ファンスキーの事故報告1  by たーさん

 

ファンスキーに関してのお話をはじめて読まれる方は、「ファンスキーの危険性」を、ぜひともお読み下さい。
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はじめましてsnowmanさん。神奈川県在住スキーヤーのたーさんと申します。

スキー関連からのリンクをたどって、こちらのHPにたどりつきました。
私のような首都圏スキーヤーにとって、このHPの内容はとても勉強になります。

HPで紹介されているみなさんの体験もとても実感のあるものですが、
私も昨シーズン貴重な体験をしましたので、ご報告します。
 


 

シーズン、春も近い3月22日に群馬の玉原スキーパークに行きました。
男友人5名で、内訳は私含めた3名がファンスキーで、一人がスキー、一人がスノボです。

初めてファンスキーを履く友人の面倒を見てると、先に滑ってる3人の友人の一人が大声で私を呼ぶので、近づいてみると、ファンスキーを履いていた友人が足を押さえて倒れています。
話を聞くと小さなジャンプ台でスピードは出さずに軽く飛び跳ねる程度だったのに、ファンスキーの先が雪面に突き刺さって、足をひねったというのです。
その友人は仲間内でも一番の肉体派だったので、まさか骨が折れてるなんてとは思いましたが、すぐにパトロールを呼びました。
 


 

パトロールが到着後、そりに乗せるためにブーツ、ファンスキーとも外さねばなりません。
私も手伝いながらブーツを脱がせようとしましたが、あまりの激痛に友人は大声を上げます。
するとパトロールの人が「ブーツはこのままでもいいが、病院でカッターでブーツを切断することになるけど・・どうする?」と言いました。
そのブーツは買ったばかりのもので、友人は我慢してブーツを脱ぐと言いました。
結局3人掛かりでブーツをなんとか脱がせましたが、その頃には友人のスネはだいぶ腫れ上がっていました。

それから地元の病院まで帰ってきましたが、その友人は足のスネの骨を二本ともポッキリ折っていました。
完治には一年以上かかるとのことでした。
 


 

友人の骨折については、あの自動では外れないビンディングにあるのでは、と以前から思っていました。
私自身ファンスキーもカービングスキーもやるので、ビンディングの危険な時に瞬時に解放してくれる機能に助けられた経験が、幾度かあります。
このHPを見て、やはりそうかと思いました。

しかしながら今シーズン、ファンスキー(スキーボード)は大ブレイクしそうです。
ということは、必然的に怪我する人も増えるのではないでしょうか。

そのような中で、このHPが持つ意義は大変大きいと思います。
今後スキー仲間にも、新しく始める人にも、このHPを見るように勧めます。

だいぶ長くなってしまいましたが、これからもがんばってください。
応援してます。

 

 

 メッセージ、心からうれしく思っています。ほんとうにありがとうございます。

 これまでにファンスキーの危険性については、HP上ですでに何度も取り上げてきていますが、あまりにもケガの報告が多いので、もう少しHP上で取り上げてみようと思っています。怪我はほんの一部の話だと思われるかもしれませんが、実際、ファンスキーで相当な数の怪我人が出ているようです。

 とあるSIAの上のほうのえらいさんも、とある大阪での「スキーヤーの集い」で、21世紀に向けたスキーに関する話の中で「ショートスキーの事故が増えてきている事が非常に気になってきている」というようなことを語っておられました。

 また、HPを見ていただいたパトロールの方からも、ファンスキーでの事故が増えてきているという話を聞くことも多くなってきました。まさしく、これらはすべて現場の生の声です。また実際に、ゲレンデでファンスキーヤーの方が怪我をしているのを見かけた人も、かなり多くなってきています。

 

 残念なことは、スキーの雑誌などでは、ほとんどファンスキーの危険性を取り上げられていないことです。雑誌の方たちも、ひょっとして、せっかくのブームに水を差すということで、取り上げたくても取り上げられないのかもしれません。(もしそうだとしたら、かなりかなしい話ですね)

 また、よく雑誌では、飛んだり跳ねたりすることを特集したりしているものの、今の時点ではその危険性について具体的に突っ込んだ話をしている雑誌は、見たことはないです。邪推かもしれませんが、広告を載せている以上、そういった話は書きたくても書けないのかもしれません。

 また、たとえいろいろな議論はあるにしても、確かにスノースポーツは自己責任でするものかもしれませんが、知識のない人たちに飛ぶことを紹介して、危険性というか、安全に滑ることを取り上げないのは少し問題があるような気もします。(もし、取り上げている雑誌があれば、紹介したいです)

