安易にそう考えがちなんです。
最近、地元(和歌山)の友人が京都経由で御嶽周辺までスキーに一緒に行こうと誘ってきたので装備を聞いてみましたが、チェーンを一対しか持っていないとのこと。
高速道路をチェーンで走るつもりなんやろうか、とさすがにそれは駄目だ、と言いました。
私の友人が軽率なんだ、と思われる方もいるかもしれませんが、実際に、雪の降る地方とそうでない地方では、これほどまでに意識の違いがあるんです。
そうした方たちの事故の防止や、雪の考えについて少しでもよくなってくれれば、と思います。
ほんとうにそうだと思います。僕も、ノーマルタイヤでスキーに行こうと誘われたら、正直言って戦慄します。
経験者でないとわからない部分も多いことですが、前もってさまざまな危険性を知り、危険性を回避することは大切だと思います。
事故をすれば、ただの物損で済む金銭的な出費だけならいいのですが、語り尽くせないほどの痛みや悲しみを伴うことがあります。
どうか、くれぐれも安全に雪道を運転されることを願っています。
2003年11月、スキー場オープンしてすぐの御岳(おんたけ)スキー場に行ったときのことです。私は、四駆ノーマルタイヤで、夜の山道を走っていました。まだ、11月だったので雪も少なく山の斜面にちらほら見える程度。もちろん、アスファルトの上に雪はまったくありません。
そのため気持ちよく走っていたのですが、スキー場まであと5・6キロというところで、いきなりスピン。幸い、スピードが遅かったので事なきを得ましたが、車を止めてスピンの現場を見てみたら、針葉樹林の細かい枯葉の下に氷ができていました。
枯葉があったためまったく氷が見えず、さらに枯葉も乾燥して硬くなっていて滑ったようです。たった直径50センチ足らずの氷と落ち葉であんなにすべるのかと驚きました。それからは、枯葉の上を走るときは、慎重に走るようになりました。
11月・12月は落ち葉がよく道路に落ちています。注意してください、意外なところに落とし穴があるかも。
追加情報として、天気は前々日は(標高1400Mで)20センチほど降っていたのですが、前日は快晴でした。が、風がとてもつよかったので、この風で枯葉が飛ばされたようです。
今回は、思いもよらない状況でのスリップのお話です。
基本的に、「枯葉が降り積もって」いたら、車が滑るんじゃないかとは予測できるのですが、アスファルト上に雪がまったくなくて、道路上に落ちていたわずかな枯葉が凍っていたとは、想像もつかなかったと思います。それも50cm足らずの距離で滑るとは
11月以降は、スキーができるくらいの山間部の道路では、冷え込みはとてもきびしいものです。また、11月以降は、平野部に住んでいては全然実感が湧かないと思いますが、山間部では雪が降ることがとても多いものです。
やっぱり基本的にスキー場に出かけるときは、充分な用心と冬タイヤ(スタッドレス)が必要ですね。
ちなみに11月中旬、長野と群馬の国道で、ノーマルタイヤのスリップ事故のお話が こちら にあります。11月以降、山間部を走るときは、用心のため、冬タイヤをおすすめしておきます。
☆ 駐車場での恐怖体験 by ミウラケンジさん
すでに危険な体験談としてHP上に載せていますが、このお話もノーマルタイヤの危険性がものすごくよくわかるお話だと思います。まだ読んでおられない方や、もう一度チェックをされる方は こちら をクリックして下さい。
2002/1/27 アップ