三ヵ国旅行記(フランス、スイス、イタリア)



 海外旅行に行ってきた話なんですが、今回の海外旅行は、スイス往復切符をスキーの大会でもらったもので行くことになったのです。もらった本人は、100分の1秒の数字がポイントになる実力抜きのポイントレースで優勝して、ただトップだったことを喜んでいたというだけの話で、海外になんて全然というかまったく行く気が無いし、あんまりというかまったく(笑)スイスには興味がなかったのです。結局、そのチケットの有効期限があと2ヶ月しかない状態になって、はじめて「行かないともったいないかな」という気持ちだけで行くことを決めました。


スイスから帰国して翌日に参加した大会(場所は比叡山人工スキー場)
感想を言わされたけれど、最高によかったとしか言いようがなかった(苦笑)

 まぁ、しかし今回の三カ国旅行は、今まで、自分がどれだけ固定観念にとらわれているのか、思い知らしてくれたような気がしました。正直なところ、このごろ、自分自身がどうあるべきかわからなくて、毎日ためらいながらすごしていました。時間に追われながら毎日を過ごすのが精一杯で、自分自身の目標を失っていて、なにかにがんばろうとする気持ちだけが、空回りしていました。

 これは情熱完全燃焼型(謎)の僕がよくなるもので、一つのことに打ち込んでいて、それが目的を達したりすると、毎日の生活の目標を失って気が抜けてしまい、自分がどうあるべきか迷いはじめるのです。というのも、先のスキーシーズンでは、自分に課した目標をひたすら全力でがんばってがんばって、なんとかその目標を達成した事で、このオフシーズンにはいったとたん急に気が抜けてしまい、雪のある生活から雪のない生活の変化に自分が対応できなくなって、とまどっていたのです。
毎日、なにもかもがやる気がなくって、なにもかもがめんどくさかった。。。

 でも、行ってきてよかったです。以前、一人旅のよさのエッセイ(エッセイ一人旅」)を書いたけれど、ほんとうに旅っていいですね。やってみないとわからないけれど、異境の地を旅するというのは、本当にプラスになりますね。旅行が何かを教えてくれるのでしょうか。一人になることが何かを教えてくれるのでしょうか。今回の旅のはじめは、フランスのパリからでした。いきなり旅のはじめから、僕の中にある価値観が大きく変化してきました。フランスのパリで、自分で自分の道を切り開いている、ひとりの日本人女性デザイナーがいます。この人と出逢った旅のはじまりから、僕は自分の思っていた世界の狭さを感じる現実に、とまどわざるをえませんでした。


よくスイス往復チケットがゲットできたものだなぁ

 そして各地を旅してゆくうちに、自分のほんとうの姿を直視させられて、いろいろと考え想うことも多かったものです。過去の自分や現在の自分、そしてあるべき未来の自分。そして、自分が生きている世界の狭さ。一人なので、考えたくなくても考えてしまい、ずっと物思いにふけりながら、電車の窓の外を見ていたものです。

 でも、ある土地では、ひさしぶりにものすごくエネルギーを感じて、僕は生まれ変わったような気持ちになりました。一人旅の良さというのでしょうか。それまでのいろいろな心の中の想いが、きれいに晴れ上がってくるのを感じました。

 たくさん写真を撮ったので、写真の解説も加えておこうと思います。文章はともかく、写真と解説だけは旅の役に立つかもしれません。この三カ国旅行記では、どこの景色がよかったとかという話は最小限にして、思い向くままに、自分が感じたことを中心に書いてゆきたいと思います。また、一気に書くとあまりにも文章量が多くなりそうなので、それぞれの日にわけて、書いてゆきたいと思います。知り合いには読まれると照れくさいのですが(苦笑)、結構正直に想いつづけていたことを書いてゆきたいと思います。

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2000年7月8日アップ