にゃんこのペロちゃんがやってきた!

 

私が小学校の4年生、妹が1年生になった時、母が家業を手伝うことになり、

私たちは鍵っ子になりました。

その年の秋か冬、父がふたりでお留守番は寂しいだろうと、

取引先で雄雌夫婦で飼われていたシャム猫の雌をもらってきてくれました。

それがにゃんこのペロちゃんです。ペロペロ舐めてくれるからペロちゃん。

ペロは先の家で1度出産を経験し、たぶん2歳くらいで我が家に迎えられました。

初めてうちにやってきたその日のことはとてもよく覚えています。

ペロは父の肩にしがみつくような形で『ニャオ、ニャオ』と鳴きながら到着しました。

シャム猫を見たのも初めてなら、リードにつながれた猫を見たのも初めて。 

そのスリムでしなやかな野性的な風貌は、私の思う猫の姿とはあまりに違っていて、

『怖い・・・こんな猫と一緒に暮らせないよ・・・』と思いました。

ペロは物心ついてからずっとリードでつながれた生活をしていたそうで

うちでもリードにつながれ、土間(昔かまどがあったらしい)の一角の床をすのこで上げて

そこに藤製の脱衣籠をおき、そこを寝床として暮らすようになりました。

1年生だった妹は私が学校から帰る時間くらいまで近所の親戚の家で過ごし、

ころあいを見計らって帰ってきます。

『ペロちゃん、ペロちゃん』  ランドセルの音をかしゃかしゃ立てながら走って帰ってくる

その音を今でもはっきり思い出すことができます。

こうしてペロは我が家の一員となり、その後16年余り一緒に過ごし、18才で旅立ちました。

私の小学校時代〜中学、高校、大学、そして社会人へと、その長い時間を共有したのです。

これから少しずついろいろ思い出しながら筆を進めたいと思います。

時間が前に行ったり後ろに戻ったりするかもしれませんが、許してくださいね。