雪道初心者の事故 by Snowman-Yukio

 

 

僕が初めてスタッドレスをはいて、初めての雪道を走ったときの話です。

1998年11月中旬 冬季降雪のための閉鎖寸前の長野から群馬県への国道での出来事です

 

平地では雪がなかったのですが、山を上るにつれ、道には雪が。。。 (11月なかばなのに)

そして、僕はスタッドレスの性能を初めて体感し、感激にひたっていました。

「おお!スタッドレスって、こんなにもグリップするのか!!今までチェーンで十分だと信じ込んでいたのに、スタッドレスがここまで雪上性能のあるものだったとは!!!」

いつもはノーマルタイヤにチェーンを巻いて走っていた僕は、その性能のすばらしさに、ただただ驚くばかりでした。

また、12月にもならないのに、スタッドレスの効果を知ることができるなんて、と感動に浸っていました(笑)


そうして走っていると、前を走っている遅い車がいました。ナンバーを見ると広島ナンバー。えらく遠いところから来ているものだと思い、どうもノーマルタイヤで上っている様子で、ときどき
”ずるっ”って滑りながら上っていたのです。

そこはスタッドレスとノーマルタイヤの性能の違いです。少しだけ優越感にひたりながら、その広島ナンバーの車の横を追い抜いてゆきました。

そして、そのまま雪道の感触を楽しみながら走っていると、自動販売機があり、そこで僕は缶コーヒーを調達する事にしました。

僕が缶コーヒーを飲みながら休憩をしていると、先ほど追い抜いた広島ナンバーの車が走り去ってゆくのを見ました。あいもかわらぬ低スピードで。。。

のんびりもしていられない旅なので、コーヒーを飲み終えた後、そうそうと車に乗り込み、また山道を登り続けていました。でも、山道は登りだけじゃないのですね。下りもでてきました。スタッドレスをはいて初めての下り坂に、前後に車がいないことを確認し安全を確かめた上で、制動性能を確かめながら、下り坂を下りはじめていました。


そして、何度も何度もタイヤと雪との感触を確かめて、体にその車の感覚を覚え込ませていると、ふと前を見ると、コーナーの土手のところに、車が落っこちていました。

「おかしいところに車が落ちているものだ」

そう思って、その車の運転席を通りすぎざまに見てみると、なんと!まだ運転手が乗っていたのです。どうも、車はさっき通り過ぎていった広島ナンバーの車のようでした。なんとまぁ、落ちたてのほやほやだったのです! すぐに僕が車を止めると、運転手も助手席の人も窓から降りて(?窓からでて?)来ました。

 


いろいろと話をしたあと、僕が立ち去る前に撮った写真。 二人の間に、車の屋根が見えます。
また、この下り坂が、どれだけゆるい下り坂か、写真でわかると思います

 

「怪我はないですか?今落ちたんですか?」「今落ちたところ。怪我はないよ。いやぁ〜まいったよ。まさかこの季節、雪があるとは夢にも思わなかったなぁ〜」スタッドレスとかチェーンとかは?」「ないよ。はじめは上れなくなったら引き返そうと思っていたけれど、坂を上れたから、後は降りるだけだと思って。。。」「はぁ。。。」「でもよかったよ、ガードレールにあたらなくって。車もへこんでいないようだし。軟着陸したみたいだからね。」「怪我はないようでしたら、JAFを呼びましょうか?」「JAFの電話番号を知らないんですよ。」「僕の携帯でJAFの電話番号がわかるので、教えますね。」「いやありがとう助かるよー。」

 


よく見ると、雪にタイヤの跡が一直線につながっていて、落ちている車のところにつながっています。

 


実は、カーブを曲がりきれなかったのではなくて、トラックが来たので減速をしようと思ってブレーキを踏んだら、
タイヤがあっけなくロックして、
ハンドルもブレーキも何も効かず、そのまま土手に落っこちたそうです。
ノーマルタイヤで雪上を走るのは、
アイススケートをする自動車のようなものですね

 

車に損傷は少ないといっていたものの、このままの状態では、大きなユニック付きのトラックでないと引き上げるのは大変でしょう。おそらく、レッカー車が来るまでに2時間以上かかるところなので、引き上げ作業などを考えると、半日はかかってしまったかもしれません。

仕事で急いでいたので近道をしようと思って山越えを選んだようですが、おそらく、この日、仕事には絶対に間に合わなかったはずです。いっそガードレールにつっこんだ方が良かったのかも。。。 (いや、こういう場合は全くコントロールが効かないからそれも無理ですね。人がいたらはねていただろうし。。。)


でも、これが土手だったから良かったのですが、もし、ものすごい崖だったら。。。

雪道は下り坂の方が危険です。下り坂は特に注意をしたいものです。

 

また、11月といっても、標高が低くても、山は雪山にかわっているところも多くあります。

11月で、雪の降る地方での山道での通行は、ノーマルタイヤ車では、雪の状況に充分ご用心ください。

引き返すのも、遠回りするのも勇気ですね^^

 

事故をしてから後悔をしても時すでに遅しです。

雪の季節、下調べをして、充分な対策と知識をもっておでかけください。

 

 

でもこう書いている僕も昔やった経験があるのですが、ノーマルタイヤで雪道なんて、ほんとに自殺行為ですね

ブレーキの効かない車がどれほど恐ろしいものか、体感した人でないとわからないのかもしれないですね

せまりくるガードレールの迫力のすごさ!!(;^_^A

ほんとうに恐怖ですね、、、