 ところでファンスキーだけが危険ではないけれども、やっぱりファンスキーの解放機能のない固定式ビンディングの危険性は無視できるものではないように思えます。ファンスキーの固定式ビンディングに関して、あまりにもケガの報告が多いというのは、ほんとうにファンスキーを使用していても大丈夫なんだろうかと心配になってきます。

 足首の骨折が多いという報告もたくさん聞いていますが、今回は、初回の宮越さんの体験談と同じように、スネの骨を折るというものです。足首の骨折に関しても、スネの骨の骨折に関しても、普通のスキー(カービングも含む)では滅多に聞くことのないケガです。またさらに普通のスキーで骨折をしたという話も、もうこの頃はあまり頻繁に聞くということはないです。ですので、一概にはいえないものの、現在増えてきている事故というのは、特に一番目立つのがファンスキーのケガではないかと思います。

 また、スピードを出しているいないにかかわらず、骨折やねんざやじん帯をのばしたなどの報告が多いのもファンスキーの特徴だと思います。長いスキーであれば、スピードを出しての怪我を聞くことはよくあります。けれども、低速でのスキーの怪我は、さほど顕著にあるものではないと思います。ファンスキーに関しては、低速での怪我が目立つというのが特徴だとおもいます。

 ファンスキーの骨折などの事故に関しては、てこの原理から考えるとよくわかります。今回の事故に関して簡単に検証してみます。

 転倒時、足が雪面に刺さって一瞬固定されてしまい、身体は足を支点に前方向へ投げ出されてしまいます。そして、体全体がてことなり、支点は板に固定されている足となります。板とブーツの解放機能がないために、すべての力は固定されている足にかかってきます。そして、一瞬で足の骨が折れます。

 ただ折れるだけならいいのですが、多くのこういった転倒の場合は、良くないことに勢いがついているので、折れているとがった骨がさらに体内の肉を傷つけてしまうことになってしまうのです。こうなると足の内部での出血がひどく、足がかなり腫れ上がって、痛みもひどいものになってしまいます。

 


ファンスキーの危険性・前編 参照

 

 またついでに、以前アップした僕の目の前で起きたファンスキーの事故(ファンスキーの危険性・続編)の場合を検証してみます。(ちょうど、鉛筆が下敷きという斜面で、勢いよくゴロゴロと転がり落ちるような方向での転倒です)

 この場合は、身体ではなく、ファンスキーの板がてことなり、支点は板に固定されている足となります。この場合は、ファンスキーがプロペラのようになり、板とブーツの解放機能がないために、支点である足(足首)にすべての力がかかってしまい、骨折となってしまったようです。

 やはり固定されてあるビンディングに開放機能がないとすれば、転倒時に運が悪ければ、すべての力が直接人間の足にかかってきてしまうことがあります。そのために、ひどいときは足首やすね付近の骨折となってしまう結果になると思われます。これまでにたくさんの報告をもらっている中でも、結構聞くのが「あっけなく折れてしまった」ということなのです。1m以下の短い板とはいえ、転倒時にかかる足への力は相当なものになるようです。

 手軽でたのしいファンスキーですが、雪上でするスポーツということには違いはありません。できるかどうかわかりませんが、ファンスキーでの危険性をもうすこし浮き彫りにして、その先にあるファンスキーの安全性を考えてゆくものとして、僕なりにすこしHP上で模索してゆきたいと思っています。

  やっぱり同じ雪運動愛好家である人たちすべてが、怪我や事故することなく、みなたのしく雪を楽しめるものでありたいものです。そのために、ちょっとえらそうな表現かもしれませんが、たとえ小さな力だとしても、僕に何か出来ることがあれば、取り組んでみたいと思っています。ファンスキーを危険なものとしてではなく、安全に楽しむために。。。

 

PS1  ファンスキーは、ショートスキーと呼ばれたりスキーボードと呼ばれたりしていますが、このHPではいまのところは総称として従来のまま「ファンスキー」と呼びます。

PS2  たーさん、アップまでの準備にかなり時間がかかってしまいまして、たいへん申しわけありませんでした。また貴重な体験談もありがとうございました。最後のメッセージもほんとうにうれしく思っています。これからも地道ながらも頑張りたいと思っていますので、今後もぜひよろしくお願いします。ほんとうにありがとうございました

 

 

☆ ファンスキーの事故報告2 

怪我を減らすための方法が新たにアップされてあります
どうかご一読いただければと思っています

2000/11/20アップ