雪道ベンツのお話 ｂｙ komuさん
こんにちは、komuです。
２年前の話ですが、家族でエコーバレーに行ったときです。父親のFR車を借りて(もちろんスタッドレス着用）ビーナスラインを走っていました。ちょうど雪が２０センチぐらい積もっていて、発進のときにちょっと滑るなあ！って思っていたら急坂の上り途中で渋滞し、ストップしました。
そこからが地獄。案の定、発進時に後輪がむなしく空転をはじめ、立ち往生。嫁にハンドル握らせて、２人の方に手伝っていただき、路側帯まで車を押してもらいました。「何でスタッドレスやのにこんな事になるんや！やっぱりFRのぶっといタイヤ（２３５）のハイパワー車はあかんなあ。こんなんやったら、自分の１３００CCのFFで来るんだった。」と、ブツブツ独り言を言いながらチェーンを装着してました。
いつも通り１０分ほどでチェーンをつけ終わり、嫁さんと車の横で暖かいコーヒーブレイクしていた時です。
「あれ何？」と嫁さんが指差す方を見ると、３００メーター先を、お尻を振りながら坂を下ってくる１台の高級車ベンツが走ってくる（その時私は走っているようには見えませんでしたが）のが見えました。何か方向の定まらない走り方をしていて、いやな予感がしました。「頼むし、こっち来るなよ！」と思った瞬間、なんと後輪を滑らせたそのベンツは、反対車線に入りスピンをし、私たちの横２メートルをすり抜けて走って（滑って）行きました。一瞬、私と嫁は絶句。「こっわー、何やあれ」といったのが精一杯。
そのあともそのベンツは、あっちフラフラ、こっちフラフラと走り、もう１回バレリーナのようにくるくる回って、坂を降りていきました。横を通り過ぎたときに見ましたが、ノーマルタイヤでした。チェーンは着用していましたが、それにしてもひどい運転でした。１歩間違えば巻き添え事故に遭うところでした。その時は嫁さんも私も笑ってましたが、もし路側帯に停めていなかったらと思うと、ぞっとしました。
私も昔、FR車のノーマルタイヤにチェーン着用で雪道を走った時に感じたのですが、上りはいいとしても下りはものすごく怖かったのを思い出しました。チェーンのついた後輪はいいんですがブレーキをかけた時、滑る前輪は方向舵の役割をしません。車の中で「止まらん。どこ行くかわからん。」と言ってしまい、助手席の嫁さんが半泣きになってしまいました。「サイドトブレーキかけたら大丈夫だよ」と教えてもらい、サイドブレーキを引きながら汗だくで運転していたのを思い出します。
雪道では、FR車のノーマルタイヤは絶対にお勧めできません。自分で事故るのはまだましですが、人を巻き込むのは最悪です。あのベンツがもしも突っ込んできていたら、私は今スキーをすることもなかったし、こんなメールを入れることも出来なかったかもしれません。
（追伸）
あれ以来、私はベンツが嫌いです。
追伸部分の最後のオチ、大変ありがとうございました。やっぱりさすが関西人らしい、いいオチですね（笑） もし、その車がミニクーパーであっても嫌いになっていたのだろうかという突っ込みは、こういう場合はヤボですね（笑） 
それはともかく、今回のお話には、２つのテーマ性があります。
1.スタッドレスだけでは登れないことがある
2..ノーマルタイヤ+チェーン（ＦＲ車）の下り坂当たり前といえば当たり前なんですが、スタッドレスでは役不足になることがあります。やはり、ＦＲ車+スタッドレスは、登り坂の坂道発進がもっとも弱いです。これは僕もかなりの経験があります。登り坂で渋滞や信号待ちなどをするときは、はっきりいって冷や汗ものです。あまり荷重のかかっていないリアタイヤが駆動するんですから、すぐに発進不能になってしまいます。
登り坂の凍結路でヘタをすれば、アクセルを踏んだ瞬間に、バックしてしまうこともあります。もちろん、タイヤは前進の方向でまわっていますが、凍結路で滑って空転してしまうのです。後ろに車がいれば、最悪です。だから発進にはものすごく気を使います。だから、特にＦＲ車はスタッドレスが基本で、さらにチェーンは必携です。（ 「雪道のＴｉｐｓ」に、ＦＲ車での駆動力確保の工夫のお話がありますので、ぜひ参照してください）
また、ＦＲ車のチェーン着用時の危険性のお話でもあったように、ノーマルタイヤ+チェーンの下り坂での車の制御は、かなり怖いものがあります。チェーンを巻いているリアタイヤのブレーキができるサイドブレーキをかけるという方法でなんとか速度の制御ができますが
